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[なでしこ]4-2で初戦突破!皇后杯出場へ一歩前進

[なでしこ]4-2で初戦突破!皇后杯出場へ一歩前進

◇第49回関西女子選手権大会兼皇后杯JFA第42回全日本女子選手権大会関西大会◇対AC.SEIKA◇9月22日◇山城藏合運動公園太陽が丘球技場B◇

【前半】関大2-1AC.SEIKA

【後半】関大2-1AC.SEIKA

【試合終了】関大4-2AC.SEIKA

7月から8月にかけて行われた皇后杯大阪予選の結果、関大なでしこは大阪2位として今大会に臨んだ。トーナメントの戦いとなるため、負ければそこで終わり。皇后杯出場ははかなく消える。関大にとって未踏の地である皇后杯。新たな歴史を刻むための大事な初戦が幕を開けた。

「絶対1回戦は突破するっていう強い気持ちで臨んだ」とFW大田萌女子主将(文4)。そんなFW大田がミドルシュートを放ったことを皮切りに、敵陣でのプレーが続く。DF南中優衣(人1)からのクロスにMF成迫実咲(人3)が反応を見せたが、これは惜しくもオフサイドの判定に。得点につなげられず、ペースをつかみきることができなかった。すると、相手はその隙を見逃さなかった。右サイドから中央へと運ばれ、シュートを打たれる。前半7分に先制点を決められてしまった。

△FW大田

現在開幕中の関西学生女子リーグでも立ち上がりに失点し、苦杯をなめているだけに「実力不足だと感じる」と主将は語った。だが、試合中はだれ一人として下を向くことはなかった。攻撃を重ね、コーナーキックのチャンスを得る。DF中尾純菜(社1)が放ったボールにMF和田温菜(人3)が頭で合わせ、同点に追いついた。けがの影響で1年以上ぶりの公式戦だった和田。「結果を残すことができて良かった」と、笑顔を見せた。

△MF和田

前半のうちに勝ち越したい関大は攻撃の威力を増していく。得点にはつながらなかったが、MF成迫実咲(人3)のクロスにFW大田が合わせ右足を振り抜いた。さらに、MF笹部麻衣(人3)も、サイドからドリブルで相手をかわしシュートを放った。そして、前半29分、待望の追加点を決めたのは、MF成迫。「(和田)温菜が無理やったら自分が走るから前に蹴って良いよ」。試合前日の晩に、MF成迫はMF和田にそんな言葉を掛けた。背後からのパスに追いつき得点機を演出した。まさに有言実行のゴールだった。

△MF笹部

前半終了間際に打たれたシュートにはGK井上沙季(商2)が反応し、ゴールを守った。2-1で迎えた後半は、攻守の入れ替わりが激しい展開に。DF中尾やDF真木悠花(文2)が対人の強さを見せ、1点のリードを保ったまま試合は進んで行く。「行こう!」、「もう一点!」。そんな声がピッチに飛び交っていた。

△GK井上
△DF真木

だが、そんな言葉とは裏腹に26分、中盤でボールを奪われ、シュートを打たれた。力なく転がったボールはゴールラインを割った。しかし、すぐさまFW塚原碧衣(政策2)が得点を奪い返す。キーパーとの1対1を冷静に決め、逆転に成功した。

その後の相手の猛攻にもDF林祐里(人2)がボールをクリアしたり、MF田中杏実(人2)が食らいつきボールを奪ったりと耐えしのいだ関大。そして、間もなく試合終了というところでMF東なつ実(安全3)がゴールネットを揺らした。4-2で勝利を収め、2回戦にコマを進めた。

2回戦の相手は、チャレンジリーグに所属するスペランツァ大阪高槻だ。強いことはわかりきっている。だが、関大なでしこは全力で貪欲にゴールに向かっていく。皇后杯への道のりを突き進め。【文:遠藤菜美香/写真:長尾洋祐】

