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インカレ終幕 4年生は今、巣立った

インカレ終幕 4年生は今、巣立った

◇第99回全国学生選手権大会◇11月6・7日◇堺市大浜公園相撲場◇

【第1次個人トーナメント】

城 2回戦敗退

伊藤 3回戦敗退

山中 第2次トーナメント1回戦敗退

谷口 3回戦敗退

李 2回戦敗退

【B団体リーグ】

[1回戦]
●先鋒 坂本 上手投げ
●二鋒 城 すくい投げ
○中堅 李 寄り切り
●副将 伊藤 押し倒し
○大将 山中 小手投げ

●関大2-3国士館大

感染対策がなされたうえで多くの観客が入り、屋台も出店されお祭り雰囲気の大浜相撲場。全日本学生選手権大会(インカレ)が2日間に渡って行われた。1日目の個人、2日目の団体ともに関大の力士たちは土俵に上がった。それぞれ自身への結果に満足感や悔いが残るが、城裕貴主将(人4)・伊藤瑠吾(経4)の引退試合となった今大会。おのおのの大学生活の思い出に残ったに違いない。

△会場の雰囲気

1日目は1年生の坂本明優(社1)以外のメンバーが出場した。最初に登場したのは関大で唯一1回戦から挑む城。主将自らが勝利の第1号となり、チームに勢いを与えたい。その思いは相撲に現れ、前に前に相手を押していく。寄り倒しで勝ったと思われたが相手に1度は軍配が上がる。しかし、審判員の異議申し立てにより、最終的に勝利を手にした。関大2番手は伊藤。同級生である城の勝利を目の当たりにし、自分もインカレ勝利を手にしたい。稽古通りの突っ張りと投げを見せ、上手投げで相手を下す。勝利とともにインカレ初勝利もつかみ、4年間の相撲生活を有終の美で飾った。

城さん
△城
伊藤さん
△伊藤

もう1人インカレ初勝利を挙げた部員が。谷口恵太(社3)だ。投げられそうな瞬間はあったものの、相手の足が先に土俵外に出ていたことで白星を挙げる。谷口は「僕が取る直前に瑠吾さんの熱い試合を見たから、その流れを断たないようにと思っていた」と振り返る。その後の李仁(文2)も順調な流れで次につなぎたかった。だが、長丁場の末、上手出し投げで敗北を喫してしまう。後に土俵に上がった城、伊藤、谷口も2戦目で姿を消すこととなった。

△谷口
李くん
△李

個人戦残すは山中新大(社3)。初戦は危なげない取組を見せ、寄り切りで次に駒を進める。2試合目は、翌日に対戦する可能性のあった国士館大の選手と対峙(たいじ)。ぶつかり早々、一気に土俵際に持っていこうとするが相手が体幹を生かしなかなか倒れない。腕の力を利用し、振り下ろした山中。それが奏功し上手投げで決め、明日に向けて手ごたえをつかんだ。この一戦に勝利すれば2次トーナメント出場権を獲得できる4回戦。行司の声に合わせてぶつかり合った両者だったが、すぐさま山中が相手をよける作戦にシフト。わずか数秒で勝利を手にした。 迎えた2次トーナメントは山中より体格の大きい選手と相まうことに。当たり負けしないように手で距離を取るが、自然と詰め寄られ最後は内掛けで苦杯をなめた。 この惜敗で1日目は幕を閉じる。

△山中

2日目の団体戦は予想通り、国士館大と交えることとなった。先鋒・坂本、二鋒・城ともに黒星を喫してしまう。5人体制の団体戦。あと1人が負けた時点で負けが決定してしまう。そんな状況の中、救いの一勝を挙げたのは李だ。寄り切りで伊藤に回す。負けられない戦いが続くなかで伊藤も押し倒しを食らってしまう。この時点で関大の勝利は無くなってしまった。それでも、山中は取組に一切の妥協はしない。相手を得意の決まり手である小手投げで土俵の外へ追いやった。次期主将として、部を引っ張っていく覚悟を見せた。

△団体戦

この大会で城と伊藤は相撲部を引退。2人のいる間に成し遂げられなかった西日本1部昇格に向けて、山中率いる相撲部が走り出す。【文:木原綺音/写真:荒川拓輝・上田紫央里・木原綺音】

△4年生コンビ

▽城主将

「(個人戦を振り返って)4年間インカレを経験してきて、4年間の中で1番立ち合いは当たれていたが、土俵際という課題がクリアできなかった。(団体戦を振り返って)足怪我していたということはあったが、前に持っていく足がどうしても出てしまいそこの部分ができなかった。悔いの残らないと言えば嘘になるが、今持っている力を発揮できたと思う。(4年間で印象に残った一番)体重別の135㌔未満級の予選の試合。結構周りを見れているときだった。(伊藤に向けて)相撲は結構しんどい競技でもあるから、これから社会人でしんどいこともあるけど、相撲のしんどさを糧にして頑張ってほしい。(みんなに向けて)今回のインカレはみんなも悔いの残るものになったと思うけど、それぞれ課題点も見つかったも思うから、これから次の試合に向けて頑張っていってください」

