◇第101回関西学生リーグ後期第11節◇対同大◇11月11日◇同志社大学・京田辺グラウンド◇
【前半】関大1ー0同大
【後半】関大0ー0同大
【試合終了】関大1ー0同大
GK 山田和
DF 川島、髙橋直、木邨、吉村瑠
MF 真田、谷岡、三木仁、菊地
FW 百田、西村真
前節、勝ち点1を獲得したことで優勝の可能性を残した関大。今節の結果で優勝が決まることはないが、優勝するためには勝利は絶対条件となる。緊張の最終節は、同大と相まみえた。得点ランキング首位であるFW百田真登(経4)へのマークが固く、なかなかシュートを決めきることができない。そんな中、前半28分、FW西村真祈(法4)が自らゴールを切り開いた。先制点を獲得したことで主導権をにぎり、優位に試合を進める。しかし、何度かチャンスはあったものの、そのままスコアは動かずに試合終了。最終節は1-0と見事勝利を収め、有終の美を飾った。
ようやく秋らしい肌寒さを感じさせるようになった中、試合が開始した。序盤から攻められる状態が続く。右サイドからクロスを放たれ、ヘディングでゴールを狙われるもGK山田和季(社2)のナイスセーブによりピンチをしのいだ。その後も攻撃を仕掛けられるが、DF川島功奨(社3)、DF木邨優人(政策3)の好守備で相手にチャンスを与えない。自陣でファウルを取られ、直接フリーキック(FK)を与えるも、再びGK山田和がセーブ。MF谷岡昌(社4)のロングパスにFW西村真が抜け出すも、シュートに結びつけることができない。MF菊地孔明(人4)のパスからMF三木仁太(政策2)が合わせシュートを放つが、相手にブロックされる。続いて、DF川島が右サイドでミドルシュートを放ったが、相手GKにキャッチされてしまう。攻撃の姿勢を崩さずに攻め続ける。MF真田蓮司(法1)、DF髙橋直也(商4)、DF木邨の連携でビルドアップをしていく。DF川島がMF真田にアウトサイドパスを出し、クロスを上げるものの、相手にブロックされシュートに結びつけることができない。あと一歩、決定力が欲しいところ。
ここで、前半28分に試合が動いた。FW西村真が相手のバックパスをカットしたまま自らボールを運び、ミドルシュート。ボールはネットに吸い込まれ、先制点を獲得した。この流れに乗り、さらに勢いを増していく。しかし、その後もラストプレーまで持ち込めない状況が続く。MF菊地がドリブルで左サイドを駆け上がるも、相手に阻まれコーナーキック(CK)を獲得。CKはブロックされ、そのこぼれ球をDF川島、続けてMF三木仁がシュートする。だが、どちらも相手にクリアされる。そのまま攻撃が続く。FW西村真がクロスを上げ、DF吉村瑠晟(経2)、FW百田が抜け出すも、シュートに持ち込むことができない。DF川島とFW西村真がピンチを防ぎ、そのままFW百田がカウンターを仕掛ける。フリーでゴールに向かったが、シュートにつなげることはできなかった。ビッグピンチは相手が自ら大きく上へ外し、前半終了。1点リードで試合を折り返した。
メンバー交代なしで後半開始。開始早々チャンスが訪れた。DF吉村瑠とFW西村真のワンツーで左サイドを崩し、DF吉村瑠がシュートを放ちフィニッシュ。しかし、ボールはゴールの前を通り過ぎ、惜しくも枠外へ。MF真田のパスにFW百田が反応しシュートを打つも、ネットを揺らすことができない。後半9分、DF吉村瑠に代わりDF吉本武(情4)が、MF真田に代わりMF堤奏一郎(社4)が投入された。両サイドからの攻撃がさらに勢いを増す。しかし、相手セットプレーの回数が重なっていき、守りの時間に。後半もDF木邨の好守備が目立つ。MF堤のクロスにFW百田が合わせに行くも、ボールを触ることができない。FW西村真が持ち直しMF菊地にパスを出す。左サイドから攻撃の立て直しを図るが、インターセプトされ、相手ボールに。攻守の切り替わりが激しい中、再びFW百田がゴールを目指す。しかし、相手にブロックされる。DF川島のクロスに反応しFW百田が合わせるが惜しくも枠外に。そして、相手がファウルを取られ、高い位置で直接FKを獲得する。キッカーはDF吉本。直接FKは相手GKにブロックされそのままCKを獲得。チャンスが続く。CKからFW百田がヘディングで合わせるが、ボールは惜しくもポストの横を通る。後半28分、MF菊地に代わりDF桑原航太(社1)が投入された。DF川島が左サイドハーフ、DF桑原が右サイドバックへ。終盤に差し掛かり、攻撃の勢いが加速するが、シュートに持ち込むことができない。相手の攻撃をDF桑原が大きくジャンプしヘディング。DF木邨とGK山田和を始めとした守備陣が固く、ピンチを難なくクリアしていく。しかし、相手にゴール前までボールを運ばれ、GK山田和と1対1。ボールは大きく枠上へ蹴られ、ロスタイムに突入した。最後までゴールを目指す姿にピッチ外からは「カップを紫紺に染めよう」と応援団の声がグラウンドに響く。そして、そのまま試合終了のホイッスルが鳴った。1-0で勝ち点3を獲得。なんとか優勝の可能性を残した。