▼FW大田女子主将

「前の試合から中二日での試合だったので、下がらないとは思うんですけど、モチベーションを下げないようにっていうのを意識していた。関大として初めての関西大会なので、絶対1回戦は突破するっていう強い気持ちで臨んだ。失点してしまうと雰囲気が下がってしまう。立ち上がりの失点は痛いと思う。リーグ戦でも立ち上がりの失点があって、そこは課題だったのに、今日も立ち上がりで失点してしまった。自分たちの実力不足だと感じる。でも、そこで下がるんじゃなくて前半のうちに2-1に持ってこられたとか、試合通して4-2で得点をとれたのは大きかった。強いのはわかっているし、チャレンジリーグっていう時点で自分たちよりも格上ではあるけど、目の前の相手に勝っていくっていうのが大切だと思う。自分たちが目指すインカレ出場に向けての相手としてはすごくいいと思う。勝ったら本戦に出られるので新たな歴史を作っていくために絶対に勝ちに行きたいです」

▼MF和田

「(ゴールについて)けがをしていて、1年以上ぶりの公式戦だった。結果を残すことと、落ち着いてプレーすることを意識して試合に臨んだ。去年の秋リーグが始まる前にけがをして、手術もした。今年の秋リーグも始まったんですけど、出られてなかった。今日出していただいたので、結果を残そうって思っていた。久しぶりの試合だったので緊張はめちゃめちゃありました。前の日の夜にメンバーがわかって、そこから緊張して。でも、良いイメージをもって寝て、ゴールという形で結果を残せれたのは良かった。コーナーから良いボールがきて、自分自身がフリーな状態で当てるだけっていう感じだった。(アシストについて)成迫へのパスは、成迫が走り出すのが見えて、目が合った。あの辺に蹴ったら走ってくれるかなって思って蹴ったら、きれいに決めてくれた。(塚原)碧衣に出したのは、押されていた時間だった。チームとしてはサイドから展開して、ボールを広げて、攻撃を作りながらプレーしようって話していた。ちょっとやってるうちに相手のディフェンスが開いてきて、幅があった。そこに碧衣がうまく抜け出してくれた。(次戦に向けて)皇后杯は負けたら終わりなので絶対勝って次につなげたいと思います」

▼MF成迫

「リーグ戦は緊張するんですけど、今日は特に緊張はしなかった。落として裏に走る、ゴールに向かって走るっていうのを意識していたので、それが練習通りできた。(和田)温菜としっかり目が合って。昨日メンバーが出たときに、明日スタメンやなっていう話をして、温菜が無理やったら自分が走るから前に蹴って良いよって言って、その言葉通りちゃんと得点できて良かった。次のチームは自分たちより格上になってくるんですけど、そういう選手たちと戦えることに感謝したい。貪欲に勝てるように戦っていきたいと思います」

▼FW塚原

「リーグで勝ち切れてなかったので、リーグに良い勢いを付けるためにもこの試合は絶対勝ちたかった。勝てたらもっと強い相手と試合できるので勝ちたいって思っていた。ゴールは良いボールが来て、前に誰もいなくて、キーパーと1対1だった。確実に決めようと思って、決められたので良かった。リーグでも点を取れてなかったので、公式戦で久々に点を取れたのはすごい波に乗れるかなと思う。(アシストについて)時間があまりなかったので、サイドで時間を稼ごうって思ってたんですけど、ゴール前がガラ空きだったので誰かが触ってくれたら良いなと思って出した。(次戦に向けて)自分たちよりとても格上のチームなんですけど、そんな相手と戦うことができるのも良い機会なので、自分たちが今どれだけ通用するかっていうのを試すためにも全力で戦いたいと思います」

▼MF東

「碧衣(=塚原碧衣)から良いが来たのでただ蹴った。目の前にゴールがあったので、蹴ったら入った感じ。誰でも決めれるゴールでした(笑)。自分、去年1年ずっと怪我していた。今年復帰してから1回も公式戦に出てなかったので試合に出たいっていう気持ちがあった。得点を決めないと試合に出れないっていうのもわかっていたから、もし今日チャンスがあったら得点とりたいなっていう気持ちだった。美穂さん(=河崎美穂コーチ)に呼ばれて、出れるってわかったときはすごくうれしかったです。時間は短かったんですけど、何か残したいって思った、美穂さんが自分を出したことに後悔させないように、出して良かったって思ってもらえるように、プレーをしないといけないなと思っていた。プレーは全然よくなかったんですけど、たまたまゴールを決められた。みんなが喜んでくれたのが一番うれしかった。試合に出たいっていう気持ちが一番で、出れるチャンスがあるなら今日と同じように出してもらったことに後悔させないように全力でプレーする。チームのために、得点で勝利に貢献できたらいいなと思います」

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