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昨年V・東海大相手に健闘、4年生引退

昨年V・東海大相手に健闘、4年生引退

◇2022年度全日本学生体重別団体優勝大会◇10月15日◇ベイコム総合体育館

【1回戦・対熊本学園大】
○先鋒・上田泰介(人3)
○次鋒・小倉樹(法4)
○五将・広岡侑希(人2)
△中堅・竹家和希(人4)
●三将・宮部広大(人3)
○副将・眞木学人(法3)
○大将・豊永奏太(人3)
関大5-1熊本学園大

【2回戦・対東海大】
●先鋒・小倉
●次鋒・上田
●五将・広岡
●中堅・竹家
●三将・尾古礼夢(人2)
●副将・若原涼太(人4)
●大将・浜崎誠大(人4)
関大0-7東海大

今年度最後の全日本大会。関大柔道部、1年間の集大成として強敵に挑んだ。1回戦は先鋒から次々と勝利を重ねていき、5ー1で圧勝。続く2回戦では5年連続25回優勝の東海大と対戦した。強い気持ちで攻め健闘するも、やはり相手は強く敗北を喫した。

トップバッターは上田。開始まもなくして両者に指導が言い渡される。さらに上田に指導が入り、開始1分ほどで後がない状況に。しかし、積極的に前に出て攻め、背負い投げで相手を倒しチャンスを作る。そのまま押さえ込みに入り、見事一本。先鋒の役割を全うし、幸先のいいスタートを切った。この勢いに乗って、次鋒・小倉が畳に上がる。組み手では釣り手で相手の襟をしっかり掴み、足をかけていく。惜しい場面が何度か続き、その間に相手に指導が2つ入った。そして残り1秒のところでタイマーが止まる。ここで相手に3つ目の指導が入り、見事勝利。「 今まで練習してきた技術や、攻める気持ちを出せた 」と、小倉の確かな実力が勝利を引き寄せた。2勝リードとかなり相手にプレッシャーを与えた状況で、五将・広岡が出場。開始1分も経たないうちに、豪快な内股でポイントを先制。そしてその30秒後にはまたもや内股で投げた。相手に隙を与えない強さで白星を増やした。

△上田
△小倉
△広岡

中堅で出場した竹家は、素早い動作で組み手を争う。序盤から相手を何度も崩すなど勢いに乗る。しかし立て続けに指導を取られてしまい、中盤は不利な状況に。それでも攻撃の手を緩めず、投げ技や足をかけて攻める。相手に2つの指導が連続で入り、あと少しで勝利というところまで来ていたが勝敗はつかず、引き分けとなった。三将・宮部は開始すぐに相手を倒し押さえ込みに持っていく。優勢のように思えたが、相手にうまく返され逆に押さえ込まれてしまった。関大の勝利を決定づけるためにもあと1勝が欲しい副将戦に眞木が臨んだ。序盤から探り合いが続き、試合は均衡状態に。すると中盤には両者に指導が2回入る。お互いにやりづらい状況の中、組み手を争った。残り30秒のところで相手に3つ目の指導が言い渡され、見事反則勝ちを収めた。関大の1回戦突破が確定した中で大将戦が行われた。豊永は組み手から自分のペースに引き込んでいく。すると豪快な背負い投げを見せる。すぐさま技ありの判定が出たが、ここは取り消しに。しかし続けて背負い投げを繰り出しポイントを獲得。これが決定的となり、見事優勢勝ちを収めた。

△竹家
△宮部
△眞木
△豊永

続いて優勝候補である東海大との2回戦が始まった。先鋒は小倉。序盤は相手の攻撃に遭うも、投げ技を繰り出し反撃する。攻めたものの、相手に技ありを許し、そのまま10秒間押さえ込まれ、一本を取られてしまった。次鋒の上田は、速い組み手で先手を狙う。戦況はどちらにも傾くことはなく、拮抗した状態が続いた。技を出す体勢を作り、攻めるも決めきれず。このまま引き分け以上に持ち込めるところまできていたが、残り10秒のところでポイントを取られてしまった。そして先鋒と同様、そのまま押さえ込まれ一本。惜敗してしまった。続く五将・広岡は開始30秒ほどのところで、相手の背負い投げを受け、敗北。中堅の竹家は、開始まもなく、相手に大外刈りでポイントを許してしまう。立て直したいところだが、再び大外刈りを決められ、合わせ技での敗北となった。

