いまロード中
×

REMEMBER

REMEMBER

『人生で一番頑張る1年に』。そう掲げ、2023年が始まった。関大スポーツ編集局(カンスポ)での学生記者としての活動はラストイヤー。就職活動に大学の授業も大詰めで誰が見ても勝負の1年であることは明白だった。それでも絶対に口にしないように心がけたのは「忙しい」や「しんどい」という言葉。理由は単純で全て周りに迷惑をかけて自分が好きでやっていることだから。また、カンスポも就職活動も学校の勉強も人生を豊かにするためにしている。それなのに、これらによって心身が疲れたり、生活が窮屈になったりするのは本末転倒だし、過去の選択を否定しているように感じた。

△【サッカー】インカレ前の取材時(左から)髙橋直也(商4=J1湘南内定)、大森、谷岡昌(社4=J2愛媛内定)、百田真登(経4=J3奈良内定)
「改めてプロ入りおめでとうございます。来年はJの舞台でみなさんの活躍を見られるのを楽しみにしています!」

しかし、実際には全てがうまくいくはずがなく、失敗もした。爆睡して記事の更新期限が過ぎてしまったり、面接が始まった瞬間にBeRealの通知音が響き渡ったり。できることならさわやかな顔をしてスマートに物事をやり遂げられる存在になりたかった。でも、今の自分には無理だと壁に直面。それからはとにかくできることを全てやろうと誓った。すると、大抵の目標はクリアすることができたし、この先も困難に立ち向かえる自信がある。自信がある人とない人の違いは何か。私は自分がやると決めたこと、目標に掲げたことを達成できた回数に左右されると思う。実際に、全力で学生記者の活動に向き合う中で目標達成のプロセスはだいたい同じだと気付くことができた。

思い出を振り返ると、特に印象深いのはカンスポに入ったきっかけでもあったサッカー部。大阪選手権ではプロを撃破し、天皇杯出場権を獲得した。本戦ではアジア王者・浦和レッズと対戦。画面の中でしか見たことなかった憧れの選手と対等に戦っている紫紺の戦士たちに心を奪われた。関西学生リーグでは、三つ巴の優勝争いを盛り上げたいと関学スポーツ編集部の大塚樹くんや京産大アスレチックの福田明音さんに協力してもらい、ポスターを作成。夏は宮城、冬は茨城まで駆け付けた。全日本学生選抜に選ばれた髙橋選手や奈良でJデビューを飾った百田選手の試合にも取材へ。MF堤奏一郎選手(社4=J3FC大阪)を筆頭にスーを差し上げたJ内定者合同記者会見にも参加した。「今年、日本で1番サッカーの企画やポスターを投稿した学生記者なんじゃないか?」という気もする。この中にはやらなくてもいいことも多々あるし、半分以上は自己満足。それでも、とにかく回数を重ねることで自信につながったし、能力も当初に比べるとずいぶんと伸びた。

△【サッカー】作ったポスターの一部
「デンチャレ優勝で始まった今年の大学サッカー。毎週のリーグ戦が楽しみで仕方なかったです!」

がむしゃらに頑張っていると、取材先で知らない人に声をかけられる回数も増えた。選手でも、ましてや部員でもない自分が人生で一番多くの握手をした1年に。お願いごとや頼みごとをされる機会も増加した。それは「この人の能力ならこのくらいの依頼は簡単にこなしてくれるだろう」と思ってもらえたからだと感じる。サッカー部の応援プロジェクトリーダー・一栁拓海さん(経4)が言っていた「自分の価値=求められる数」とはこういうことなんだろうと考えた。

△【弓道】高校時代からお世話になっている國米雄太さん(社4=左)との1枚
「初取材の時に國米先輩が声をかけてくださって安心したのを今でも覚えています。本当にありがとうございました!」

サッカー部だけではなく、5年ぶりの西日本制覇を達成したソフトテニス部女子や、52年ぶりに関西1部リーグを制した同部男子。昨年の全国大会準優勝を初め、数々の功績を残した弓道部。他にも多くのKAISERSがいたからこそ、自分が写真を撮ったり、記事を書いたりすることが増え、存在を知ってもらえる機会ができた。この経験は今後も自分自身の核となると思う。たくさんの人がいたからこそ輝くことができた感謝を忘れずにいたい。そして、次は自分も誰かを輝かせることができる原動力になりたい。

△【ソフトテニス】初取材から魅了された大応援団
「1年しか担当していない自分を優しく迎え入れてくださってうれしかったです。来年も期待しています!」

1月1日に立てた『人生で一番頑張る1年に』という目標。365日を見返すと十分に達成できたと思う。だが、思い描いていた1年間を完璧に過ごせたかといえばそうではない。もっと努力できた場面もあったし、反省も山のようにある。でも、過去の失敗は時間という壁に守られている以上後悔しても仕方がない。それでも、未来に生かすことはできる。あの時爆睡してしまったから締め切りを早めに設定する癖がついたし、あの時BeRealの独特な通知音が鳴り響いたから携帯の電源は必ず切るようになった。そう考えると失敗なんてこの世にはないのかもしれない。唯一あるとすれば、それは何もチャレンジしないこと。カンスポに入る決意をしたから、面接に挑戦したから失敗し、学びを得た。だから、来年も目標はもちろん『人生で一番頑張る1年にする』こと。これからもニューレコードを更新し続けたい。

△【サッカー】引退記念にサンガユース出身、木邨優人(政策3=左)、川島功奨(社3)の2人に名前を入れてもらったユニフォーム
「念願だったサンガユース対談に付き合ってくれてありがとう(笑)来年のインカレ決勝予定空けておきます!」

最後にタイトルにも選んだ『REMEMBER』。ただ振り返りコラムだからこの言葉を選んだわけではない。大好きなサッカーチームの中でも一番心に響くチャントだ。歌詞の中にある「思い届けよ」。私自身も、この先も永遠にKAISERSの活躍、飛躍を心から思い願っている。【大森一毅】

Share this content:

コメントを送信