いまロード中
×

全選手が闘志を燃やした個人戦 城主将、ルーキー・坂本が全国決める!

全選手が闘志を燃やした個人戦 城主将、ルーキー・坂本が全国決める!

◇第46回西日本学生個人体重別選手権大会◇9月5日◇堺市大浜公園相撲場◇

[85㌔未満級]

伊藤 1回戦 ○突き落とし
   
   準々決勝 ●引き落とし

   順位決定トーナメント ●寄り倒し

坂本 1回戦 ○不戦勝

   準々決勝 ○寄り切り

   準決勝 ●引き落とし

   全国大会出場

[115㌔未満級]

山中 1回戦 ○小手投げ

   2回戦 ○小手投げ

   準々決勝 ●押し出し

   順位決定トーナメント ●寄り切り

李 1回戦 ○押し出し

  2回戦 ●寄り切り

[135㌔未満級]

谷口 2回戦 ●押し出し

城 1回戦 ○不戦勝

  2回戦 ○寄り切り

  準々決勝 ●上手投げ

  順位決定トーナメント1回戦 ○寄り倒し

  順位決定トーナメント2回戦 ○上手投げ

  全国大会出場

新型コロナウイルスにどんどん浸食されてゆく世間。その影響で、さまざまな競技において大会の開催が困難になっている中、西日本団体戦・個人戦両方に挑むことができた相撲部。おのおのが、広がるウイルスを吹き飛ばすような力強い取組を見せた。また、85㌔未満級からは坂本明優(社1)、135㌔未満級からは城裕貴主将(人4)が全国大会出場を決めた。

全部で7階級あるこの大会。選手6人はそれぞれ2人ずつ3階級にエントリーした。初めに土俵を踏んだのは坂本だ。1回戦目の相手が棄権により不戦勝。スタミナを残したまま臨んだ準々決勝は、開始と同時に相手の下半身を固くつかみ、わずか3秒で外に追いやる。この時点で坂本のベスト4と全国が決定したものの、西日本1位として全国に挑みたい。勢いそのままに準決勝でも勝利を収めたかったが、「(頭を落とされることに)3回戦目は耐えられなかった」と敗因を振り返った。

同じく85㌔未満級で出場した伊藤瑠吾(経4)は1回戦目、1部校の選手と相まった。手を俊敏に動かし突き放すことで、相手が体を取ることができない状況を作る。土俵全体を使った取組の末、突き落としで勝利した。つかの間の休息もないまま迎えた準々決勝。1回戦目と同じ戦法で攻めていったが、相手が伊藤の突きを避けたことにより地に手をついてしまう。悔しくも全国への切符をつかむことができなかった。ただ、「(伊藤が)良い相撲をしていて刺激を貰った」と城主将が語るなど、伊藤の取組は仲間を鼓舞した。

△坂本
△伊藤

115㌔未満級、山中新太(社3)は3試合目に登場。序盤、土俵際に持っていかれる展開に。だが、右腕をひねった小手投げを見せ2回戦へ駒を進めた。2回戦目も得意の小手投げで相手を圧倒する。85㌔未満級より下の階級であれば、この勝利数で全国が決まる。だが、エントリー数が多いこの階級。全国まであと1勝が必要だ。全国出場を決定づける運命の準々決勝。身長が一回り小さい相手と対峙(たいじ)した。体格面で有利かと思われたが、かえって小回りの利いた取組で相撲を支配される。最後はバランスを崩して敗北を喫し、チャンスは順位決定トーナメントに残された。順位決定トーナメントでは、立ち合い早々、強豪・近大の選手にまわしをつかむ隙を与えてしまう。体幹を使って土俵外に出ないようにこらえたが、惜敗となった。

