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最終戦は引き分けも5年ぶりのリーグ制覇達成!

最終戦は引き分けも5年ぶりのリーグ制覇達成!

◇令和6年度関西六大学連盟春季リーグ戦第5節2回戦◇対関学大◇4月5日◇わかさスタジアム京都

関学大 000 000 030=3
関 大 000 000 300=3

(学)田尻、松井、井川、中畑、江口―中井
(関)竹下、伊藤、藤澤―福永

1(中)藤澤
2(指)佐竹
3(遊)福留
4(右)木下
5(一)今村
6(三)古田
7(左)日高
8(捕)福永
9(二)永村
先発 竹下

これまでのリーグ9戦を7勝1敗1分で戦ってきた福永翔太主将(社4)率いる関大準硬。迎えたリーグ最終戦、勝利か引き分けで他試合の結果を待たずに優勝が決定する。

関大の先発は竹下紘生(政策3)。先頭打者に味方の失策で出塁を許すと、暴投で進塁され、無死二塁のピンチを背負った。しかし2番打者を空振り三振に斬ると、続く打者を連続で外野フライに打ち取り無失点。事なきを得た。

△竹下

竹下を援護したい打線だったが、なかなか相手投手を打ち崩せず。1回には1死から佐竹俊哉(情2)、4回には2死から福留涼平(商4)が安打で出塁したが、後続が倒れ得点とはならなかった。その後も竹下、相手投手ともに好投を披露し、緊迫した試合展開が続く。

△福留

6回、先頭打者に中安を浴びた竹下が降板。続いてマウンドに上がった伊藤脩太(社3)は犠打で走者を進められ、1死二塁のピンチを招いた。2死となった後、右安を浴びると相手二塁走者が本塁を狙う。しかしここは右翼手・木下立清(りゅうせい=人3)が好返球で失点を阻止。気を吐くプレーで先制は許さなかった。

△伊藤

△本塁で憤死する相手選手と福永主将

△木下(右)と永村優吏(人3)

守りから流れに乗りたい関大は7回。2死から木下、今村優真(経3)が四死球で出塁し、この日一番のチャンスを迎えた。ここで打席に入ったのは6番・古田大輔(情4)。「甘い球が来たら思い切って振ろう」と2球目を捉え、三塁打を放つ。2人が生還し、待望の先制点を手にした。続く日高涼汰(経4)も適時打を放ち、1点を追加。試合終盤に大きな3点を獲得した。

△古田

△日高

援護をもらった伊藤だったが直後の8回、2つの四球と左安で1死満塁のピンチを背負う。フルカウントから投げた7球目がボールとなり、1点を失った。ここで関大は指名打者を解除し、中堅の藤澤駿平(政策4)をマウンドへ送る。「自分はいつでもいく気でいたし、福永からも危なかったらいくぞと伝えられていたので、メンタル的には準備できていた」と藤澤。内野ゴロと適時打でさらに2点を追加されたが、最後は遊ゴロに打ち取り逆転は許さなかった。

勝ち越しを目指す関大は、8回先頭の代打・原澤優吾(安全3)が右安を放つ。福留が初球で犠打を成功させると、続く木下、今村も出塁し1死満塁のチャンス。しかしこのタイミングで相手投手が交代し、追加点は挙げられなかった。

△原澤

9回のマウンドにも藤澤が上がる。安打と四球で1死一、二塁のピンチを招くも、相手4番打者を見逃し三振に抑えた。続く5番打者も空振り三振に斬り攻撃終了。この時点で試合開始から2時間15分が経過していたため、試合延長はなし。関大の引き分け以上が確定すると同時に、5年ぶりの優勝が決定した。

△藤澤

優勝は決定したものの、サヨナラ勝ちでリーグ最終戦を締めたいところ。しかし9回は三者凡退に倒れ試合終了となった。

試合終了と同時に、選手はマウンドへ駆け寄りながら1のポーズを掲げる。昨秋まで5季連続で4位に沈んでいた関大準硬。5年ぶり24度目の優勝に喜びを爆発させ、リーグを締めくくった。

△試合終了の瞬間

悲願を達成したがここはまだ通過点。全日出場を懸け、まずは5月の関西選手権に挑む。福永準硬の戦いはまだまだ終わらない。【文:島田采奈/写真:島田采奈、中吉由奈、𠮷村虎太郎】

△胴上げされる福永主将

 

[タイトル受賞者]
・最高殊勲選手 福永翔太

・最優秀投手  藤澤駿平
・最多勝利投手 藤澤駿平
・最多奪三振賞 藤澤駿平

・首位打者 佐竹俊哉

・ベストナイン(投手) 藤澤駿平
・ベストナイン(指名打者) 佐竹俊哉

 

