いまロード中
×

MF深澤の決勝弾で開幕白星!近大下し好発進

MF深澤の決勝弾で開幕白星!近大下し好発進

◇第98回関西学生後期リーグ第2節◇9月20日◇対近大◇

【前半】関大1―0近大
【後半】関大0―0近大
【試合終了】関大1―0近大

※無観客試合

ついに関西学生リーグが幕を開けた。第1節が延期となり、関大にとっては今節が初戦。前半の早い時間帯に得点を決め、その後は拮抗(きっこう)した展開となるも、全員のハードワークで無失点に抑えた。貴重な開幕白星を挙げ、順調なスタートを切った。

8月に行われた大阪選手権大会(天皇杯予選)以来の公式戦。リーグに臨む布陣には変動が見られた。前田雅文監督はスターティングメンバについて、練習試合時の状態が「いい選手を出した」と話す。しかし、「 練習自体はそのメンバー以外が良かったりもするので、あんまり差はない 」と続けた。今まで以上に層の厚いTOPチーム。初戦をものにすべく、チーム一丸となって走り出した。

「立ち上がりを大切にしよう」。試合前にはそんな声が聞こえていた。言葉通り、関大の堅いディフェンスでボールを保持し、ペースをつくる。前半3分にはMF草刈龍星(法3)がミドルシュートを打ち、攻撃にも勢いをもたらした。その後もDF小山新主将(商4)のロングパスを受けた、MF深澤佑太(社2)がセンリングでチャンスを作ったり、今季初出場のMF青木真生都(商3)がボールを奪い、敵陣に運んだり、リズムよくゲームを進めた。さらにDF松尾勇佑(文2)が攻守にわたり好プレーを見せ、DF次木優斗(商3)が体を張ってボールをキープするなど、相手に好機を与えなかった。

6
△MF草刈
3
△DF小山主将
12
△DF松尾
25の2
△DF次木

すると12分、MF青木からパスを受けたFW福原涼太(経4)が、相手DFの股を抜くスルーパスをゴール前に供給。MF深澤が足を振り抜き、開幕先制弾を挙げる。ゲームを優位に進めるうえでも貴重なゴール。「ちょっと気持ち的に楽になった 」と今季初得点に笑みを見せた。

13
△MF青木
10
△FW福原
26
△MF深澤
26
得点後
得点後2
△(上4枚)得点シーン

先に失点を喫した相手は、反撃に燃える。「前に強く、ガツガツくるというのは聞いていた」とDF長井一真(社4)。タフな近大を相手に、MF梅津克貴(社3)のハードワークや、DF長井の持ち前のテクニックで相手にシュートを打たせなかった。そして関大も負けじと追加点を狙う。MF深澤、DF次木とパスがつながり 、FW木戸口蒼大(情4) がシュートを放つ。しかしこれは相手DFに当たり得点にはならず。さらにMF草刈がフリーのFW木戸口にボールを回し、MF深澤までつながるも、決定機には持ち込めなかった。そうこうしているうちに、徐々に相手の時間が多くなる。相手のシュートの本数も増え、GK光藤諒也(文3)が飛び込むシーンも。それでも、前半の残り時間をなんとかしのぎ、失点なしで折り返した。

8 顔アウトかな?
△DF長井
5
△MF梅津
31の2
△FW木戸口
△GK光藤

決していい展開とは言えない中、迎えた後半戦。カウンターでFW福原とFW木戸口でボールを運び、シュートまで持ち込むも、ゴールとはならない。だが、相手は攻撃の手を緩めることなく前進してくる。「ファイトする場面が多かった。なので、そういうプレーができる選手を多めに送った」と前田監督。そこで、後半の早い時間帯からDF浅羽悠成(安全3)、MF松井修二(人4)をピッチに送った。勢いのある今季初出場組の投入で活気づきたい関大。DF浅羽、MF松井そしてMF梅津が懸命な守備で、 相手にボールを渡さなかった。25分には、ツートップをFW宮脇和輝(情3)、FW久乗聖亜(政策2)にチェンジし、その10分後にはMF植田聡太(法4)が出場。さらなるギアアップを図った。

24
△DF浅羽
14
△MF松井
27
△FW宮脇
18
△FW久乗
30
△MF植田

交代選手を筆頭にゴールを狙うも、決定的な場面は訪れず。しかし、相手の猛攻に耐えて、粘って、体を張って、1点のリードを守ったまま、試合終了を迎えた。全てが満足のいく試合展開ではなかったが、欲しかった勝ち点3を手にし、「まずはほっとしている」と、MF梅津。初戦という緊張感の漂う一戦をものにしたことは大きい。小山主将は「声を掛け合いながら0で抑えられたっていうのは収穫だったかなと思う」と、次戦以降にもつながる前向きなコメントを残した。

