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木科、白岩が初のインカレ入賞!

木科、白岩が初のインカレ入賞!

◇第96回日本学生氷上選手権大会フィギュア競技3日目◇1月7日◇ALSOKぐんまアイスアリーナ◇

[男子7、8級FS]
7位 木科 126.98

[男子7、8級最終結果]
7位 木科 194.98

[女子7、8級FS]
6位 白岩 112.41
15位 鈴木な 89.09

[女子7、8級最終結果]
8位 白岩 167.78
16位 鈴木な 137.38

ついに最終日を迎えたインカレ。男子7、8級では木科雄登(安全4)が迫真の演技を見せ、7位入賞を達成する。女子7、8級では白岩優奈(文3)がほぼノーミスの演技で順位を上げ、8位に輝いた。

男子7、8級に登場したのは木科。『primavera』の切なげな音に合わせて滑り始める。冒頭のトリプルアクセル+2回転トーループを着氷させると、会場に歓声が鳴り響いた。3回転ルッツも決めると、約2年ぶりの2本目のトリプルアクセルに挑む。ここは惜しくも転倒してしまったものの、続く3連続のコンビネーションジャンプはきれいに降り立った。ステップシークエンスでは滑らかで美しいスケーティングを見せる。3回転フリップは転倒となってしまったが、励ましの声と温かい拍手が飛び交った。その後のジャンプは着氷を決め、終盤には思いのこもったコレオシークエンスを披露。演技終了後には晴れやかな笑顔を見せ、7位入賞で大学4年間のスケート人生を締めくくった。

△木科
△賞状を手に持つ

男子の表彰式が終わり、女子7、8級がスタート。関大で最初に登場したのは鈴木なつ(人2)だ。冒頭のジャンプでは高さのある3回転トーループをきれいに決める。続く3回転ループは転倒してしまったが、直後のダブルアクセルはしっかりと着氷させた。しかし、後半になるとジャンプで転倒したり、回転不足となってしまう場面も。それでも「応援が本当に力になった」と拍手や声援に励まされ、最後のコンビネーションジャンプは決めた。さらに全てのスピンでレベル4を獲得。手足の長さを生かしたダイナミックな滑りを披露し、『The Phantom of the Opera』の世界観へと観客を引き込んだ。

△鈴木な

続いて白岩が登場。『The Mission』の優しく穏やかな音色が流れ始めると、ゆっくりと両手を上に掲げて演技を始めた。スピードに乗り、流れるように3回転ルッツを着氷。続くダブルアクセルや3回転トーループ、3回転サルコーも降り立ち、ジャンプを決めるたびに笑顔が咲いた。ステップシークエンスではリンクを大きく使った滑りを披露。3回転ルッツでは少し回転不足になってしまったが、それ以外のジャンプは全てミスなく着氷させた。演技終了後には多くのバナータオルが掲げられ、白岩も笑顔でスタンディングオベーションに応える。本人も「少し自信になった」と振り返る内容で8位入賞を遂げた。

△白岩
△賞状を手に持つ

木科は来シーズン、白岩と鈴木なは国体に向け、収穫のある内容となった今大会。それぞれの目指す演技へ、これからも歩みを止めることなく進み続ける。【文/写真:中吉由奈】

