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練習の成果出し切り観客を魅了!

練習の成果出し切り観客を魅了!

◇クリスマスコンサート2023・第62回定期演奏会◇12月3日◇ザ・シンフォニーホール◇

冬空が広がりだした12月。街にクリスマスムードが漂う中、今年も応援団吹奏楽部のクリスマスコンサートと定期演奏会が開催された。

シスターに扮した部員が登場すると、多くの部員が楽器を用いず合唱を始める。昨年から新たに取り組んでいるボーカルで、映画「天使にラブソング」をよりI will follow himを披露。晴れやかな雰囲気でクリスマスコンサートは幕を開けた。

△クリスマスコンサートが幕を開けた

クリスマスコンサートの1部はディズニーソングメドレーだ。映画「美女と野獣」からはプロローグ、朝の風景、愛の芽生え、美女と野獣の4曲を山田瑚々南(環都2)の指揮で演奏。ベルと野獣の2人に関係する曲を物語の順番通りに演奏することで、2人の関係進展を思わせる時間を運んだ。映画「トイストーリー」からは段床伊吹(情2)の指揮で君はともだちを演奏する。この曲では祖母井亜弥(法4)と後藤優月(文4)の2人のトロンボーン、そして的場佑(シス理4)のトランペットを強調。前の曲から一転、明るく楽しいトイストーリーの世界観をかもし出した。最後に映画「ノートルダムの鐘」より罪の炎などのメドレーを同じく段床の指揮で披露。フロロー判事がエスメラルダに心を乱される様や、カジモドが周囲に受け入れられていく様を表した本作の音楽を通じ、どこか懐かしさを演出した。

△指揮者を挟みトロンボーンを演奏する祖母井(左)と後藤

また、2部との間の20分休憩には映画「アラジン」よりフレンド・ライク・ミー、映画「リメンバー・ミー」よりリメンバー・ミー、映画「シンデレラ」よりビビディ・バビディ・ブー、STEPHEN FOSTER JAZZ SUITEを数名で演奏した。

2部では福田亭監督が指揮を担当する。グレンミラーによる名曲のオープニングメドレーを披露しながら、各パートが登場。全員が出そろったところで、来年開催されるSJ&Pコンテスト全国大会の課題曲となっているTIME TO FLYを演奏する。アドリブや独自性が求められるこの曲で、太田垣里央(社2)によるソプラノサックスのソロパートなどを見せた。続いて、様々なジャンルの音楽を混ぜ合わせた第1小節と、ゴスペルミュージックに刺激を受けた第2小節を有するカムサンデイを演奏。牧田成未(法2)はテナーサックスのソロパートを務めた。その後、部員全員がサンタ帽を被り、クリスマスソング8曲をメドレーにしたクリスマスフェスティバルを演奏する。さらに、アンコールではSLEIGH RIDEとすてきな日々を演奏。会場をクリスマスムードにし、拍手に包まれクリスマスコンサート2023は幕を閉じた。

△サンタ帽を被り演奏する部員

その後観客を入れ替え、スーツからタキシードへ着替えて定期演奏会が行われた。1部では鈴木孝弥(経4)が指揮を担当し、まずは関西大学の学歌が演奏される。おなじみの曲を流したところで、「オペラ座の怪人」と「レ・ミゼラブル」、2つのミュージカルの音楽を披露。オペラ座の怪人ではフルートやオーボエを強調し、ミュージカルの世界観を演出した。18世紀のフランスを舞台にしたレ・ミセラブルでは、最後の曲である民衆の歌で大規模な演出を行う。「戦う者の歌が聞こえるか」。舞台の上手と下手、両脇から赤い革命旗を掲げた部員が現れると、それに続き部員が入場し合唱。2階席にあるオルガンを青白赤の三色の照明で染めると、無産市民に扮した部員の横にトリコロールを携えた部員が現れ、革命の成功を表した。

2部では再び福田監督が指揮を担当。まずは1970年代後半ごろをイメージした楽曲・レトロを演奏する。続いてバレエ音楽の中国の不思議な役人を演奏し、それぞれの楽器に焦点を当てるパートが用意された。次に映画「ウエスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニックダンスを演奏。ニューヨークでの闘争と若者の恋愛を描いた本作らしく、スローテンポで穏やかな曲とハイテンポでエネルギッシュな曲が織り交ぜて披露された。最後にはカムサンデイを再び演奏。奏者は手拍子を求め、観客も大きな手拍子で応えた。また、アンコール1曲目の追憶のテーマでは福田監督が演奏するアルトサックスとの共演を果たす。アンコール2曲目のアンコール!では、再度各楽器に焦点を当てた演奏を行った。このアンコールで再び指揮を務めた鈴木と福田監督が舞台上で握手をすると、会場はこの日最大の拍手に包まれ、定期演奏会が終了した。

△握手する福田監督(左)と鈴木

定期演奏会の最後に関谷香琳部長(シス理4)は、コロナ禍以来初めての客との距離が近い定期演奏会を行えたことを舞台上で満足そうに語った。これからも応援団吹奏楽部が奏でる音色が多くの人へと届く音楽であり続けることを切に願う。【文:𠮷村虎太郎/写真:𠮷村虎太郎、西村果凜】

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