李仁(文2)も同じ階級に出場した。初戦では持ち前の力強さで相手を土俵際まで追い込む。1度は避けられるものの、相手を押しに押して次のステージへ進んだ。続く一戦は両者一歩も譲らない時間が流れ苦戦する。一転したのは開始後40秒。李が小手投げを仕掛けようとしたとき、相手に全重心をかけられそのまま2人とも勝負俵の外側へ。しかし、李の足の方が早く地についていたことからここで姿を消すこととなった。

△山中
△李

大会はさらに重量級へと差し掛かる。谷口恵太(社3)は135㌔未満級シード選手であったことから2回戦目からの挑戦となった。1回戦を勝ち抜き迎えた相手は山中に続き近大の選手。山中の悔しさも乗せて引けを取らないぶつかりを見せたが、その後相手の力強さに呑まれてしまい押し出しで敗北。谷口の全国への夢は来年への持ち越しとなった。

1回戦目の不戦勝の末、主将・城の出番が来た。2回戦目は相手に態勢を上げられる瞬間もあったが、難なく白星を飾る。準々決勝も城優勢の相撲を行いたかったが、相手からの内掛けや片腕が不自由な状態に苦しめられる。寄り切りで苦杯をなめ、順位決定トーナメントに回ることに。順位決定トーナメント1回戦はこの日1番の長丁場となった。互いの全国への思いが相撲に出る。開始後1分まで試合が動かない中、城主将が仕掛けた。右肩に力を入れ一気に相手を土俵際に追いこむ。両者同時に倒れたことから審議が入ったが、結果城主将に軍配が上がった。準決勝・決勝が行われた後、勝っても負けてもこの日関大にとって最後の塩がまかれた。城主将の一番にメンバー全員が固唾をのんで見守る。押し出しを決めようとしたときにバランスを崩す一幕もあったが、まわしを固く握りしめて最後は上手投げで勝利と全国への切符をつかんだ。見守る部員も総出で拍手を主将に送った。

△谷口
△城

昨年とは階級が異なる城主将と、大学生となって初めて全国に挑む坂本が関大相撲部を代表して夢の舞台に立つ。「今年は入賞したい」(城主将)。目標を達成すべく、残り少ない稽古に励む。【文:木原綺音/写真:荒川拓輝】

▼城主将

「(団体戦から)負けた試合の動画を見て振り返って、その反省点を探して、反省点を攻略できるようにどうしたら良いか考えて稽古していた。(準々決勝で負けた後、順位決定トーナメントまで)絶対勝つぞという気持ちでやっていた。同級生の伊藤が負けてしまったけど、良い相撲をしていて刺激を貰っていて、自分が全国に行ったら付いてきてくれると言っていたので、それも心に留めていた。(増量のために)昨年は試合前に増えていて少し落としてでの出場だったので、今年は自然に増えていたという感じだった。(昨年と今年2つの階級を経験して)自分も重くなっているけど、その分相手も重くなっていたので圧力が違った。(良かった点と反省点)良かった点は、全国に行くぞという気持ちを大事にして一番一番集中してできたこと。反省点は今日土俵際で粘られて、どちらが勝ったか分からないところがあったので、全国では土俵際でしっかり腰を下ろしてがんばりたいと思う。(全国に向けて)昨年も1つ下の階級ではあるが全国で負けてしまったので、今年は入賞したい」

▼坂本

「(団体戦から)頭が下がることが多かったので、落とされないように稽古していた。2回戦では引かれてきたことは耐えれたが3回戦目は耐えられなかったので、やはり課題だと思う。(良かった点)前は団体ということもあり、今回は前以上に緊張しなかった。相撲に集中できたのが良かった。(高校と大学の試合で感じる変化について)そこまで細かい団体戦が高校はない。個人戦は高校2年生時に80㌔未満で出場したことがあるが、そのときと雰囲気は違うし、みんなここにかけてきているなと感じた。(全国に向けて)ここから19日まで日はないので、力を付けるのは間に合わないので、基礎を固めていきたい」

Share this content:

コメントを送信