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春、それは別れと出会いが入り混じる季節。その言葉通り、今年の春、私は小学校3年生から続けてきた野球人生に別れを告げ、学生記者という道に出会った。もともと、スポーツをしている人を裏で支える立場に興味のあった私は、高校時代から知っていた関大スポーツ編集局(カンスポ)の存在が一際輝いて見えていた。そんな憧れの部活であったカンスポに入部した私に待っていたのは、充実と苦難の日々だった。

順風満帆な日々

今まで全くと言っていいほどカメラに触れたことがなかった人生。初めての取材はカメラを構えるだけで緊張していた。加えて極度の心配性な性格上、1枚撮っては確認、1枚撮っては確認の繰り返し。それでも一緒に取材に行った先輩方に撮った写真を見てもらうと、「めっちゃ上手いやん、ほんまに初めてなん?」などうれしい言葉をかけていただいた。もっとうまく写真を撮りたい。その一心でたくさんの取材に行き、時には府外での取材も経験。選手たちのかっこいい写真が撮れたり、インタビューに挑戦したりと、取材に行くたびに一歩一歩成長を感じることができた。

やりきれない感情

充実の日々を過ごし、もっとできることを増やしたいと考えていたと同時に、どこかモヤモヤとした感情もあった。取材に行く回数が増えるにつれて、自分の活動が本当に選手たちを後押しできているのか、自分たちの企画や記事が本当に選手たちに届いているのかという不安。そんな感情を抑えながら取材に行く日々は今までにないつらさで、自分のメンタルの弱さを痛感した。もともと野球という団体競技に打ち込んできた私にとって、どちらかというと個人で動くことが主なカンスポ。個人で活動することに慣れていない私にとって、そういった変化もやりきれない気持ちにつながっていたのかもしれない。

憧れの先輩

そんな自分の弱さを吹き飛ばしてくれたのはカンスポの先輩方の存在だった。その中でもある一人の先輩が書いた文章に心を動かされた。「KAISERSという花の美しさを際立たせるために、そっと存在する。その花の美しさを見て、自分もさらに強くなろうと頑張れるのだ」その文章の中の一部だ。この言葉が今の私の学生記者として頑張る原動力になっている。人の心を動かすことができる文章を書くことはむずかしい。それでも書き続けたい。読者の心を揺さぶるような文章を、読者が私の記事を読んで頑張ろうと思えるような文章を。そしていつか、憧れの先輩の背中に追いつきたい。それがカンスポ部員としての今の1番の目標だ。

思い入れのある記事

カンスポ記者として過ごした1年。どうしても読んでほしい記事がある。野球部が第53回明治神宮大会関西地区第2代表決定戦を制し、3年ぶりに神宮への切符をつかみとった試合の記事だ。勝てば神宮、負ければ引退の大一番に勝利し、作った歓喜の輪。その瞬間はもちろん、野球部の昨年からの神宮に懸ける想いを伝えたいと、一文一文こだわって書いたこの記事。ぜひたくさんの人に読んでほしい。

https://kanspo.jp/2022/11/02/29235/baseball/

唯一無二の存在に

大学生になって一生の友達ができたり、何気ない会話をしながら、みんなが自然体でいれるような同期にも出会えた。幸せ者だと思う。私の周りにいてくれるような人たちは私にとって、一人一人が唯一無二の存在。中でも私の親友は「今日も部活か、頑張れよ」と会うたびに声をかけてくれる。そんな優しい一声に励まされ、取材や編集を頑張れる。「優しさは最大の強さ」。私が生きる上で一番大切にしている言葉だ。その言葉を体現している人がほぼ毎日隣にいてくれる。いつもありがとう。私もKAISERSの唯一無二の存在に、そしてKAISERSとして頑張る、誰かにとって唯一無二のカンスポ記者になれるように、これからも歩みを進める。【稲垣寛太】

[マイベストショット3選]

23041523-0B1E-452F-B77F-02E375BBBE78-280x200 唯一無二の存在
[野球部]ハイタッチを交わす谷元将弥(左=政策4)、有馬諒(商3)
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[応援団]笑顔を見せる鈴木れな穂(左=経4)、油田和樹(文4)
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△[ヨット部]表彰状を掲げる(左から)児玉沙耶佳(商4)、福田新之介(経4)、田代彩子(商4)

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