▽伊藤

「(個人戦を振り返って)1回戦で勝てて、2回戦は負けたが、立ち合いも上手くいったし団体戦へと良いアップができた。(団体戦を重視していた?)大学名で出ているし、団体戦の方が盛り上がるので、その方が本番という気持ち。(団体戦を振り返って)1-2で自分に回ってきたことにプレッシャーは感じないようにしていたが、試合中、相手が冷静な瞬間が見えて練習とは違う動きをしてしまった。僕たちはあと少しのところでインカレ負けてしまうので、その少しのところで勝てるような練習ができていなかったのが反省点。(4年間で印象に残った一番は)今大会1日目の個人戦。僕はインカレで勝ったことがなかったので。気持ちの面でも1番良い相撲だった。(城に向けて)正直裕貴がいなければ、僕もここまでやっていないし、ここまで楽しい大学生活を送れていないと思うのでありがとう。というのと、近くで裕貴が成長している姿を見て良い刺激になった。これからもよろしくと言いたい。(みんなに向けて)引退前はやっと引退だと思っていたが、ここまできたらすごく寂しい。このメンバーだからそう思える。引退後は練習は行かないと言っていたが、ちょこちょこ予定作って行こうと思う。本当に良い出会いだった。人に恵まれた」

▽山中

「(どういう気持ちで挑んだか)1番大きい大会なので、もちろん気合は入って臨んでいて、僕と仲良かった4年生2人がこの大会で最後ということで、1番でも多く4年生と一緒にしたいなと思っていた。(今大会までのコンディションは)絶好調だった。(個人戦を振り返って)1番印象に残った1番は2次トーナメントを決めた1次トーナメントの決勝。相手が、高校2年生の全国大会でも戦った相手だった。そのときは力の差があり全く歯が立たなかったけど、今回は自分の相撲で勝てたので自分の成長を感じられた。(団体戦を振り返って)二鋒の裕貴(=城)と僕が絶対勝つという条件で、他で1点取れればという予定だったが、裕貴が負けてしまって痛かった。仁(=李)がよく一勝してくれたので巻き返せたかと思ったが、残念な結果で終わってしまった。自分の相撲としては勝ったが、チームが負けたので悔しい。(今大会で得た収穫)力負けはしなくなった気がした。ジムに行ったりして、昨年から10㌔増えたからだと思う。自信につながった。昨年は2次トーナメント進出をかけた試合で負けてしまったが、今回は勝ち切れたので手応えのあった大会となった。(来年度に向けて意気込み)相撲部が130周年の節目で、その節目に1部昇格という目標を達成したい。このままのチーム状態ではまだ難しいので、この冬しっかり練習してパワーアップしたい」

▽谷口

「(初インカレ初勝利について)緊張していて相撲の内容をあまり覚えていないが、僕が取る直前に瑠吾さん(=伊藤)の熱い試合を見たから、自分もそれで気持ちが入った。その流れを断たないようにと思っていた。(今大会で得た課題)上のレベルの学校を見ると、体の大きさが違うので、この冬補っていきたい。特に筋トレをしたい。色んなところのパワーがまず足りないと思う。(引退する2人に向けて)裕貴さん(=城)は主将としてチームを引っ張ってくれていたのでお疲れさまでした。というのと、普段からよくふざける方なので、それでチームの雰囲気が和やかになっていた。そういうところもキャプテンとして気を遣ってくれていたのかなと考えたらすごくありがたかった。社会人でも相撲を続けると聞いているのでそっちでも頑張ってほしい。瑠吾さんは僕と同じく大学から始めた初心者で、経験者にはない悩みを共有し合った仲なので、僕の精神的な支えになっていた。チームとしても、話を回してくれる担当だったので、瑠吾さんが抜けていってしまうのは不安だが、頑張りを願っている」

▽李

「(個人戦を振り返って)自分の相撲が取れなかった。中に入られなかったし、回しも取れなかったので、相手の相撲に合わせている感じだった。(団体戦を振り返って)立ち合いで回しを取られて、昨日の段階では負けていたが、気持ちで残ってそのまま前に出たら勝てた。(今大会で得た課題)立ち合いと、立ち合いで相手に回しを取られたときの対応。(引退する2人に向けて)すごく寂しいけど、来年は130周年だし、2人に西日本昇格を目の前で見せて抱きしめに行きたい」

▽坂本

「(団体戦を振り返って)全国大会なので、雰囲気が今までとかなり違うなと思った。先鋒が勝たないと勢いがつかないので、僕が負けたのは敗因として大きいと思う。(個人的に良かった点と反省点)右を取ったままなんとかすれば良かったと思う。(引退する2人に向けて)1年間短かったが、僕にとっては1番大きい1年だったので感謝をしている。(来年度に向けて意気込み)体を大きくしないとまだ勝てない。相撲もまだまだ下手なので上手くなれるように研究をしていきたい」

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