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秋もあと1勝が遠い結果に。有馬世代、終幕。

秋もあと1勝が遠い結果に。有馬世代、終幕。

◇第54回明治神宮野球大会関西地区代表決定戦◇対大商大◇於・ほっともっとフィールド神戸◇

関 大 010 001 000=2
大商大 010 130 00×=5

1(左)藤原太
2(中)中井颯
3(捕)有馬
4(一)富山
5(右)岑
6(三)下井田
7(遊)髙田幸
8(二)佐藤
9(投)荒谷

本塁が遠い試合となった。昨日の試合に敗戦し背水の陣となった関大は、大商大と対戦。全勢力を総動員し挑んだ一戦は先制に成功するも、逆転を許しそのまま敗戦を喫した。これにより、4年生は引退。有馬世代は終幕となった。
この試合も先制したのは関大だった。2回、髙田幸汰(商4)が左二塁打で出塁。捕逸の間に三塁まで進塁すると、佐藤慶志朗(経3)が打ち返した大きな当たりは中堅手の前に落ちて適時打に。1点を先制した。直後の2回裏、先発の荒谷紘匡(法2)が本塁打を被弾。すぐさま同点に追いつかれ、試合は振り出しに戻る。さらに、4回にも1点を追加されて2-1に。

△髙田幸

5回表、代打で登場した小谷太誠(社2)が四球を選び出塁。小谷に代わって代走・田中大翔(情4)が盗塁を試みるも失敗する。出塁した走者を生還させることができない。5回裏、リーグ戦では3勝を挙げている足立幸(人2)が登板。相手の上位打線に対して3連打を浴びる。もう1点も許せない中の緊張感から守備が乱れて計3点を献上。1-5と大きく突き放された。

△足立

「まだ、5回の時点で4点差。1点ずつ返していけば9回で追いつくことができるという計算だった」(中井颯良=政策4)と5回整備を終え、流れを変えたい関大は1番からの好打順の攻撃。先頭打者の藤原太郎(法3)が中安打で出塁。「相手の守備に隙があったので狙っていた」と中井颯がバントヒット、富山雄正(情3)の中安打と続き1死満塁に。岑幸之祐(社4)の中犠飛で三塁走者の藤原太が生還。2-5とする。7回からは、「自ら監督に志願した」と金丸夢斗(文3)が連投でマウンドに。7回、8回と0で抑え、ついに最終回を迎える。

△金丸

走者を出塁させることができず、簡単に2死に。8回から守備についた村田明日杜(法4)が空振り三振に倒れて試合終了となった。投手陣を援護したい打線だったが、西武からドラフト2位指名を受けた上田大河を最後まで打ち崩すことができず、反撃は6回の1点どまり。豊作と言われた大学日本代表投手の牙城は難攻不落だった。春も秋も全国まであと一勝というところまで登りつめた野球部。だが、春季シーズンと同様にあと一勝に泣き、神宮への道は閉ざされてしまった。4年生と過ごすシーズンが幕を閉じ、下級生は涙が止まらず。その場で立ちすくんだ。


春季リーグの結果を受け、「一戦必勝」をこだわり抜いた秋季リーグ。その成果もありリーグ戦の勝率は9割を誇り、敗戦することは少なかった。代表決定戦での連敗を受けて、下級生は学んだことも多いだろう。一発勝負の試合で本来の勢力を発揮できるかが来季の勝利へのカギになりそうだ。4年生の思いは下級生に引き継がれ、新生野球部が始動する。【文:永松愛/写真:櫻田真宙】