試合後
△試合終了

「全勝優勝」を目指す関大にとって、11節のうちのこの1勝はまだまだ小さいものかもしれない。しかし、TOPチームの勝利は、Iリーグで鎬(しのぎ)を削る3つの下部カテゴリや、社会人リーグで佳境を迎えるFC2008、皇后杯出場の可能性を残すなでしこなど、サッカー部員の「原動力」となる、大きな価値のあるものだ。6つのカテゴリがそれぞれの舞台で闘志を燃やしている。互いに互いの原動力となって、いばらのリーグを勝ち進む。【文:勝部真穂・遠藤菜美香/写真:遠藤菜美香】

▼前田監督
「最初の立ち上がりだけは良かったが、最初だけやって、真ん中以降、なかなか近大ペースからこっちのペースに持ってこれなかった。そこら辺がちょっと実力不足だった。第1戦ということで緊張もあって、息の上がり具合も早かったし、どうしていくべきかということが、なかなかチームですり合わせていけなかった。公式戦の中ですり合わせができなかったという印象。(立ち上がりについて)立ち上がり大事にするというのは、どちらかというと守備の方。先に失点しなかったり。公式戦なので緊張がある。1つ目のプレーがうまくいくと、すーっと入っていけるが、1つ目のプレーでミスしてしまうと、消極的になってしまったりする。試合経験がないので、立ち上がりは大事だと言っていた。(特典については)よく練習で見る光景での点の取り方。自分たちがトレーニングをこれだけやっているという結果が出たかなと思う。(スターティングメンバーが、天皇杯予選の時とはわりと違っていたが)いい選手を出した。大経大と(試合前)最後、練習試合をした時に良かった選手。ただ、練習自体はそのメンバー以外が良かったりもするので、あんまり差はないかなと。(交代した選手について)どちらかというと劣勢だったので、押し込まれたり、ファイトする場面が多かった。なので、そういうプレーができる選手を多めに送った。(課題を挙げるとすれば)今回は耐えれたことは耐えれた。それを次は自分たちの時間に持ってくることをできればもうちょっといいんかな。90分の中で最初良くて、後は耐えてたという感じだったので。90分の中にいい時があって、悪い時があって、もう一回いい時に持ってくるってことができてほしいと思う。いつも開幕戦、サッカー部弱いけど、今日勝てたので、次しっかり連勝重ねられるように。先週の練習よりもいい練習をして、勝ち点3を取れるように準備していきたい」

▼DF小山主将
「待ちに待ったリーグ開幕ということだったので、全員で楽しもうという思いはあった。素直にリーグ開幕できたことをうれしく思う。開幕に向けて動いてくれた人や運営に協力してくれる人たちに感謝したいなと思ってので、結果で示そうと考えていた。近大はサイドを起点に押し込んでくるプレーをしてきたので自分たちのペースをつかめなかった。そこは結構しんどかったんですけど、近大がパワーで押してくるので飲まれないようにしようっていうのを、後ろが常に声を掛け合いながら意識していた。チームとしての守備力はもっともっと高めていかないといけないと感じたんですけど、声を掛け合いながら0で抑えられたっていうのは収穫だったかなと思う。主将をやってるんですけど、僕自身緊張しやすい性格なので多少緊張はあった。でも、逆に高校の時から緊張することがあったので、今日の試合も緊張しながらも楽しむということはできていた。集中力が高まっていたという点ではよかったのかなと思う。チーム全体としては、学年関係なく全員が勝利に向かっていて良い雰囲気で練習できていた。今日も緊張は若干感じられたんですけど、アップの時から全員が集中してる雰囲気だった。自信を持って良いイメージで臨めたかなと思う。リーグはどんどん続いていくので、勝ち点3を重ねていく。僕らは全勝優勝を目指しているので、そこに向けて今日出た課題に全員で向き合いながら良い状態で今日よりももっと自分たちらしいサッカーをやっていきたい」

▼DF長井
「ずっとリーグ戦が延期になっていて、後期からできるということになって、いろんな人の支えがあったり、協力がある中で初戦を迎えられた。その中で勝って勝ち点3を取れたというのは、リーグ優勝とかインカレを目指していく僕たちにとっては、いい入りになったかなと思う。相手が結構前に強く、ガツガツくるというのは聞いていた。そこをうまく奪えて、利用して、早い段階で点取れたので、気が楽というか、ちょっと余裕を持ってプレーすることができた。(ディフェンスは)相手にボール持たれて苦しい展開ではあったが、中盤の選手、MF梅津とかがハードワークして守りやすくしてくれていたので、あとは僕たちが最後のところ体張るだけだった。(最後のリーグとなるが)僕が学生リーグでプレーしだしてからインカレ争いとかはずっとしていたが、まだリーグ優勝争いが出来ていないので、今年こそリーグ優勝したいし、最後の年として責任持って戦いたい。(全勝優勝に向けて)初戦勝つことができたので、ここからもう一回気を引き締めていい流れのまま戦っていきたい」