最終節は、フルメンバーでの出場となり勝利。有終の美を飾ることができた。他大学の結果次第で優勝が決まる今はもう祈るのみ。試合後の選手達からはインカレへを見すえる声があった。「全員サッカーで日本一」という目標達成のために、まずは「関西一」のタイトルを獲得したいところだ。【文:滝口結月/写真:長鴫海莉】
▼GK山田和
「結構セットプレーとかが多くて、押し込まれる場面があった。自分の得意な高さ勝負を活かして防ぐ所を防いで0で終われて良かったなと思う。(セットプレーへの準備は)今まで自分のミスによる失点もあったのでそこを改善するように意識していた。練習の時から相手がセットプレーが多くなるということは分かっていたので、中で声掛けもしっかりして今日は集中して守れたと思う。(リーグ戦最小失点について)22試合中23失点ってことで、最小失点ではあるが、平均したら1試合1点以上は失点している。もっと防げる失点も多くあったと思う。まだ来年再来年と続いていくのでそういうのを防げるように意識してやって行きたい。(キャッチする場面が多く見られたことについて)単純に相手の質の面が関係している。結構高いボールが来たり、自分が声を出していればそこまで無理やり競ってきたりはしなかった。そういう余裕があったことで今日はキャッチする場面が多くなったかなと思う。(リーグ戦を通しての成長について)去年から出ててやっぱり1番変わったのはビルドアップのところかな。関わる回数は増えたと思うし、センバ2枚、ボランチ2枚とか、全体的に守備範囲体張ってやってくれているので、自分に飛んでくるボールがそもそもそんなに多くなかった。また、少しピンチになっても周りもいるので安心して守れるというところはあったので、そこは1年通して良かったと思う」
▼MF三木仁
「勝てば優勝の可能性が残るというところで、いつもより緊張が高ぶった。試合前から落ち着いて入れてやるべき事をやれたので今日勝つことができて良かった。(抜け出したシーンについて)ボランチとして点取ったりアシストしたりするというのは、個人の目標としてやってきた。顔を出して、上手くトラップまで決めることができたが次のタッチが大きくなってしまった。そういうところを突き詰めて行きたい。(MF谷岡の存在は)ボランチの相方によって(自分が攻守どちらにまわるかは)変わると思う。MF谷岡はより自分のことを動かしてくれて、守備も後ろに安定感を持たしてくれるので、自分も積極的に前に出やすい。(リーグ戦を通しての成長について)去年0ゴール0アシストで本当に悔しい思いをして、(去年は)チームも4位という所でボランチが得点に関わる機会が少なかった。今年はそれに比べて、自分自身積極的にアシストとか得点もあった。しかし、満足することなくインカレで自分としても結果を出して、チームを勝たせられる選手になりたい」
▼前田監督
「今日の試合自体は自分たちが勝たないと優勝は絶対にできないということだった。今日勝って明日の京産大と関学大の結果次第にはなるが、優勝が狙える位置に来ている。そのため、どうしても内容としては手堅かったりだとか、みんな少し緊張感があって硬さのあるゲームになってしまった。(試合前から緊張感は)リーグ戦の途中の1試合であれば、2点目3点目ということがあるかもしれないが、1点を守り切ろうというところがチームに硬さを生んでしまったのかなと思う。(1点を守り切ろうと切り替えたのか)そういうことは(チームに対して)言ってはないが、どうしてもどうしてもそういう選手が出てくるということで手堅くなってしまったかなと思う。(1点目については)あの得点の形は今年に入ってから何度かあった。こういうギリギリのところで決めてくれたので非常に良かったと思う。(2位以上が確定したことについて)今年(関西全体として)突出したチームがなかったところで、こういう順位に終われたと思うが、自分たちがそこまで行けたのは選手たちが普段から頑張ってくれていたというところもあると思う。また、去年上手い選手たちと下級生たちが関わっていたことで、その下級生たちが4年生になった時にしっかりと実力を発揮してくれたと思う。(得点力について)通年になってから今年が1番得点を取ってるみたいなのでその辺も良かったし、リーグ最少失点はもう決定したと思う。