▽福永主将
「(優勝した率直な気持ち)感動。万年4位だった関大が優勝できたのは感慨深い。うれしいの一言。(序盤は投手戦、なかなか得点が入らなかった)投手には我慢と伝えていた。中盤でチャンスが来るから、そこで野手がしっかり結果を出すから、それまでは我慢と。(終盤に打線がつながり3得点)最後に決めてくれたのは古田。練習に取り組む姿勢が一番いい選手だった。チームとしても自分としても、古田があの場面で打ってくれたのは大きかったし、リーグ優勝につながったと思う。(リーグ戦で印象に残っている試合は)ターニングポイントというと、対立命大2回戦の3―4で負けた試合。自分のなかでも継投や采配で後悔する場面が多く、プレッシャーや悩むことも多かった。それでもあの試合があったから、残りの4戦にしっかりと取り組めたのではないかと思う。(主将が選ぶリーグ戦MⅤPは)自分の中では今村。対神大2回戦の引き分けた試合でも、今村が11球粘って出塁してくれた。あの出塁がなかったら負けていたし、きょうの引き分けではおそらく優勝できなかった。守備面でも何度もショートバウンドの打球をさばいて、打撃面でも昨日は3安打を打ってくれた。後半戦のMVPを挙げるなら今村。リーグ戦全体を見ると藤澤かなと。(主将・副将、そしてバッテリーとしてタッグを組んだ藤澤について)これまでは『自分が自分が』というタイプで、自分のプレーにこだわりがちな選手だった。このリーグでは藤澤の中でも変化があったようで、チームのためのプレーをしてくれた。この気持ちの変化も、チームの優勝の一因だと思う。(関西選手権への意気込み)関西六大学連盟では自分たちが優勝して頂点に立った。次は関西のステージでも自分たちの野球をして、関西の頂点を取れるように準備していきたい」

▽藤澤
「(優勝した率直な気持ち)最高の一言。(きょうは8回途中からの登板)元々は9回のイニングを投げて、自分が胴上げ投手になるというのが最高のビジョンだったが、自分はいつでもいく気でいたし、福永からも危なかったらいくぞと伝えられていたので、メンタル的には準備できていた。(1死満塁の難しい場面だったが)同点まではOKと自分の中では思っていたので、最低限の仕事はできたかなと。それでもこれまでチームを引っ張ってきた分、あの場面は0で抑えて、勝って優勝したかったという思いもある。(リーグ戦で印象に残っている試合は)リーグ開幕の同大戦。自分も投げて打って、最初の試合でチームを引っ張れたので印象に残っているし、それにチームが乗ってきてくれたのが良かった。(副将・主将、そしてバッテリーとしてタッグを組んだ福永主将について)信頼して、福永のミットをめがけて投げてきた。打たれてもそれはしょうがないし、この1年で築けた信頼がある。(関西選手権への意気込み)福永を胴上げするという目標を掲げて実際に胴上げできた。福永の笑顔を見て自分も最高な気持ち。ここからまだ試合が続いていくが、福永をもっと上の主将にできるように、チームとしても頑張っていきたい」

▽竹下
「(優勝が懸かった一戦、どのような思いで試合に臨んだ)2回戦はいつも自分が先発。対神大2回戦を経て、福永さんと反省点を洗い出した。それを踏まえて、きょうは気持ちを出して、自分の投球をしっかりしようと。ピンチがありながらも、主将を信じてミットめがけて投げられたのが良かった。(序盤は投手戦だった)きょう投げるまで防御率0の信頼できる伊藤がいたので、思い切って自分ができることをしようと思って投げた。(関西選手権への意気込み)このまま全国へ行って、福永主将をもう一度胴上げできるように頑張りたい」

▽古田
「(7回の打席を振り返って)1・2打席目はあまり内容も良くなく、いつもなら代打を出されている場面だった。自分を打席に送ってくれたことに感謝して、甘い球が来たら思い切って振ろうと思って打席に入った。2球目のスライダーが甘いところに来たので、思い切って振った。(関西選手権への意気込み)自分たちは目標としてリーグ優勝と全国大会出場を掲げている。リーグ優勝は達成したので、あともう1つ。全国大会出場まで勝ち続けていきたい」

▽日高
「(7回の打席を振り返って)前を打つ古田が打ってくれた。その流れのままいけばおのずと結果がついてくると思って、来た球を振った。(関西選手権への意気込み)全国大会出場が目標。自分は副将としての働きもこなしながら、チーム一丸となって戦っていけば結果がついてくると思う。全国を目指して頑張りたい」

▽白藤すみれマネージャー(政策4)
「(5年ぶりの優勝を果たして)勝てるとは思っていたが、ここまで来られるとは最初は思っていなかった。試合を重ねるごとにみんなを信じられるようになって、最後には優勝を確信することができた。(関西選手権への意気込み)チームが最高の雰囲気になっている。まずは福永主将を関西一の主将にするところから。そして全国大会に出場して、すべての目標を達成できるように頑張っていきたい」

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