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挑戦して得たもの

挑戦して得たもの

先週の25日、街がクリスマスでにぎわう中、私はさいたまスーパーアリーナにいた。全日本フィギュアスケート選手権大会の遠征取材。昔から毎年テレビで見ていた光景が目の前に広がり、スター選手が4回転ジャンプやトリプルアクセルを決めていく。日本一になった選手と道端ですれ違う。中学生の頃から応援していた選手に直接インタビューをする。

夢のような時間だった。この3年間、楽な道のりではなかったけど、学生記者という未知の世界に飛び込んだことは間違いではなかったとしみじみ感じた。

小学生から高校生まで、ユーフォニアムという楽器をやっていてスポーツとは無縁だった。先輩に偶然勧誘されて、「フィギュアスケートの全日本選手権が記者席で見られるよ」という言葉で一気に興味がわいた。でも、長年同じ楽器を続けたように1つのことを継続することが得意で、環境を変化させることをあまりしてこなかった私の人生。できないこと、分からないことだらけのカンスポに入ることはかなり勇気のいる決断だった。

加えて、昔から文章を書くのが苦手で、美術や工作は自分にできないと思っていた。人見知りで内気な性格が嫌だった。「こんな自分にはできない」。最初はそう思ったけれど、考えるうちに、今の自分を変えるきっかけがここにあると感じるようになった。

カンスポの活動を始めてみると、毎週のように記事を書いて、たくさんの紙面のレイアウトやSNSに掲載する画像を作成することができた。多くの選手にインタビューをしていると、いつの間にか人と話すことに抵抗がなくなり、日常生活でも初対面の人に「明るい子だね」と言われるようになった。

貴重な経験もたくさんさせてもらった。KAISERSが学生日本一になる瞬間、大逆転勝利、大技の成功。今まで感じたことのない興奮や感動を与えてくれ、試合後のインタビューでは選手から紡がれる1つ1つの言葉に心を動かされた。

3年前、新しいことに挑戦したおかげで私の世界は広がった。できなかったことができるようになったり、心を揺さぶられる体験をしたことは一生の財産となるだろう。今の自分を変えるには行動するしかない。失敗ばかりを恐れずに挑戦したら、想像していなかった明るい未来が待っているかもしれない。当たり前のことだけど、カンスポを通してやっと実感できた。この経験を忘れずに、これからの人生も歩んでいきたい。

最後に、今までお世話になった方々に感謝の気持ちを伝えたい。これだけ充実した毎日を送ることができたのも、一からいろんなことを教えてくれた先輩、一緒に頑張った同期、頼もしい後輩、そして何より、競技に真剣に取り組むKAISERSがいたからこそ。本当にありがとうございました。【森本明日香】

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