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男女ともに準決勝突破ならず

男女ともに準決勝突破ならず

◇2023年度全日本大学対抗王座決定試合◇10月3日◇愛媛県総合運動公園◇

【男子準決勝】
●関大3-5慶大
●D1中村・薦田組0(3-6,4-6)2林・高木組
●D2 井戸垣・天野組0(4-6,4-6)2藤原・下村組
●D3堤・岩本組1(6-3,5-7,6-10)2有本・菅谷組
●S1岩本0(6(6)-7,3-6)2藤原
●S2中村1(6-4,5-7,1-6)2林
○S3堀川2(3-6,6-4,6-4)1下村
○S4井戸垣2(5-7,6-1,6-2)1高木
○S5薦田2(6-3,3-6,7-6(5))1脇坂
○S6堤0(6(8)-7,4-3)1菅谷

【女子準決勝】
●関大0-5亜大
●D1川本・山口組1(6(4)-7,7-5,8-10)2吉川・冨永組
●D2 村田・宮本組0(2-6,1-6)2山﨑・齋藤組
● S1山口0(2-6,5-7)2山﨑
● S2川本0(0-6,1-6)2冨永
● S3安川0(0-6,2-6)2齋藤

2回戦を男女ともに難なく乗り越え、中1日の空き日を置いて迎えた準決勝。関西第1代表として挑んだ男子は、同じく関東第1代表の強豪・慶大と対戦した。ダブルスで3敗を喫する。シングルスで3勝し巻き返しを見せるが、逆転はできなかった。女子も悔しい全敗で、準決勝の壁は破れなかった。男女ともに、明日行われる3位決定戦で関学大と対決する。

男子ダブルスの先陣を切ったのは、中村秋河主将(商4)・薦田直哉(商1)組。慶大という強敵に、まずは第1セットを取り余裕を持ちたいところ。しかし試合の流れをつかんだのは相手。立て続けにブレイクを許し、このセットを献上した。続く第2セットも相手に吹いた追い風を止めることはできない。ゲームカウント4-5で迎えた第10ゲーム。ここを抑えなければいけない正念場だ。スマッシュを決められると、応援からは「自分から仕掛けていけ」との声がかかる。直後中村のリターンで得点するが、反撃はここまで。第2セットも落とし、ストレート負けを喫した。

△中村主将・薦田組

井戸垣一志(人3)・天野響(社3)組も、相手のペースに飲まれ悔しくも敗北となった。第1セットは相手のサーブに苦戦し甘いリターンを与えてしまう。同じミスで何度も失点してしまい、ブレイクをさせてもらえない。最終ポイントではボレーをたたみかけられ、何とか食らいつくもは井戸垣の手が届かず。なかなか白星を手にすることができない。

△井戸垣・天野組

男子ダブルスで唯一フルセットの激闘となったのが、堤隆貴(社2)・岩本晋之介(商2)組。第1セットは相手に流れを渡さず、ゲームカウント6-3で見事奪取に成功する。しかし空気は一変、第2セットに入り試合は均衡状態に。相手の応援も多く駆けつけ、プレッシャーが増す。ゲームカウント5-7で第2セットを落としてしまった。勝敗は10ポイントタイブレークへ。序盤は岩本のサーブも冴え、連続ポイントを獲得。しかし後半に入り相手が流れをつかみ始める。悪い空気を断ち切ることができず、6-10で第3セットを献上。勝利が目前だっただけに、悔しい敗北となった。ダブルスが全滅したために、決勝進出にはシングルス6名中5名の勝利が条件となる。

△堤・岩本組

「全国の舞台で自分たちの力がどれだけやれるのか楽しみ」とリーグ戦後に語った中村主将。男子シングルスで先陣を切った。サーブ権を持つ第1ゲームをしっかりキープする。着実にポイントを重ね、6-4で第1セットを奪い取った。勢いそのままに第2セットも上々のスタート。ゲームカウント5-3の第9ゲーム。そのままマッチポイントを奪うかと思われたそのとき、足が痙攣(けいれん)するまさかのアクシデント。普段の動きができなくなり、一気にゲームを連取され第2セットを落としてしまった。第3セットに入っても足の不調は治らず、相手の無双状態。何とか1ゲーム返すが、無念の敗北を喫した。

△中村主将

S4に登場したのは井戸垣。第1セットからタイブレークにもつれ込む接戦。このセットは落としてしまうものの、続く第2セットは井戸垣が完全に試合の主導権を握る。相手にたった1ゲームしか与えず、第2セットを奪取。試合を振り出しに戻した。最終セットに入っても、井戸垣に吹く追い風は止まない。終盤にポイントを連取される場面もあったが、気迫のあるプレーで圧倒。第3セットを奪い取り、見事逆転勝利を果たす。チームに貴重な1勝をもたらした。

