いまロード中
×

全員サッカーで初戦突破!

全員サッカーで初戦突破!

◇第25回大阪選手権大会大学予選◇対大市大◇8月9日◇関西大学高槻グラウンド◇

【前半】関大 2-0 大市大 【後半】関大 0-0 大市大 【試合終了】関大 2-0 大市大

※今大会は新型コロナウイルス感染拡大への対策として、無観客及び試合終了までの日程・場所等の非公開が条件で開催されました。そのため、関大スポーツ公式Twitterでの試合速報は自粛いたしました。また、今大会の今後の試合日程についても言及いたしません。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

新型コロナウイルスの影響で、前期リーグの中止、制限つきの練習など新体制になってからは異例尽くしの日々だった。そんな中、女子の皇后杯予選に続き、男子TOPチームも待ちに待った新チーム初戦を迎える。会場入りするために提出しなければならない健康チェックシートには16日前からの毎日の体温記録を記入し、当日も会場に入る前に検温。アルコール消毒も徹底した。試合中、ドリンクの回し飲みもなし。そして、無観客。他にも多くの対策を施しているはずだ。このような厳重な体制の大会運営は関大サッカー部員が行っていた。「いろいろな人が協力してくれて迎えられたことを素直にうれしく思うし、そこに対して感謝しないといけない」とDF小山新主将(商4)。今の状況で部の特徴でもある、大応援はできない。しかし、チームの為に動く部員たち、そしてそれにプレーで応える選手たちの姿が「全員サッカー」の精神を物語っていた。

立っているだけで汗が流れる暑さ。太陽の光がカンカンに注ぐピッチで、キックオフ。開始後まもなく攻撃の主導権を握ったのは関大だった。2分にはMF草刈龍星(法3)のクロスにFW福原涼太(経4)が合わせに行くが届かない。さらに4分、今度はDF次木優斗(商3)の縦パスをFW福原が受けシュートを放つが、クロスバーの上を通過した。3分後にはフリーキックを獲得。キッカーMF深澤佑太(社2)が蹴ったボールはDF小山主将の頭上にきれいに飛んだが、惜しくも先に相手に触られ、シュートには至らず。それでもペースをつかんだ関大は左右に広く展開し、多くのチャンスを演出。前線の選手だけでなく、DF小山主将もミドルシュートを放ちゴールを脅かす。しかし、得点を決めることはできずにいた。「序盤から得点につながるようなチャンスがある中でなかなか決めきれなかったので、かなりプレッシャーはあった」と、FW沼田駿也(政策3)。そんな中、チームの突破口となったのは献身的に走り続けていたMF高取誠隆(人3)だった。36分、右前でフリーだったDF坂口貴哉(人4)にロングパスが飛び、ゴール前に駆け込んだMF高取にクロスが行く。冷静にゴールに運び、先制点をもぎ取った。

△MF草刈
△MF坂口
△MF深澤
△DF次木
△MF高取(左)
△MF高取が先制点を決めた

「早く1点欲しいなという時間帯だった。いいボールが来たので、ゴールに流し込めて良かった」とMF高取。これで流れに乗った関大はさらにシュートを重ね、44分にはFW沼田がFW福原からパスを受け、自ら運んでゴール。貴重な追加点を挙げた。

△FW福原
△FW沼田が追加点を決めた
△アシストした福原(左)と沼田

後半、DF小山主将は「絶対ゼロでいこう」と呼びかける。言葉通りの堅いディフェンスで相手にチャンスを与えない。DF松尾勇佑(文2)は後半いっそうギアを上げ、右サイドを駆け上がって攻撃にも加担。MF梅津克貴(社3)は華麗なボールさばきで相手を翻弄(ほんろう)し、攻めの起点となった。さらに後半中盤になると、MF松本歩夢(文4)、FW木戸口蒼大(情4)が加わり、前線を活性化させる。相手のカウンター攻撃も、GK光藤諒也(文3)が確実に止めた。0失点に抑えながらもゴールは狙い続け、獲得したセットプレーでは、終盤で入ったMF足立翼(人2)の正確なキックにゴール前の選手が食らい付く。だが、あとわずかポストに収まらず、2―0でホイッスルを聴いた。

△DF小山主将
△DF松尾
△MF梅津
△MF松本
△FW木戸口
△MF足立

「初戦というのはサッカーにおいて難しい」と前田雅文監督。その中で2得点、しかも失点ゼロと言う結果は、上々だ。大会ができる環境を整えてくれた関係者に感謝し、練習したくてもできないほかのカテゴリの仲間の思いも背負って戦ったTOPチーム。勝利へ向かってひたむきに戦い続ける姿勢は、サッカー部全体の原動力になっている。ソーシャルディスタンスを取っていても、全員サッカーでつながっている選手たちから、今後も目が離せない。【文:勝部真穂/写真:遠藤菜美香】