△小倉
△上田
△広岡
△竹家

ここからの3人は2回戦からの出場だ。三将の尾古は、気迫のこもった面持ちで畳に上がる。序盤に指導を1つ取られたものの、低い姿勢で攻め、相手を倒すなど勢いを見せる。しかし、まもなく開始2分というところで相手の寝技を受け、負けてしまった。続く副将の若原も、序盤からいきなり相手を崩し、押さえ込みのチャンス。しかしここは相手が抜け出した。すると今度は相手の押さえ込みにあってしまう。抵抗するも縦四方固めからは抜け出せず、一本を許してしまった。最後は大将の浜崎が登場。深く礼をして畳に上がると、一声出して気合いを入れる。軽量級ならではのスピード感のある組み手を見せる。相手の攻めに度々崩されながらも防いだ。しかしこの間に指導を2つ取られてしまう。立て直したいところだが、相手の勢いは止まず、最後は櫓投げで一本を取られてしまった。

△尾古
△若原
△浜崎

4年生はこの試合で引退。強敵と臆することなく戦う姿には貫禄があった。その姿は後輩へと引き継がれる。【文/写真:松尾有咲】

▼小倉
「全国大会で今まで勝ったことなくて、初めて1回戦で勝って、その調子で全日本学生で何回も優勝している東海大とやるってなって、自分がどこまで通用するのかというのを試したんですけど、やっぱ差は大きかったなと思いました。14年柔道をやってたんですけど、これで終わりかあっていう。あまり実感はないです。(1戦目について)1戦目は審判に助けられた部分もありつつというかんじ。相手に指導がいっぱい入って、それが有利に働いたなと思うんですけど。今まで練習してきた技術面や、攻める気持ちを出せたからこそ、指導を取れたというのもあると思うので、そのあたりはいいもの出せたかなと思います。(2戦目の相手の印象)相手は有名、強い選手で、組んだ瞬間は一気に負けると思うほどの差はなかったかなと思うんですけど、1つ1つの差が大きかったかなと思います。まだあのレベルに勝つまでにはなれなかったなというふうに思いました。(4年間を振り返って)コロナウイルスもありつつ、色々あった4年間だったんですけど、もうちょっとやれたかなという思いもあるんですけど、それも含めての自分だったと思うので、悔いはないとは言い切れないんですけど、4年間やりきったことは自分を褒めてあげたいです。(後輩たちへ)団体戦で何回も助けられたり、練習でも後輩がいたからこそ強くなれたと思うんで、今の後輩たちだったらもっと上に上がれると思っているので、後はサポーター側としてこれから応援し続けていきたいなと思います」

▼浜崎
「結果は悪かったですけど、やりきったなって思います。(4年間を振り返って)苦しかった4年間だったなと思います。結果が全然出なくて、スポーツ推薦で来てるんで、結果を残さないとという気持ちでやっていたんですけど、中々結果が出なくて、苦しい4年間でしたね。(今日のチームの雰囲気)みんなチームのために一生懸命戦ってて、最後の最後にやっとまとまって関大っていう一つのチームで戦えていたかなと思います。(後輩たちへ)新体制にすぐ変わると思います。チームの色、個性を大切にして、これから頑張っていってほしいなと思います」

▼竹家
「最初は悔いがないように、負けてもいいから自分の柔道ができたらいいなと思ってたんですけど、後ちょっと東海大は大きな山だったと感じました。(1戦目について)1戦目は研究してたんですけど、相手の方が研究してて、攻めにくかったんですけど、チームのために千歩から流れを作ってくれていたので、負けられないという気持ちで頑張りました。(2戦目の選手の印象)東海大はやっぱり優勝候補ということで、ずっと優勝してるので、やっぱ強いというイメージはあったんですけど、それに負けないように自分の柔道ができるように臨みました。(4年間を振り返って)色んなことがありました。1年目はけがで試合に出れなくて、2年目はコロナが流行って試合がなかったんですけど、今回初めて全日本体重学生に出られて、いい思い出はできたと思います。(後輩たちへ)今回東海大に0ー7で負けてしまったんですけど、課題とか色々見つかったと思うので、次の新幹部に1年生も2年生もしっかりついて行けるように頑張ってほしいと思います」

