いまロード中
×

昔と今、そして未来

昔と今、そして未来

「自分が一番輝いていたのはいつだろう」。最近よく、そんなことを考えるようになった。何度考えても浮かぶのは中学3年の夏だ。

中学3年の時、私はソフトボールに本気で取り組んでいた。自分で言うのもおこがましいが、誰よりも練習した。特に力を入れたのはバッティング。自宅で素振りやトスバッティングを行った。さらに、両親に頼んで車で40分の所にあるバッティングセンターに1週間のうち4日連れて行ってもらったこともあった。

それでも思っていたような結果が出ず、涙を流した。「なんで私より練習してない子が打てて、私は打てないんだ」とチームメートを妬んでしまったこともあった。これが限界だと諦め、逃げたくなった。

「私が打てなくてもチームが勝てればそれでいい」と考える自分もいた。だが、心の奥にあった「4番バッターは譲らない」というプライド。それが私を突き動かした。

そして、いよいよ最後の大会が始まった。4番バッターとして打席に入る自分は、自信に満ち溢れていた。5-0で勝っている時だろうが、サヨナラのチャンスで打順が回って来ようが関係ない。「あれだけやったから打てる」と自分を信じていた。

「“自分の力はこんなものではない”と信じて、只管(ひたすら)まっすぐに道を進んで行く事は、“自分は天才とは違うから”と嘆き、諦めることより辛く苦しい道であるかもしれない」(古舘春一「ハイキュー!!」17巻より)

今振り返れば、中学3年の夏の自分が一番輝いていたと言える。だが、その当時は辛い気持ちが多く、こう思えるようになるとは考えもしなかった。ただがむしゃらに目標に向かって、達成できると信じられるほどの努力をしていた。

22歳の自分には明確な目標はなく、自分に自信もない。だからこそ、あの頃の自分を眩しく思うのだろう。

大学生活は時間を自分のために過ごすことができる。

もっと歳を取り、「自分が一番輝いていたのはいつだろう」と問いかけた時、新たな選択肢が増えるように生きていきたい。【遠藤菜美香】

Share this content:

コメントを送信