▼MF植田
「リーグ初戦だったんですけど、緊張はしなかった。後半のラスト10分ぐらいで入ったんですけど、その時に求められたことが自分の得意なことじゃなかった。でも、しっかり監督の指示とかを聞いて、プレーできたかなと思う。センターバックの前の所をあけないようにボランチでしっかりスペースをつぶしてっていうのを求められた。あとは、セカンドボールを拾ったり、前に大きく出して安全にプレーするっていうのを求められていた。できていたかはわからないんですけど、心掛けていた。来週また試合があるので、練習でいいプレーしてスタメンで出られるようにしたい」

▼FW久乗
「緊張はあんまりしなかった。ピッチに入ったときに、チームが押されている展開だったので自分は前で体を張って起点を作ったり、守備でいっぱい走って貢献したりすることを意識してやっていた。自分も点を取ってチームに貢献したかったんですけど、違う形で、守備で貢献できたのはよかったと思う。次は、自分も得点を決めたい。チームが勝つことはもちろんなんですけど、「全員サッカーで日本一」に向けて練習を重ねていきたいと思います」

▼GK光藤
「昨日の夜はちょっと寝られなかったんですけど、今日はあんまり緊張しなかった。楽しみな気持ちの方が大きかった。チームとして無失点で勝つっていうのを意識していた。練習試合や紅白戦では失点を重ねていたんですけど、今日は無失点で終われてよかった。攻められる時間もあって、最後はみんな疲れてきてたと思うんですけど、鼓舞する声かけや最後まで集中を切らさないようにする声かけは意識していた。次も頑張ります」

▼MF松井
「毎年、初戦落としているので、今年は初戦を取れて素直にうれしい。(今季初出場だが)緊張はめちゃめちゃしていた。でも、チームの勝利のために自分が献身的に体張ろうと思っていたので、勝利につなげれて良かったと思う。(次戦は)得点かアシストできるように頑張る」

▼MF深澤
「難しい入りだと思っていたが、そこで勝ち点3取れたのは良かったところかな。ちょっとほっとする。(得点について)天皇杯予選含めてゴールは決めれてなかったところで、開幕戦にゴール決めれたというのは良かったかなと。ちょっと気持ち的に楽になったかなと。波に乗れた感じはあったので、ほっとした部分もあるが、まだまだ満足できるような結果ではないので、次の試合もゴール、アシストの結果を求めてやっていかないといけない。決めたっていうのは良かったが、まだ納得できる結果ではないので、(努力を)継続していきたい。(ハードな試合だったか)相手もうまかったので、体的にもメンタル的にも厳しいところはあった。その中で、全員で声掛けて守れたっていうところは、今日の関大の収穫かなと思う。ゼロで抑えれたのは良かった。でももっと改善していくところや、課題も出たと思う。(次戦に向けて)自分たちの目標はリーグ優勝。そうなると次も絶対負けれないので、連勝目指して来週また、火曜日の練習からチーム一丸となって来週も勝てるようにやっていけたらなと思う」

▼MF梅津
「リーグ優勝目指す中で、今年は1周しかないので、開幕戦絶対取ろうとみんなで話していた。そこを目指してやってきたので、まずはほっとしている。良かった。試合前からしんどい時間もチーム一丸となって、耐えるところ耐えていこうと話していたので、そこまでストレス溜めずに、チーム一丸で耐え切れたかなと思う展開だった。(足が痛そうだったが)しんどかったですけど、みんなが助けてくれたので良かった。個人的に、去年悔しい思いをしたので、今年に懸ける思いは強い。天皇杯予選も自分が出てて、勝てなかったのでリーグ戦は絶対自分がチームに貢献したいという思いがあった。開幕戦勝てて良かった。リーグ優勝できるように、一喜一憂せずに一戦一戦大事にして連勝できるように頑張りたい」

▼MF青木
「あんまいいゲームじゃなかったが、とりあえず勝ち点3取れたのは良かったかなと思う。天皇杯予選、自分出れなかったので、その悔しさを(晴らそう)と思って練習していた。これからも続けていけたらいいなと思う。(次節は)今日よりもいいゲームをして勝ち点3を取れたらと思う」

▼DF浅羽
「紫紺のユニ(ホーム)着て初出場だった。後半最初からの出場で、準備していたが、今までにないタイミングだったし、結構押されぎみだったので、とりあえず失点しないようにと思っていた。対峙した選手もかなり速かったりして、厳しい展開もあったけど、チームとしては勝てたので、全員で戦えたなという印象。今までも、うまくいかない時は全員で戦おうっていうことを言ってきてやってきたので、そこはチームとしていい収穫だった。でも、やりたいこととか、プレーでできなかったのでそこは次戦に向けて修正していってやっていかないといけないと思った」

Share this content:

コメントを送信