この流れに続きたいところ。井戸垣とほぼ同時に試合がスタートしたS5の薦田。第1セットはゲームカウント6-3と圧倒する内容で獲得した。しかし第2セットに入り、中村に続くアクシデント。ゲームカウント2-5と追い込まれた場面で足の不調によるメディカルタイムアウトを取り、ケアに入る。その後コートに戻るが、開いた差を詰めることは厳しく第2セットを献上した。第3セットに入ると、相手選手にも不調が見られるように。お互い我慢の時間。試合はタイブレークにもつれ込んだ。サービスエースも決まり、序盤は大幅にリード。しかし中盤から相手が連続ポイントで、薦田にも焦りの表情が。だが、その背中を押したのは側で声をかけ、応援する部員たち。5-5から一気に連取し、ゲームセットとなった。薦田の顔にも安堵(あんど)の笑みが。側にいた部員たちがみな、薦田の元に駆け寄った。

△薦田

隣のコートでは、S3の堀川の試合が同時に行われていた。第1セットは相手に主導権を握られる展開。最後は相手のサーブになんとか食らいつくもネットにかかり、ゲームカウント2−6で第1セットを献上した。続く第2セットは一転し、堀川が主導権を握る。「自分の得意なラリー戦に持っていくことができた」。ゲームカウント6−4でこのセットを奪い取り、勝敗は第3セットへと委ねられた。最終局面に入っても、堀川の勢いは止まらない。ゲームカウントは5−2となり、勝利まであと1つ。しかし、最後のマッチポイントをなかなか獲得することができない。ゲームカウントは5−4とまで迫られ、油断ができない状況に。しかし最後はドロップショットをしっかりと決め、ゲームセット。ネット際でのミスが多く目立っていただけに、嬉しい勝利となった。

2回戦での岡大戦では、タイブレークに2度もつれ込む接戦を制した岩本。日が沈みかけ、辺りがひんやりとした頃から試合が始まった。相手はインカレタイトル経験もある実力者。相手のサーブにうまく対応し、岩本のブレイクからスタート。その後は取っては取られの展開に。ゲームカウントは6−6となり、タイブレークへ。長いラリーの末アウトを誘われるなど、相手の巧みなプレーに翻ろうされる。惜しくも6−8でタイブレークを落とした。窮地に追い込まれた岩本。次のセットを落とすと準決勝敗退が決まる場面で、岩本のサーブが冴える。サービスエースが何本も決まり、キープに成功。しかし、徐々に相手が本領を発揮する。岩本のサーブもコートの隅に鋭くリターンされる展開が続き、多くのポイントを献上。ゲームカウント3−6で第2セットを落とし、悔しい敗北となった。

△岩本

それと同時に進行していた堤の試合。タイブレークで第1セットを落とし、第2セットは4−3とリードしていたが、岩本の敗戦が決まり打ち切りとなった。

△堤

女子D1に登場したのは、川本茉穂(人4)・山口花音(経2)組。山口のサーブから始まった第1ゲームは、何度もデュースを繰り返す長丁場に。最後はスマッシュミスでゲームポイントを献上。ブレイクされる形から試合が始まった。その後も続けてゲームを取られ、このまま第1セットも奪われるかと思われたが、2人の息のあったプレーで巻き返しを見せる。ゲームカウントは6-6となり、タイブレークへ突入した。接戦となるが、最後は惜しくもラインアウトでゲームを与えてしまう。第1セット奪取とはならなかった。続く第2セットは、ブレイクから始まる幸先の良いスタート。その後互いにキープを譲らない状況が続く。均衡が破れたのはゲームカウント6-5で迎えた第12ゲーム。川本のボレーが刺さり、見事第2セットを奪い取った。勝敗は10ポイントタイブレークに突入。先制に成功し得点を重ねるも、コートチェンジ後にスマッシュを決められ逆転を許す。しかし山口のボレーで再び同点に追いつき、両者の応援も熱を帯びる。しかし軍配が上がったのは相手。川本のリターンが読まれ、スマッシュを決められる。長時間の接戦だったが、白星を勝ち取ることはできなかった。

D2は、リーグ戦でも息のあったプレーを披露した村田千聡(政策2)・宮本美姫(政策1)組。第1セットは、相手に主導権を握られてしまう。1度キープに成功するも追いつくことができず、ゲームカウント2-6で第1セットを落とした。第2セットに入っても相手の猛攻を止めることができない。特に、相手の鋭いサーブの返球に苦しめられる。1ゲームしか返すことができず、悔しい敗北。ダブルスの2枠を落とし、勝利にはシングルス全勝が必要となった。