▼有馬
「(試合総括)昨日負けて切り替えが大事だという話をして今日の試合に挑んだ。強い相手だとわかっていて、自分達がやりたかった野球ができず、詰めの甘さが出てしまった試合になってしまった所がチームとして後悔がある。(試合を終えた率直な感想)本当にいいチームで野球ができた。スタンドで応援してくれているメンバーのためにもあと1勝して神宮行きたいと思っていたが、そこが達成できなかった点いついては心残り。(試合終了後、涙はなかった)自分の中では本当に学生野球をやり切ったという思いがある。全力を出し切って負けてしまったので後悔はない。(敗因をあげるなら)大学代表でともに戦った上田大河選手を最後まで打ち崩せなかったところ。関大は安打は出るも、なかなか得点につながらなかったというところに対し相手は徹底して逆方向に狙っていた。そういうところに差が生まれたのではないかと考えている。(後輩にメッセージ)春も秋もあと一勝というところで全国を逃す結果になってしまった。悔しい思いをしてきて、大事な試合の時こそ結果を残して勝利できるチームになってほしい。自分達のチームは本当にいいチームだったと思うので、良かったところは積極的に来年も受け継いでもらいたい。逆に、勝ち切れなかったということは何か足りなかったということ。そこは、リーグ戦、代表決定戦を含めて経験したことをまた来年に生かしてほしい」
▼髙田幸
「(試合総括)僕らの力が相手よりなかったということで後悔はない。(立命大戦で離脱されてから見事復帰)出場した以上はやはり山田以上に結果を残さないとと思っていた。今日の試合は自分が失策してしまったこともあるので申し訳ない気持ちはある。(5回裏の守備焦りはあったのか)少しあった。僕がもっと引っ張らないとダメだった。勝手に内野でドタバタしていた(同期へ一言)成長させてくれてありがとう」
▼中井颯
「(試合総括)後輩たちがみんな頑張ってくれていて、最後ベストメンバーで負けてしまって悔しい。勝負事なんでしょうがないので、まずは後輩にありがとうを言いたい。(6回の攻撃について)ベンチで1点ずつ行こうと話していて、4点差あったが1点ずつ取れば最終回に追いつく計算だった。走者が出たら、犠打を狙おうと思っていた。無警戒な感じがあったので隙をついて一塁にやった。欲を言えば、あの場面でもう1点欲しかったというところが本音。(同期へ一言)ありがとう、の一言です」
▼富山
「(試合総括)先制点も取れて幸先の良いスタートができたが、本塁打を打たれてから(5回に)3点を連打で取られてから抑えきれなかったのがこの試合の敗因だと思う。投手が2年生で周囲がカバーしなきゃいけないのにズルズル引っ張って行ってしまった。(この代表決定戦を通して)リーグ戦をほぼ負けずにきて負け方が想像つかない部分があった。負ける時はこのように負けるんだなと本当に勉強になったので、来年はこの経験を糧にして優勝できるように頑張りたい。(来季への意気込み)個人としてもチームとしても結果で引っ張れるように頑張りたい。春も秋も全部、全国大会に出場する」
▼佐藤
「(試合総括)学祭の中でも応援団が来てくれたりしている中で、何とかして勝ちたかったが1発勝負という空気感が難しい試合だった。関大の終盤にかけてのミスが結構目立ったことや、攻撃時のアウトが簡単にアウトを取られてしまった。相手は、追い込まれてもコンパクトについて行ってやろうという感じで技術的にも向こうが上だったのかなと。(4年生への思い)もう、神宮に行けるものというか、行ってやろうという気しかなかったので負けたことを想定していなかった。なので、金曜日の練習が4年生と過ごす最後の練習になるとは思ってもおらず、少し寂しいなという気持ち。先輩たちは自分の結果が出なくても、前向きに明るい声をかけてくださって。僕が調子悪い時やテンションが低い日でもやっぱり励ましてくれてたからこそ、のびのびと野球をやらせてもらっていたので見習わないとなと思う。(新チームに向けて)今まで指導者の方に褒めていただいていたところは守備の面だと思うので自分の守備から攻撃にリズムを作れるようにしていきたい。誰が主将になるかはまだ分からないが、自分の与えられた役割を全うできればなと」

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