◇第回75秩父宮賜杯全日本大学男子選手権大会ミキプルーンスーパーカレッジバレー2022◇トーナメント1回戦◇於・武蔵野の森総合スポーツプラザ◇
[第1セット]関大23―25駒大
[第2セット]関大26―24駒大
[第3セット]関大24―26駒大
[第4セット]関大21―25駒大
[セットカウント]●関大1―3駒大
3年ぶりとなるインカレが開幕。池田勇太郎主将(法4)率いるチーム最後の大会で集大成を飾るべく、トーナメント1回戦の対駒大戦に臨んだ。第1セットは序盤でリードを許したものの、徐々に追い上げを見せ互角の戦いを繰り広げる。終盤まで白熱したゲームを展開したが、惜しくもセット獲得とはならず。しかし、第2セットは中盤から勢いが加速し、デュースの末セットを取り返す。関東1部の強敵相手に善戦したが、第3、4セットを連続で逃してしまい無念の1回戦敗退で池田男バレは幕を閉じた。
第1セットは開始早々2連続失点となり、相手リードで試合が進む。なかなかブレイクできずにいたが、陰下雄太(情3)のスパイク、川合涼太(人2)のブロックでブレイクに成功すると、さらに陰下が連続で点を奪い、計4連続得点で同点に追いつく。その後、再び追う展開となったが、サイドを中心に得点を重ねた。リリーフサーバー・中村奨(社3)の相手を乱すサーブが奏功し、スパイクミスや連携ミスを引き出す。ブレイクを果たし、チームは大きく盛り上がった。失点しながらも粘り強く攻め続け、終盤で逆転に成功。しかし、相手の高さのあるスパイクに押され、またもひっくり返される。最後は相手のリリーフサーバーにサービスエースを奪われ、第1セットを落とした。
第2セットも序盤から失点が相次ぎ、大きく引き離されてしまう。ブレイクできず、4点差を保ったままゲームは中盤へと向かった。得点が二桁に入ったころ、悪い流れに一筋の光が見え始める。相手の勢いを断ち切ろうとタイムアウトを挟むと、タイムアウト明けから関大が本領を発揮。長いラリーでも粘り強くつなぎ、相手のミスを誘い出す。3連続得点となると、レシーブ要員としてコートインしていた山本大稀(経1)に代わって金子玄(人3)を投入する。すぐにレフトからスパイクを決め込むと、陰下のバックアタック、金子のクロススパイクでブレイク。逆転すると、そのままコンスタントに得点し再びブレイクに成功した。好調な金子に続くように、陰下や安平瑠也(商2)の攻撃も決まる。デュースにもつれ込んだものの、金子のサーブから1本で返ってきたボールを、陰下がダイレクトで押し込んで得点。熱戦の末、第2セットを取り返した。
第3セットはこれまでと違い、開始2連続得点と1歩リード。互いに点を取り合うシーソーゲームが続いた。コンビネーション攻撃や幅広い攻撃をうまく使い、少しずつ点差を広げていく。川合や安平のブロックも決まり、攻守において関大が試合を支配していた。しかし、中盤で金子と陰下のスパイクが2連続でアウトになると、続く岡田大雅(経4)と金子の攻撃が連続でブロックにつかまってしまい、逆転を許してしまう。それでも、金子サーブのターンで陰下がブレイクし、岡田のブロックで再び流れを取り戻した。2点リードで進んでいたゲームだったが、20点台に突入したところで相手にブレイクを重ねられる。第2セットと同様にまたもデュースへと持ち込まれ、このセットは取り切ることはできなかった。
このセットを落とせば敗北が決まってしまう、運命の第4セット。安平のライトからの強打で1点目を奪うと、陰下のストレートや川合のクイックで着実に点を取る。しかし、相手の高いブロックを前に関大の攻撃が阻まれ、3連続得点を序盤から連続で許してしまう。しかし、関大は気持ちを落とすことなく互いに声を出し合い、雰囲気良く試合を続けた。陰下のスパイクや池田主将のサービスエースでブレイクし、チームは盛り上がりを見せる。長いラリーでも諦めずに粘り続け、攻撃へとつなぐ。それでも相手の守備強度が上がり続け、なかなか得点に至らないでいた。先に相手がマッチポイントを握ると、粘りで2連続得点を奪ったが追いつくことはできず。セットカウント1―3で、トーナメント1回戦敗退を喫した。
