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吉川主将が値千金の勝ち越し打!同大1回戦を白星で飾る

吉川主将が値千金の勝ち越し打!同大1回戦を白星で飾る

◇令和2年度関西学生秋季リーグ戦第3節◇対同大1回戦◇9月19日◇南港中央球場◇

関大 201 000 011=5

同大 000 100 200=3

(関)高野、宮崎―久保田拓

(同)髙橋恭、道端、西村、田中樹、都築、高橋佑―栗林

1(中)安藤

2(三)久保田有

3(一)上神

4(遊)野口

5(捕)久保田拓

6(二)坂之下

7(右)吉川

8(左)小河

9(投)高野

点は取られようとも勝ち越しは許さない。開幕2連勝で迎えた同大との第3節。初回に先制し終盤に追いつかれた関大だったが、主将・吉川周佑(経4)の殊勲の勝ち越し打で開幕3連勝をつかんだ。

初回から主導権を握った。前試合、満塁本塁打を放った安藤大一郎(経3)が左前打で出塁すると、久保田有哉(情3)の犠打で1死二塁に。この場面で、今季無安打の上神雄三(法2)が相手エース・高橋恭の直球を仕留め、先制適時三塁打を放つ。続く野口智哉(人3)も左翼前に打球を運び、この回2点を獲得する。

△安藤
△久保田有
△上神
△野口

3回には、またも上位打線がつながる。先頭の安藤が四球を選び、久保田有、上神でつなぐと、野口の右翼への犠飛で1点を追加。リードを3点に広げ、先発・高野脩汰(商4)を援護する。

△高野

だが、それ以降ヒットが出ず。4回には1点を返され、3-1のまま試合は終盤戦へともつれ込む。先にスコアを動かしたのは同大だった。7回裏、高野が先頭打者に四球を許すと、緊急降板。「すまない、頼んだ」とマウンドを宮崎隼輔(人2)に託した。宮崎は1人目の打者を三振で仕留めたものの、安打と四球で1死満塁を招く。「少し球が浮いていて甘かった」と、2番・四川に右前適時打を許し、同点に追い込まれてしまう。

△宮崎

だが、そこで逆転を許さなかった宮崎の踏ん張りが、打撃陣の奮起につながる。8回表、先頭の上神が死球を受け出塁。その後、2死二塁の場面で坂之下晴人(人3)が右前打でチャンスメイクし、一、三塁に。この日最大の見せ場で打席に立ったのは、主将である吉川だった。

△坂之下

「自分が帰す」(吉川主将)。そんな気持ちで仕留めたフルカウントで仕留めたスライダー。ボールは右中間へと運ばれ、勝利へ導く勝ち越し適時打となる。一塁ベースの上で、ベンチに向かって小さな体から大きくガッツポーズが飛び出した。主将の一打に送られた拍手は、球場に響き渡った。

△吉川主将

その後、9回に宮崎、安藤の連打と久保田有の犠飛でダメ押しの1点を追加。最終回を三者凡退で抑え、3時間弱にも及ぶ激闘を勝ち切った。

苦しい試合も最後は底力を見せつけ勝ち切っている今季。決して楽な道のりではないが、一戦一戦白星を重ね、リーグ優勝、そして全国制覇への道を突き進んでいることに違いはない。次はどんな勝利が待っているのか。開幕4連勝目をつかむべく、明日も戦へと向かう。【文:中西愛/写真:中西愛、坂井瑠那】

▼早瀬万豊監督

「(高野について)ボールの状態が少し悪かった。あとはコントロールをもう少し付けれるようになったら。次も期待している。腕が棒振りになってるところがあるので、身体や腕のしなりを利用して指先に伝えていく必要がある。(継投について)うちの投手は投げられる球数がないので、いけるとこまでいかそうと思ったら、爪が当たって傷ができていた。それが影響したフォアボールだったのかもしれない。ここまでフォアボールを出すつもりはなかった。そこまでのコントロールの精度はない。でも、今日は投げた子自体が大分本来の感じに近づいてきてる気がしてたのでいけるところまで任せた。(吉川の勝ち越し打について)代打も頭にはあったが、ストレート系に強いところがある。結果的に打ったのは変化球だったが、今回のような形で変化球にも対応してくれたらさらに期待ができる。吉川は、派手なことは何もないが、淡々とやるべきことを全力でやる選手。(次戦に向けて)今日も大事な試合だったので、辛抱強く最後まで野球ができたのが良かった。細かな守りのミスは出ているが、そこを修正して明日に臨みたい」

▼吉川主将

「(8回勝ち越し打について)追い込まれたときは、「来た球を打つ」ということしか考えてなかった。打ったのは高めのスライダー。打った瞬間は間のフライで詰まっていたが、『落ちてくれ』と思って。落ちてくれたときはホッとした。(自分の代打を送られる時の気持ち)正直本当に悔しい。前回は自分でも代打を送られるだろうなと思っていた。実際に変わってしまったので、自分のプレーがうまく行かなかったのもあるが、悔しかった。今回も控えの選手が準備をしていて、自分もそれまでに結果を残せず、交代させられるかなと迷いながら打席入ったが、そのまま出してくれたので嬉しかったし、その分、物にしたいと思っていた。

