王座決定戦、初戦敗退も成長見せる
◇第58回全日本学生女子王座決定戦◇6月17・18日◇静岡県 つま恋リゾート彩の郷 第一多目的広場◇
【予選ラウンド】
[個人]
24位 佐竹稚奈(人3) 588点
31位 平井阿佐美(文4) 575点
33位 福原綾乃(情1) 572点
35位 波部日葵(政策3) 568点
[団体]
8位 関大 1735点(チーム内上位3人の合計)
【決勝ラウンド】
[1/8イリミネーションラウンド]
●関大3―5東京国際大
【最終結果】
9位 関大
補欠選考を通過し、今年も王座決定戦出場を決めた関大アーチェリー部女子。佐竹女子主将、平井、波部、福原の4名をメンバーに携え、試合に臨んだ。
1日目、予選ラウンド。強い日差しが照り付ける中、おのおのが70㍍先の的と向き合った。予選の順位が翌日の決勝トーナメントの組み合わせに反映されるため、少しでも順位を上げておきたいところ。緊張感の中でも、4人の顔にはリラックスした表情が浮かんでいた。
前半36射が終了し、佐竹女子主将が301点の高得点をマーク。平井も290点と、300点に迫るスコアで健闘した。後半に入ると、ルーキー・福原も実力を発揮する。前半は本調子とはならなかったものの後半では302点を記録し、巻き返しを見せた。波部もテンポ良く行射を繰り返し、前半から20点アップの294点をたたき出す。72射を打ち終え、関大は18チーム中8位での予選通過となった。
迎えた2日目、決勝ラウンド。各チーム3名が出場し、一人2射、計6射の合計得点で競う。各セットで点数が高かったチームが2ポイントを獲得し、先に5ポイント選手したチームの勝利となる。関大からは佐竹女子主将、平井、福原が出場し、予選9位の東京国際大を相手に初戦を迎えた。負ければ即敗退の一発勝負。緊張の場面だが、メンバーたちは普段以上の笑顔でお互いにコミュニケーションをとる。後ろから見守る住谷和輝主将(シス理3)も積極的に声をかけ、和気あいあいとした雰囲気で臨んだ。
1番目にシューティングラインに立ったのは平井。4年連続メンバーとして王座出場を果たし、本大会が集大成の場。経験豊富なメンバー内最高学年として、落ち着きのある行射を見せた。続いて、佐竹が的を狙う。普段は笑顔と明るさでチームの雰囲気を盛り上げる佐竹だが、一度シューティングラインに立つとその表情は真剣そのもの。安定感のあるフォームで堂々の行射を繰り返し、高得点を連発。主将として、得点源として、頼もしい姿を見せた。そして最後は、福原が入る。初の王座で、慣れない雰囲気の中での団体戦。なかなか本領発揮とはいかないものの、メンバーや応援に駆け付けた部員に見守られながら、健闘した。
やはり、予選順位で見ても実力の拮抗(きっこう)する相手。1セット目から同点となり、ポイントは1-1。2セット目は相手に軍配が上がり、2ポイントを献上する。しかし3セット目は関大が強さを見せつけ、53点の高得点で2ポイントを奪い返す。ここで3-3となり、勝敗のかかった第4セットを迎えた。メンバーは「Go kaisers!」の掛け声で士気を高める。緊張による大きな崩れもなく、リズム良くうっていく関大。一方、相手チームからも高得点を連発する声が響いた。相手が先に6本をうち終え、福原が放った関大の最後の1本は的中央部を射止める。しかしあと一歩及ばず、4セット目は51ー50。1点差で2ポイントを奪われ、ここで関大の敗退が決まった。
ベスト8入りとはならなかったものの、選手たちからは「やりきった」という表情がうかがえた。試合中も常に笑顔を絶やすことなく、試合を楽しんだ関大。佐竹女子主将も、「決勝ラウンドではどんな状況でも笑顔で、声を掛け合う姿がありチーム力が高まってきていることを感じた」と振り返った。
今年も無事王座出場を果たし、全国で貴重な経験を積んだ関大。この経験を生かして成長を続け、進化した姿で来年も必ず全国の舞台に立つ。【文/写真:横関あかり】
▼佐竹女子主将
「予選ラウンドの初めの1、2立目は思い切りうつことができておらず、守りの射型になっていました。コーチからのアドバイスでそれ以降は攻めの姿勢で臨むことができましたが、予選結果は関大が8位となってしまいました。決勝ラウンドでは初戦から予選9位の大学との対戦となり、接戦の末、敗北してしまいました。チームとしては本番の緊張した場面であてる力がまだ不足しているという課題点が浮き彫りになりました。私個人としては、緊張する中でも攻めた姿勢で臨めたのでこの1年準備してきた成果を少しは発揮できたと思います。(どのような意気込みで試合に臨んだか)チームとしては元々リーグ戦の結果では王座出場はかなわなかったので、補欠選考に感謝して気軽に臨もうと思っていました。その反面、個人的には去年の王座から射型を大幅に変えて今年の王座を目標に努力してきたので、その成果を出したいという気持ちもありました。(大会を通して、チーム・個人の良かった点は)チームの良かった点としては予選ラウンドで誰も大きな崩れがなかったことです。例年は誰かは大きく崩れがちだったので、チームの成長を感じました。決勝ラウンドではどんな状況でも笑顔で、声を掛け合う姿がありチーム力も高まってきていることを感じました。個人で良かったことは、団体戦で大きく外すことなく終始当て続けられたことです。1年生の時から王座の団体に参加していましたが、チームに貢献できた経験はなかったので今回の団体戦は自分の自信につながるものになりました。(今後に向けて、目標や意気込み)来年の王座では必ずリーグ戦に勝って出場を決めたいと思います。また今年の反省を踏まえて、1年かけてチームのレベルを何段階も上げてベスト4を目指していきたいと思います!」
▼波部
「3年連続で王座に出場できたことがうれしかったです。緊張もなく、一射一射丁寧にうてました。(どのような意気込みで試合に臨んだか)補欠選考だったのであまり気負わず、できる限りを尽くそうと思いました。(大会を通して、チーム・個人の良かった点は)チームとしては、レベルアップした団体戦の姿を見せることができたと思います。(今後に向けて、目標や意気込み)目標は来年も王座に出場すること。自分の可能性を信じて努力を怠らないことを胸に刻んで練習します!」
▼福原
「私は、1日目の予選ラウンドの時から調子が悪くて、練習通りにうてていない状態でした。2日目の団体戦も調子が戻り切らないままスタートしてしまい、悔しい結果となりました。けれど、今回の大会を通して、自分の改善するべきポイントが明確になったので、次につながるいい経験になったと思います。(どのような意気込みで試合に臨んだか)私は全国規模での団体戦はこの大会が初めてだったので、会場の空気にのまれないように平常心でうつことを第一の目標に試合に臨みました。(大会を通して、チーム・個人の良かった点は)今回の大会を通して、関大アーチェリー部の団結力を感じました。大会前に団体戦の練習をした時にたくさんの方が練習に付き合ってくれたり、練習後に応援練習をしている場面を見かけたりしていたので、とてもいいチームだと実感しました。(今後に向けて、目標や意気込み)来年こそは王座決定戦でベスト8に入るという目標を達成したいと思います。また、個人としては、大会によって得点に差があるので、安定して高得点を出せるようにフォームの改善や、メンタル面を鍛えていこうと思います」
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