▼木科
「(今の心境)終わったなという感じで、とりあえずほっとしています。(演技を振り返って)ショートプログラム(SP)でトリプルアクセルを失敗してしまったんですけど、今日の朝の練習ではかなり調子を上げることができました。元々1本の構成でいくつもりだったんですけど2本いけるぐらい調子は良かったので、2年以上ぶりに2本の構成にしました。アクセルの失敗は仕方ないとして、後半ばててしまったところがあるので、そこは来シーズンの課題かなと思います。今後この構成でしっかり練習を重ねていきたいです。(リンクサイドからの声援)他の全日本や西日本では味わえない雰囲気でした。小さい頃から一緒にやってきた仲間たちが声を出して応援してくれるのは演技中のしんどい時でも頑張ろうと思えるし、本当に心強い応援でありがたかったです。(インカレで初の入賞)今回は具体的な順位の目標はなかったので、欲を言えば200点いきたかったというところはあります。でも、一桁の順位に入れたというところで大学最後の締めくくりとしては最低限の結果は出せたんじゃないかなと思います。(今シーズンを振り返って)この2年間全日本のショートが通過できないという結構つらいシーズンだったので、今シーズンは全日本でいい演技をすることを目標にやってきました。今シーズンの平均の合計点数も190点ぐらいは出せたと思うので、そこは来シーズンに自信を持って挑んでいけるし、今後アクセル2本で210点、220点を目指す上でいい試合の積み重ねができたかなと思います。(大学4年間を振り返って)大学1年生のシーズンまではずっと強化選手で前線でやれていたという自覚があったんですけど、新型コロナで試合がなくなったり、海外の試合に行けなかったりで結構モチベーションが下がってしんどい時期もありました。でも最終的に自分はやっぱりスケートが好きで、スケートが楽しくてやっているということを改めて思い出せた4年間だったと思います。主将も経験できましたし、本当に関大のアイススケート部でいい経験をさせてもらったなと感謝の気持ちでいっぱいです。(同期や後輩へメッセージ)このインカレの後もまだ試合は何個かあると思いますし、スケートを楽しむということを一番大切にしてほしいと思います。僕はまだあと2年間スケート競技を頑張るので、みんなに応援してくださいと伝えたいです。(来シーズンの目標と意気込み)来シーズンは全日本でいい演技をして、2年後が多分引退になると思うんですけど、そこで本当にやり切ってもう悔いはないと思って辞めたいので、それにつながるようなシーズンにしたいです。あまり結果は求めず内容にこだわって、自分との戦いで1つ1つ頑張ってけがなく終えたいです。(あと2年続ける決断はいつ頃したのか)大学3年生の初めぐらいに。ゼミに入った段階で教授の方から大学院に行く方法があると言われて、もうちょっと自分もスケートをやりたいなという気持ちがあったので。何となく大学1、2年の時から大学4年生で自分がスケートを辞めている未来が想像できなかったので、かといって進路は決まっていなかったので、偶然いいお話を頂いて、そこですぐ決断しました。そのまま大学院に上がる感じです。(進路が決まり、この1年はどのように過ごしたか)2年後の引退に向けて、1つ1つ悔いが残らないようにやってきました。10年後とかにもうちょっとスケートしたいなと絶対思うし、この試合を見に来たりした時の空気感で絶対もう1回やりたいなと思うはずなので。その時の自分を想像しながらじゃないですけど、しっかり楽しもうという気持ちでこのシーズンはやりました。あと2年間もおそらくそういう気持ちで競技をするんじゃないかなと思います。(4年間で一番つらかったこと)大学1年生の時は強化選手だったのでおそらく海外の試合とかもあったはずですし、あともう1年ジュニアグランプリシリーズとかも行けたはずでした。そこで最後結果出して終わりたいなというのがあった中で、コロナで全部中止になってみたいな。それが一番きつかった年で。そこからもう一度強化選手に上がることの大変さをシニアに上がって痛感しました。その時は本当につらいなと思いながらやっていましたけど、今となってはいい経験になったなとは思います。(今後さらに伸ばしたい部分は)ここ何シーズンかはミスを恐れて自分のスケートができていなかったというか。どうしてもジャンプを置きに行っていた部分があって、自分のスケートの強みというのが全く出せていませんでした。今回のインカレではしっかり足を使って、疲れてもいいから自分のスケートしようと思ってやったので、そういうところをさらに伸ばして攻めにいきたいです。(2年後はどんなふうに終わりたいか)人生の半分以上をこのスケート界で過ごしてきて、本当にたくさんの方にお世話になって、いろんな方に支えてもらいました。その人たちに最後「木科くんのスケート良かったな」と思ってもらいたいし、そういう人たちに感謝の気持ちを込めて滑って、周りの人も自分も笑顔で最後は終わりたいです」