△GK光藤

▼前田監督

「なかなか公式戦ができない中、8月になってしまったが、(今試合が)初戦だった。練習ができていないとかに関わらず、初戦というのはサッカーにおいて難しい。その中で、なかなか最初は得点できなかったですが、前半のうちに得点することができて、(失点)ゼロに抑えられたので、難しい中うまく戦えたと思う。前線の選手たちは感性豊かな子が多いので、こちらからああせいこうせい言うよりも、自分のアイデアを持ってて、その場その場で状況判断をしてプレーをすることが得意。どちらかというと、こっちからの指示というよりは、自分たちのアイデアを優先してプレーしてもらっている。その中で得点も生まれた。だが、欲を言えば得点のチャンスはもっとたくさんあったので、もう少し貪欲に点を取れたかなとは思う。(コロナの影響で練習に制限があったが)4月、5月はいろいろスポーツについて考えたり、サッカーについて考えたり、「全員サッカー」について考えたり。そういうところで学生は、プレーはできなかったが、いろんなことを考えるいい機会になったかなと思う。それは学生が自分たちで取り組んでくれたというところもあって、今後に対してはいい時間やったかなと思う。6月、7月になって、徐々に練習はできるようにはなったが、感染の状況によって、サッカーできたりできなかったりという日々が続いた。コンディション的には上げづらかったとは思うが、そこはもう仕方がないことなので、練習ができるときにトレーニングをしっかりとしといて、コンディションを上向きにしていった。(次戦に向けて)トーナメントなので負けてしまったらそこで敗退。勝ち続けるしかない。絶対勝利するために、課題を修正しながら進んでいきたい」

▼DF小山主将

「コロナの影響でいろいろ活動できない期間が続いたりだとか、今も活動できていないカテゴリがある中で、こうして公式戦をいろいろな人が協力してくれて迎えられたことを素直にうれしく思うし、そこに対して感謝しないといけない。(感謝の思いを)結果で示せたのは良かった。試合内容に関しては初戦ということで、チームとしての硬さだったりで、難しくなるということは予想できた中で、前半のうちに2点取れて、うしろは絶対ゼロでいこうとチームで話し合っていたので、もう少し点数は欲しかったなというのはあるが、2-0で終われたのは良かった。練習は公式戦の近いカテゴリのTOPとFCはできているが、それ以外のIリーグに参加する、ULTRAS、REDGROW、SOLEO、なでしこも皇后杯予選終わってからは(練習)できなくて。そういうカテゴリもある中で(サッカーを)やらせてもらえているということはありがたい。(攻撃について)相手は体を張って守ってくるということが試合前から予想できていたので、積極的にサイド使いながら、あとはセットプレーとかで点を決めていこうという感じだった。セットプレーではチャンスはあったが、点を決めることはできなかった。FWもチャンスで決めきれなかったので、そういうところは次戦までに修正していきたい。(小山選手自身もシュートを放っていたが)キックは自分の一つの武器だと思っている。相手が引いてくるので、ミドルシュートは効果的になってくるかなと思っていて、試合前から狙っていた。(ディフェンスに関して)基本的には攻めてる時間が長いので、後ろが集中力切らさないで、相手にチャンスを作らせないというところは、DF次木とかキーパーの光藤とかと話し合いながら、チーム全体に声をかけて、無意識的にできた。相手にチャンスを与えずに90分を終えれたというところは良かった。(次戦に向けて)チームとして今日出た試合の課題を修正していきながら、次もいい状態で臨めるように頑張っていきたい」

▼MF高取

「(先制点を決めて)早く1点欲しいなという時間帯だった。いいボールが来たので、ゴールに流し込めて良かった。(運動量の多さ目立ったが)自分の一番の特徴がそこだと思うので、チームのために最後まで走りきれたのは良かった。でも、まだ課題は、決めきるところやラストパスのところで残っているので、そこはしっかりやっていきたい。チーム全体としても、もっと点は取れたと思う。ただ、初戦でしっかりゼロで抑えて勝てたというところは良かった。(コロナの影響で)練習はだいぶ制限されていたが、やれることはやっていた。一人一人が準備してこの試合に臨めたと思う。でも、だいぶ久しぶりの公式戦だったので、立ち上がりは難しかった。ただ、この試合は自分たちだけでは絶対に迎えられなかった。たくさんの人が準備してくれて、それで行えた試合なので、しっかり仲間とかチームに感謝したい。(次戦に向けて)次も絶対に難しい試合になるとは思うが、個人としてはチームのために走って、ハードワークってところを意識して、また点という形で貢献して行けたらいいなと思う」

▼FW沼田

「序盤から得点につながるようなチャンスがある中でなかなか決めきれなかったので、かなりプレッシャーはあった。でも、こうやって大会をできる環境を整えてくれた大会関係者の人であったり、関大のスタッフももちろんそうですけど、チームメートが今回大会の運営をしてくれたので、そういう人たちへの感謝を込めて、決めようと思っていたのが入って良かった。ずっと試合を決定づけるようなシュートを決めたいなと思っていた中で、なんとか得点できて良かった。練習はできてなかったりもしたが、支えてくれている人たちの思いも背負って頑張ろうと思っていた。(次戦に向けて)次も難しい試合になると思うが、練習できていないカテゴリもあるので、そういう人たちの思いも背負って必ず結果で貢献できるように頑張りたい」

Share this content:

コメントを送信