▼若原
「4年間の集大成として、チームに今まで中々貢献できなかったので、最後貢献して終わりたいなというところで、自分力を出し切ろうと思って挑みました。(4年間を振り返って)中々上手くいかない時期とか、自分自身手術して大変なときもあったんですけれど、コロナウイルスから明けた後は、上回生になってこれから自分たちが引っ張っていくとなってからは練習にも集中してできるようになって。今思えば、大変だったときもあったんですけど、全部いい経験だったなっていうふうに思います。(2回戦について)まず相手は実績がある選手で、それを分かった上で試合していたんですけど、最初のファーストコンタクトで意外と通用するというか、自分の力を出せばいけるんじゃないかと思ったんですけど、一瞬の隙を突かれてやられてしまったので、そういう隙を与えたのは反省点だったなというふうに思います。(後輩たちへ)期待しています。新チームは絶対に強いので、自分も期待してるんですけど、周りからも期待されるようなチーム作りをして、関大史上1番強いチームを作ってほしいなと思います」

▼上田
「(1戦目について)先鋒でチームの流れを作ることが大事なので、その中で自分が攻めて一本で勝てたのはチームの流れ作るにも良かったんじゃないかなと思いました。(緊張しましたか)しました。大学に入るまで1回もやったことがなかったんですけど、大学に入って先鋒が2回くらいありました。それで少し慣れてたのもあったので、前よりも緊張しなかったです。(2試合目について)相手の方が体重も重いし、ボコボコにされるかなと思ってたんですけど、意外と戦えました。残り20秒くらいでタイマー見えて、引き分けられるかなと思ったらいかれて。そこは自分の爪の甘さじゃないかなと思います。(新チームどんなチームにしていきたいか)やっぱりみんなで頑張っていきたいですね。やらへんやつが出るとかじゃなくて、全員で目標に向かって、同じ方向を向けるようなチームにしていきたいです」

▼山崎祐士郎(社3)
「(試合を外から見ていて)4年生のみなさんからは3年生が主戦力っていうふうに1年間ずっと言ってもらってたんですけど、結局この体重別団体でも無差別の優勝団体でも4年生の出てる選手、小倉さんとか、今日でいうと4人に助けられているなというふうに思いました。(特に尊敬できるところ)東海大戦での試合の意気込みが4年生はやっぱり違うなと思いました。小倉さんにしても、浜崎さん、竹家さん、若原さんにしても、組み手の最初、踏み出す1歩の力強さが下級生と違うかなと思いました。(時期エースとして)4年生のみんなが実力を買って言ってくれているところもあるんですけど、いつもぼくの練習態度とかを褒めてくれてて。でもぼくからしたら、柔道だけに専念して誰よりも努力できる環境を作ってくれているのは、4年生のみなさんが下級生に、良くないところは注意したり、練習のいい雰囲気作りをしてくれているからかなというふうに思っています。だから、次期エースといえど4年生を支えるんじゃなくて、4年生に支えられていた1年かなというふうに思います。(今年の個人の目標)今年関西学生で優勝できて、初めて講道館杯というシニアの大会に出られるってなってたんですけど、全日本学生の個人や、今日の体重別団体もけがで棄権してしまいました。だから来年はもう一度、講道館杯の出場は最低ラインで、そこからいかに自分よりも上手の相手に粘り強く、冷静な試合運びができるかというのが最高学年になった自分の目標かなと思います。(新チームの意気込み)今の3年生は特別この人がキャプテンという人はいないんですけど、全員がどの人に任せてもいいチームを作れる、そういうメンバーが揃っていると思います。キャプテン、副キャプテンの役職はついてくるんですけど、3年生全体で下級生全体を引っ張っていけるようなチームに、ただで負けることはない、粘り強いチームにしていきたいと思います」

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