◇団祭〜未来への礎〜◇10月6日◇吹田市文化会館メイシアター◇
101代を数える関西大学応援団。近年は、新型コロナウイルスの影響により思うような活動をすることが叶わず、苦しい日々を過ごしてきた。しかし今年、徐々に規制が緩和。体育会各部活への声出し応援も解禁され、その存在は関大体育会に欠かせないものとなっている。そんな応援団が今宵、4年ぶりとなる団祭を開催。148人の団員が『未来への礎』を見事に築き上げ、見る人全員を魅了するステージを披露した。
オープニングステージでは、学歌斉唱から始まり、河口直生団長(法4)の挨拶で幕を開けた。第Ⅰ部では「歴史と伝統」と題し、代々受け継がれてきた応援歌などを披露。肌寒さを感じる外とは裏腹に、会場は徐々に熱気を帯びていく。
第Ⅱ部では応援団を構成する3部がおのおのステージを作る。まずはバトン・チアリーダー部。今年は『STEP UP』をスローガンに掲げて活動してきた。夏に行われたJAPAN CUPでは自由演技部門で歴代最高順位を更新するなど飛躍。そんなHELIOSがこの団祭でもパワフルな演技で会場を魅了していく。迫力満点のステージに割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
続いてステージに立ったのはリーダー部。昨年に続き、「鯉の滝登り」、「応援団節」を演舞。1人1人が『燈』を照らし続け、観客の心を震わせた。受け継がれてきた伝統を守り、次世代につなぐ。5人の4年生の思いは後輩たちに託された。
最後は吹奏楽部。92人の大所帯ながらも心一つに数々の名曲を演奏。演奏だけでなく、あらゆるジャンルを組み合わせ、終始会場を圧倒した。
最終第Ⅲ部では3部一体となった合同ステージを開催。チアリングオンステージでは、普段の野球応援、アメリカンフットボール応援の様子を見事に再現した。会場に詰めかけた野球部員らもともにステージを盛り上げ、圧巻の舞台を築く。さらに3部コラボステージでは、誰もが知る曲を披露。絶やさぬ笑顔は会場全体に伝わり、この上ないステージを全員で作り上げる。全てのプログラムが終了すると、会場からは、鳴り止むことのない、そして温かい拍手が送られた。
偉大な先輩方が紡いできた伝統を今年も守り、そして受け継いだ第101代応援団。『敬』を団方針に掲げ、この1年間歩みを進めてきた。周囲からの重圧、期待をはねのけ、作り上げてきた団祭。世界に一つだけの、それでいてかけがえのない最高の舞台となった。これからも応援団は関大体育会を支え続けていくことだろう。こだわり続けてきた「利他の精神」。その燈は決して消えることはない。【文:稲垣寛太/写真:早川莉央、稲垣寛太】
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