そういうところで本来であれば京産大を待たずに優勝を決めたい得点、失点数だったと思うが、仕方ない。(どのような気持ちで明日を迎えたいか)自分が在籍してた時は通年ではなくて、そこから2008年か2009年から通年になったと思うが、なかなか勝てなかった。選手も、卒業していったOB、OGも待ちわびた優勝になると思う。ぜひライバルではあるが関学に勝ってもらいたい。(今後の戦いについて)去年のインカレも、今年の総理大臣杯もすぐ負けてしまってる。今回、しっかり勝ち進んで、自分たちが全国の舞台でもベスト4とか、準決勝とか、決勝とかに行けるんだぞってところを下級生にも見せてくれたら、いずれ優勝とかにもつながって来ると思う。最近は1回戦2回戦で負けてることが多いので、まずはそういうところから突破していきたい」
▼FW百田
「まずは勝つことが絶対条件だったので、勝つために全員で頑張った結果、勝てたので良かったと思う。(シュートに持ち込めないことが多かったが)正直かなり最近の試合はマークが厳しくて苦しい状態ではあるが、そこをまだ破っていけてないのが自分の力の無さだと思う。これからインカレまでの期間、奈良へ行くこともあると思うが、その中でしっかり成長してチームにプラスになるように頑張りたい。(明日の結果次第で優勝と得点王が決まることについて)今日決めたかったが、やることは自分自身やったので、あとはもう待ちたいと思う。(リーグ全体を振り返って)チームとしても個人としても苦しい時期はそれぞれあったと思うが、その中でみんな努力していたし、応援も本当に最後までついてきてくれた。そういうところも力にして最後勝ち点45で相手の結果を待つところまで持って行けたと思うので、入学してからのシーズンでは1番良かったと思う」
▼DF木邨
「最終節で自分たちは他力ではあるが、勝てば優勝があるってところで自分たちは絶対勝とうという話はしてた。試合の展開的にもみんな気合の入ったプレーだったり、優勝してやるって気持ちが見えたプレーが多かったのでいい試合だったと思う。(怪我を乗り越えて)怪我をしてからチームの試合を見る機会が多くなって、自分が入ったときにどういうプレーでチームを助けられるか客観的に考えるようになった。復帰してからの試合でも、そういったところを自分なりに意識するようにしている。(リーグ全体を通して)リーグ戦で最少失点だったところは自信を持っていいところだと思う。でも、もったいない引き分けの試合とかがあって勝ち点をこぼしたりもしたので、そこは今年の反省点だと思う。(明日の結果次第で順位が決まることについて)自分たちは何もできないが、まだインカレがあって、自分たちの目標は日本一なんので、そこに向かって取り組んでいこうと思う」
▼FW西村真
「今日の試合では相手にチャンスを作られるシーンが多くて、その中で自分の1点を守り切った試合になった。そういう意味でまだまだ攻撃の質が高くないと全国の壁を打ち崩していけないと思うので、そこをしっかりインカレまでに高めていきたい。(自身の得点シーンについて) 相手のバックパスを予測していいポジショニングをとれていて、相手のずれたバックパスのボールに対して自分がしっかり前向きにトラップできたところが良かった。自分のドリブルもそうだが、FW百田やMF真田が動き出してくれたことがゴールにつながったのかなと思う。(吉村へのキーパスについて)横パスが入って自分が1個ためたところで、MF菊地とDF吉村瑠が被ってたが、DF吉村瑠のスピードを考えて1個待って速いボールを足元に付けたら抜け出してくれると思った。いい抜け出しだった。あとはDF吉村瑠のシュートなのか、クロスなのかをはっきりするなどの最後の質をこだわっていかないといけない。もう1点取るのと取らないとでは全然違うと思うので、そういう意味でもう少しクオリティーを上げていかないといけないと思う。(リーグを通して)今年に関してはFW百田と組むことが多くて、自分の中でどういうスタイル、どういうコンセプトで攻撃していくのかシーズン通して迷い迷いでやってきた。後期の最後のほうになってからは、自分がフォワードとしてやっていくというところでプレーするようになってから、得点だったり、チャンスメイクが増えてきたので今が一番成長できてると思う。でも、まだ攻撃の質だったり、シュートの決定率だったり、足りない部分は多いので練習や練習試合で上げていかないといけない」
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