▼鈴木な
「(今の心境)もうちょっといい演技したかったなというふうに思っています。(演技を振り返って)前半は割と落ち着いて結構淡々とできました。後半になっても乱れたという感覚はなくて、最後まで攻められたかなというふうには思っているんですけど、何というか、複雑というか。でも自分の中ではそんなに悪くなかったような気もします。(会場の声援)2回こけたんですけど、その時に会場が拍手とか「がんば」という声をかけてくださったのが本当にすごく聞こえて。それで切り替えて次に行けたというか。今日無観客だったら滑り切れていたかなというぐらい本当に応援を感じて滑ることができました。(今シーズンの飛躍の要因は)いろいろあると思うんですけど、やっぱり今シーズンはすごく応援の力を感じています。例えば自分のことをずっと応援してくださっている方に直接お会いする機会だったりとか、同じリンクの中でもスタッフの方に「自信持って頑張って」というふうに声をかけてもらったりとか。去年とあまり生活自体は変わっていないんですけど、そういう機会が偶然多くて、それで自分って思っている以上に応援してもらっているんだなというのを感じられたので、頑張ろうと思えていることかなと思います。(今後の目標と意気込み)ずっと目標と言ってきた全日本出場というのは今シーズン達成できました。国体は今シーズン最後なのでしっかり自分が締めくくりとして自分の演技をしたいなというふうに思っています。来シーズンはまた違ったプログラムをお見せできると思うので、そういった面でまた1つスケールの大きいスケートができたらいいなと思います」

▼白岩
「(今の心境)無事に大きなミスやけがなく終えることができて、この会場の雰囲気も楽しむことができたので良かったかなと思います。(演技を振り返って)回転不足だったりちょっと足がもたついたりしたところもあったんですけど、とにかく転倒なく滑り終えられたというのが、少し自信になったかなと思っています。(合計はシーズンベストだった)全日本にピークを合わせる難しさというか、全日本でももうちょっと落ち着いてやればもっとできたのかなという思いもあります。でも終わったことですし、自分がやった内容に合った点数がつけられると思うので、1試合1試合の結果に真摯に向き合いながら、また次戦に向けてどう練習していくかというのを考えないといけないなと思っています。(リンクサイドからの声援)結構リンクサイドにいる方の声が聞こえるような状況だったので、その声も受け取って楽しみながら、すごく力になりました。(インカレを通して)練習でやってきたことがほぼ出せたので、最初で最後のインカレをすごく満足して終えられたかなと思います。(個人と団体の結果について)個人はまさか入賞できると思っていなかったのでうれしいです。団体は次の世代がリベンジしてくれると思うので、また後輩が頑張ってくれると思います。(今後への意気込み)まず今シーズンは最後に1戦、国体があるので気を抜かずけがなく、今日よりもいい演技ができるように頑張りたいと思っています。(来シーズン以降について)どのようにスケートに向き合うのかというのは考えなければいけないことだと思いますし、どこを目標にしてやるのかはまだ答えが出せていないという状態です。でも在学があと1年あるので、スケート部には所属します。ただ、続けるにしても続けるだけじゃ意味がないので、その覚悟とエネルギーがどこまで戻ってくるかによるんじゃないかと。(スケート人生で残したいもの)自分らしい滑りとは何か、というのを考えながら練習していて。最初から最後まで元気に滑り終えるというような滑り方もあると思うんですけど、それだけじゃなくていろんな経験をした経験値が自然と自分の表現に現れるような動きをしたいなと思います。(大学生活で印象に残っている大会)大学に入ったシーズンの全日本です。私の復帰シーズンで、満足して終えられたので印象に残っています。そのあとからけがなどで自分の思っているようなスケートができなくて、ちょっと自分でもどうなっていくんやろって悩んではいたかなと思います。でもそこから自分が何をやりたいのかもう1回考えて、スケートをやりたいなと思ったので戻ってきたので、2023年は自分のやりたいことをやり切ったという1年だったのかなと思います。スケートだけじゃなくて勉強面だったり他の自分の生活面でもやりたいことがたくさんできたと思います」

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