(キャプテンとして)去年あれだけの結果を残して、『今年は?』という周りの期待も大きくて。その分、昨年よりも良いチームを作らないといけないというプレッシャーでキャプテンをしていて苦労した。年下がメインで試合に出ている。プレーでは勝てない部分があるし、その中でどうやって4回生がチームを引っ張るかを考えた。実際に、下の子たちも付いてきてくれてきた。特に3回生とかは、昨年よりもチームのことを考えてプレーをしてくれている。ありがたい。協力し合えている。コロナ渦での練習自粛では、春のリーグは結局無かったが、あると信じて、試合が始まってもすぐ身体を動かせるような身体づくりをしていた。

(今後の目標)個人としては、昨年はそう目立った選手では無かったので、今年は活躍してチームに貢献したい。最大の目標はベストナイン。チームとしては、前回優勝しているのでその勢いで連覇して、そのまま神宮でリベンジできるようにしたい」

▼高野

「悪くはなかった。でもまだいける。本調子ではない部分があって、カウントを悪くして打たれる場面が京大戦で多かったので、カウントを悪くしても甘くならないように攻めた結果、乱れてフォアボールになった。結果、その回1失点で終えたのが大きい。自分が出したランナーを帰していたらダメだったが、残塁で切れたのが良かった。(前回からの修正点)ランナーを背負ってからフォアボールが怖くて球が甘く行くことが多かった。それがないようにしたのと、得点圏にランナーが進んでも落ち着いて投げれた。1死満塁カウント1-3までいって、押し出して打たれて、というシーンを勝手にイメージした。それは3点、4点取られることになるが、それを考えたら1死満塁を1失点で切り抜けられたのはプラスかなと思って、ポジティブに考えた。まめ、ちょっと無理かなぁと。最近多い。前まではあまり気にしていなかったが、ちょっと痛くて、(チームに)迷惑をかけるかなと思って降りた。(ドラフトに向けて)プレッシャーがすごい。(次戦に向けて)四死球が5つで無駄が多いのと、配球を読まれるシーンがこの試合多く感じたので、逆をつけたらなと思います。(宮崎について)急な交代で、宮崎自身あまり準備をする時間がなかったと思う。そこは申し訳なかった。あそこで逆転されそうなところを耐えてくれたのが1番大きい。うれしかった。同点はOKだった。内容は僕より全然良かった。普通はランナーなしで準備する。ああいった場面は難しい。仕方がない。点を取られた後抑えられたから良かった。(後輩投手陣に向けて)完封して、先輩っぽく振る舞いたい。『俺でも抑えれるんだよ、お前も行けるぞ』と。」

▼宮崎

「点の取り方も試合の展開も良かったし、高野さんもテンポ良く試合運びしてたので、緊急登板ではあったけどなんとか出てたランナーを返さないようにと志してマウンドに立った。マウンドに立つ前、高野さんから『すまん、頼む』と言われてさらに頑張ろうと思えた。最初少し球が浮いていて甘かったのが、良いところに飛ばされた原因。同点にされてしまい、高野さんの勝ち投手の権利を無くしてしまったのが悔しいし、申し訳ない。それでも、切り替えてベンチで声を出してたら、その後すぐに勝ち越してくれたので、これ以上は取られないようにと心を入れ替えて投げようと思った。8回、9回はテンポ良く3人で抑えれたので良かった。久保田さん(久保田拓真)も声を掛けながらリードしてくれて、自分のピッチングができた。同点にされてもその後も信頼して投げさせてくれた監督に感謝。良い経験ができたがもっと0にこだわっていきたい。(高野との継投について)今日は結果的に自分が勝利投手になったが、高野さんが試合を作ったのは間違いないし、勝ち投手の権利もあったので、勝利投手にふさわしいのは高野さん。だけど、なんとか打者も援護してくれてチームの勝利につながったのは良かった。これからもチームの勝利につながるピッチングをしていきたい。(9回の打席について)1点リードの場面で先頭バッターだったので、自分のピッチングにもう少し余裕を持たせたかったし、後ろに良い打者が揃っていたので、なんとか出塁しようと。長打やいい打球を狙うというよりかは、間を抜くバッティングをイメージした。点につながって良かった。今リーグ戦投手陣初ヒットは素直に嬉しい。(今後について)強いチームが揃う連盟なので、甘いコースに入ってしまったら詰まらせたりゴロを打たせたりしても、良いところに飛んでヒットになりかねない。一球一球もっとコースにこだわっていきたい」

▼上神

「京大戦はスイング自体悪く無かったので、タイミングだけ合うように修正した。高橋恭投手は真っ直ぐに自信がある投手なので、真っ直ぐに狙いを絞って打席に入った。打った瞬間は取り敢えず『抜けてくれ』と思った。それと同時に、それまで今季無安打だったので、1本出てホッとした。(今季の目標)今季もベストナインを取って優勝して、神宮で今度こそヒットを打ちたい」

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