△村田・宮本組
△村田・宮本組

女子シングルストップバッターを務めたのは、安川美緒菜(政策1)。1年生ながら期待のルーキーだが、強敵を前に太刀打ちできず。第1セットをストレートで落とした。続く第2セット。2ゲーム返したものの相手の勢いを止めることはできず、ストレート負け。まだまだ経験も浅い中、王座準決勝という大舞台で懸命に戦い抜いた。

△安川

なんとか1勝を持ち帰りたい状況で、川本の出番。しかし相手のペースに飲まれ、なかなかポイントを獲得することができない。第1セットを0−6で落としてしまう。第2セットはなんとか1ゲームを取り返すが、相手のフィールドを幅広く使ったプレーに翻ろうされる。ゲームカウント1−6で第2セットも落とし、黒星となった。

女子シングルス最後に登場したのが山口。攻めのテニスで果敢に攻撃を仕掛ける。ブレイクに成功すると、直後のゲームもキープし順調に試合を進める。このまま第1セットを取るかと思われたが、そう簡単にはさせてはもらえない。力強いストロークで得点を重ねられ、トントン拍子でゲームを献上。ゲームカウント2−6で第1セットを落としてしまった。続く第2セット。ここまで数々のタイトルを獲得してきた山口。序盤はブレイクされるが、徐々にペースをつかみ始める。ゲームカウント4−4まで追いついた。応援も熱を増し、エールを送る。ゲームカウントは5−5となり、拮抗(きっこう)した状態に。しかし、勝利の女神が微笑んだのは相手だった。タイブレークへ持ち込むこともできず、5−7で第2セットも献上。女子はダブルス、シングルス含め全敗と悔しい結果となった。

準決勝の壁は高かった。この悔しさを、明日の3位決定戦でぶつける。相手は男女ともに、リーグ戦で破れた関学大だ。リベンジを果たす時は、明日に違いない。【文/写真:合田七虹】

▼薦田
「(今日の1戦を振り返って)ダブルスから出場させて頂いて、その中で相手が慶大で、どうしても力が入ってしまってなかなか思うようなプレーができずに負けてしまったので、シングルスこそ1勝絶対持って帰らないといけないなと思って入ったんですけど、途中でどうしても足にきて、近大戦のようなことが蘇ったんですけど、あの時自分はチームに迷惑かけたので、今度こそは勝つと強く思って最後までプレーすることを心掛けました。(1年生ながら単複を兼ねることについて)単複というので体力的にも精神的にもしんどいところはあるんですけど、監督、キャプテンが考えて使って下さってるので、期待を裏切らないで覚悟を持ってどの試合も挑む気持ちを持ってプレーするようにしました。(ダブルスで敗れた後の切り替え)ダブルスの中で自分のプレーが良くなくて、キャプテンに迷惑かけてばかりだったので、シングルスで落ち着いて自分らしいプレーを心がけました。(後半戦の足の不調について)不甲斐ないが、第2セットの中盤頃から足が気になり始めて、ワンチャンスを狙っていたが、かわされて相手にセットを取られてしまいました。(ファイナルセットのタイブレークについて)タイブレークは相手の選手のプレーも良くて、ただお互い足にきていたので、そこからは気力だと思っていたので、自分達は人数が少ない中でみんなで切磋琢磨してきたので、思いの強さは関大の方が上だったと思います。みんなの応援のおかげで自分は勝てました。(初の王座で慶応と戦うことで得たこと)1年生で単複経験させていただいているので、この経験は絶対この後の大学生活に生きてくるので、慶応に負けた悔しさを来年絶対忘れずに、また王座でリベンジ果たせるようしっかり練習に励んでいきたいと思います。(明日に向けて)今日負けて気持ち沈んでしまうところもありますが、それは今日で切り替えて、明日の関学戦でまた負けてしまうと、ここまで頑張ってきた意味もなくなると思うので、最後しっかり勝って終われるように、明日の準備を怠らず今夜過ごしていきたいと思います」

▼堀川
「(今日の試合全体振り返って)チームとして今日は絶対勝つという思いで挑んでいて、絶対勝てると思ってましたし、その為に僕は僕で役割を果たしてチーム一人一人が自分の役割を果たしているところで、ダブルス0-3になってもシングルスで僕らは勝てるという自信があったので、そこから5本取るという気持ちで自分も試合に入れたので、強い気持ちを持ってやりきれたんじゃないかと思います。(ダブルスが負けてしまったことでプレッシャーはあったか)いつどんな状況であっても自分は全力で絶対に勝つという気持ちは変わらないので、今日もいつも通りのプレーができたと思います。(明日に向けての意気込み)与えられた役割をしっかりとして、いつも通り自分のプレーを最後まで貫き通して、ダブルスの時は誰よりも応援をするというところで、応援も試合も最後まで全力で全員で勝って終われるように頑張りたいと思います」

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