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女子単複共に優勝の快挙‼︎

女子単複共に優勝の快挙‼︎

◇2022年度関西学生新進トーナメント◇3月7日◇於・万博テニスガーデン

新進テニストーナメント7日目。関大からは女子シングルス、ダブルス共に決勝戦に出場した。シングルスは山口花音(経1)が山口瑞希(関学大)との姉妹対決を制し優勝。そして川本茉穂(人4)・山口組はタイブレークにもつれ込む接戦を制し、見事逆転勝利。単複共に優勝する快挙となった。

関大と関学大の対決。新進テニストーナメント決勝の舞台で、関関戦が実現した。サーブ権は関大。「思い切っていくよー」と応援の声が背中を押し、強烈なサーブがさく裂。相手はリターンを返せない。1ポイント目を獲得すると、相手を左右に振るプレーを展開。アウトを誘いゲームポイントを獲得した。1ゲーム目をキープし、幸先の良いスタートを切る。第2ゲームをブレイクし流れを確実につかみたいところ。しかし相手のサーブが刺さりこのゲームを落とす。その後ゲームは互いがキープを譲らない展開に。互角の戦いが繰り広げられる。試合が動いたのはゲームカウント2-2で迎えた第5ゲーム。前に出る動きを読まれ、頭上を超えるテクニカルショットを決められる。対戦相手は幼いころから一緒に過ごしてきた姉。「自分の性格も把握されているので、やりずらさがあった」。さらに強烈なバックハンドで左サイドを狙われ、このゲーム初のブレイクを許す。キープするだけではこのセットを落としてしまう。しかし山口の反撃はすぐに始まった。第6ゲームはポイントの取り合いになるものの応援の歓声が背中を押した。最後はドロップショットが決まりブレイクの仕返しに成功。ここから勢いに乗り、第7ゲーム。1度はゲームポイント目前まで迫られるものの、持ち前の豪快なスマッシュで同点へ。最後は長いラリーを制しキープに成功し、4-3と逆転した。さらに次のゲームもブレイク。ゲームカウント6-3で迎えた第10ゲームも勢いは止まらない。浮いたボールもミスなくスマッシュを決め、見事1セット目を奪い取った。

△山口

1歩優勝へと近づいた第2セット。山口の猛攻は続く。1度はフォーティーオールまで追いつかれるも、最後は相手のオーバーを誘いブレイクに成功。有利な展開で試合を進める。続く第2ゲーム、第3ゲームもあっという間に獲得。ネットギリギリのスライスやドロップショットなど幅広いプレーを披露。ガッツポーズも見せ、応援の歓声も次第に大きくなる。「相手の集中力が切れていたのがわかった」と山口。第4ゲーム、第5ゲームもなんなく物にし、ゲームカウント5-0で迎えた第6ゲーム。最後は相手のアウトでゲームセット。第2セットは終始相手を圧倒する完璧な内容で、見事姉妹対決を制した。

シングルス優勝の快挙からおよそ1時間後。女子ダブルスの決勝戦が幕を開けた。相手はまたしても関学大だ。第1ゲームのサーブ権は相手から。ここをブレイクして良いスタートを切りたいところ。1ポイントを獲得したのは関大。山口のナイスリターンで先制し、応援から拍手が沸いた。しかし相手もスピードのあるサーブで対抗。第1ゲームはポイントの取り合いになったが、最後はアウトを誘われブレイクとはならない。第2ゲームは川本のサーブが冴えた。相手がリターンできず3連続ポイントを獲得すると、最後は山口がスマッシュでゲームポイント。しっかりとキープする。ここからお互い譲らない互角の流れに。双方がキープを取り合う状況が続き、先にブレイクしたほうが有利な展開へと進む。そして追い風を受けたのは関学大。ゲームポイント3-4で迎えた第8ゲーム。サーブ権は関大だが、相手の速さのあるレシーブに苦戦する。このゲームをストレートで落としブレイクを許した。ゲームポイントは3-5。次のゲームを取られると1セット目を失ってしまう。さらにサーブ権が相手にあるため、ブレイクが必要な厳しい展開を強いられた。応援からは「自信持っていこう」の声。だが相手のサーブに食らいつくものの、最後はベースラインをオーバーしてしまい、1セット目を落とした。

△川村

「優勝」という目標のために、ここを落とすことはできない。「2セット目は冷静にいこうと話し合った」と山口。重要な第1ゲーム目は、サーブ権が関大にある。しかし相手の勢いに飲まれ、3連続ポイントを許す。最後は強く回転のかかったボールに苦戦し、1ゲーム目をブレイクされた。厳しい展開から2セット目がスタートする。続く第2ゲームもキープを許し差が開く。しかしこのままでは終わらない。第3ゲームは山口のサーブがさく裂しキープに成功。続く第4ゲームは息のあったプレーでフィールド全体を使ったテニスを展開。ブレイクに成功し、第1ゲームの仮を返した。隣のコートで試合をしていた男子ダブルス決勝が終わり、観客がこちらに駆けつける。ここから互いにキープを譲らない状況に。ゲームポイント4-4で迎えた第9ゲーム。川本のサーブ権があるこのターンを落とす訳にはいかない。山口のレシーブが相手のボレーミスを誘い、3連続ポイント獲得する。見事このゲームのキープに成功した。次のゲームを取ると試合を振り出しに戻すことができる重要な場面。しかし簡単にはそうさせてくれないのが決勝の舞台だ。相手のサーブに苦戦を強いられ、ブレイクできない。ゲームポイントは5-5となった。サーブ権が関大にある第11ゲームはなんとかしのぎたいところだが、相手のレシーブが冴える。ストレートでブレイクされ、優勝に王手をかけられた。次のゲームをブレイクし返さなければ、負けが決まる正念場。「2セット目は自分たちも良い流れがくると信じてプレーした」と川本の言葉通り、2人の息の合ったテニスを展開する。山口のレシーブは相手のミスショットを誘い、見事このゲームをブレイクした。

ゲームカウントは6-6になり、試合は7ポイント先取のタイブレークへ。ここでも川本・山口組のチームワークは強かった。川本のサービスエースで1ポイント目を獲得すると、甘い球を見逃さずスマッシュも決め着実に点を重ねる。先に4ポイント獲得し、コートチェンジ。試合を見守る応援が横1列に並び、声援を送る。その後も流れは完全に関大ムード。たった3点しか与えず、見事タイブレーク戦に打ち勝った。試合は最終局面に突入。先に10ポイントを獲得した方が優勝が決まる。先制したのは関大。タイブレークの勢いをそのままに、攻めのプレーを展開する。夏のような日差しに負けないほど響き渡る応援の歓声。5連続ポイントで相手を一気に突き放す。相手の焦りもうかがえる。最後は相手のネットを誘い、10ポイント目を獲得。劇的な逆転勝利で、シングルスに引き続きダブルスも優勝を果たした。

シングルス、そしてダブルス優勝の快挙。「ここがゴールではないし、もっと先を見据えていかないと」と川本。優勝することは簡単なことではない。しかし関大テニス部が掲げる目標はインカレ、そして王座の完全制覇である。今回の結果も単なる通過点でしかないとするならば、これからどんな景色を見せてくれるのか。期待に胸がふくらむ。【文/写真:合田七虹】

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