関東の強敵相手に食らいつくも、惜しくも黒星となった。最後の試合を終えた4年生からは「悔しい」、「楽しかった」の言葉が。春リーグ6位から西カレベスト16、秋リーグは順位を落とし10位閉幕となった今季。昨年の絶対的エース2人が抜けた今のチームは、誰もがエースになりうるチームであり、過去を越える成績を残してきた。関大はまだまだ可能性にあふれている。次期主将の陰下率いる新チームはどう成長していくのか。4年生の思いをつなぎ、来年、再来年と新たな歴史を刻んでいく。【文/写真:小西菜夕】
▽池田主将
「率直に悔しいです。もちろん楽しかったしいいバレーはできてたんですけど、やっぱ一番悔しいっていう気持ちが出てきたかなって感じですね。関東の1部が強い相手というのも分かってて、その中で何もできなくて負けたんじゃなくて、1セット取れたし、自分たちのプレーをしてそれで負けたのでより悔しい、勝てたなって思います。(対駒大の対策)一応、相手の動画とかを見たりして対策はしてあって、結構動画を見ていても堅いイメージがあって。セッター的には(相手は)ブロックがいいから、一対一で勝負を仕掛けてくるようなイメージがありました。クイックが通るかなっていうイメージやったんですけど、それがなかなか通らなかったというところは難しかったです。大雅(岡田)がシャットされる本数が増えてしまったっていうのは結構しんどかったかな。あれが関東のブロックなんだなと思いました。(後半からの金子の投入について)山本がキャッチをしっかり返せる選手なので、そこを固めて、岡田、陰下、安平で攻撃するというのをやっていたんですけど、もともと終盤の決めたいところで金子に変えるというのは作戦だったので、それがはまったので金子に任せた感じです。(4年間のバレー生活を振り返って)楽しかったです。最後はキャプテンをやらせてもらって、僕は中高大ずっとキャプテンだったんですけど、大学のキャプテンが一番楽しかったです。周りの選手も意識が高かったり、ふざけることもあるけどバレーに対する情熱を持っていたり、その人たちの上に立ってできたことは僕は楽しかったです。(後輩たちにエールを)3年生たちに言うんだったら、上に立つのがすごく難しくてバレー以外のことのほうが考えないといけないので周りを見ないといけないし、バレーバレーってできなくなるしんどさがあると思う。けど、それも楽しんで1年間過ごしてほしいです。雄太(陰下)は中学の頃から知っている後輩で、エースで今やって、次期キャプテンになるとか頑張ってくれているので、応援しています。特に頑張ってほしいです。2年生はわがままで、ザ・弟って感じ(笑)プラスの面で言えばチームを盛り上げて、勢いづけるのは2年生になると思うので、弟じゃなくてお兄ちゃんになって、チームを、次の4年生を支えてほしいです。1年生は1年しか見れていないけど、すごくバレーが好きな印象があって、毎日遅くまで自主練しています。自分の1年の頃とすごく似ているなと感じているので、バレーが好きという気持ちを忘れなかったらどこまでもうまくなると思うので、その気持ちを忘れずに頑張ってほしいと思います」
▽岡田
「負けて悔しい部分はたくさんあるけど、これが引退試合で良かったと思えるぐらい楽しい試合で、やり切ったという印象が強い試合でした。(自身のプレーで良かったところ)自分の強みがサイドアウトを取ることなんですけど、それが関東にも通用したし、でも後輩に助けられたプレーばかりだったので、自分がというよりは後輩にありがとうって感じの試合でした。(4年間のバレー生活を振り返って)自分自身としてはいろんな経験をさせてもらって、大学でプレーしながら地元の国体にも、関西選抜にも選ばれたしバレーしてて良かったなって思える瞬間が多かった、順風満帆な4年間でした。(後輩にエール)悔いのないバレー人生を送ってほしいです。これから失敗とか大変なこともあるけど、それらに対して本気で向き合っていたら後から本気でやっていて良かったって思えるし、それが今日みたいに負けとして終わったとしてもやり切ったと思えるから、1日1日をやり切ってほしいなと思います。頑張れ!」
▽文字
「負けは負けなんですけど、見ていて一番楽しかったというのがベンチからの感想です。ベンチメンバーも盛り上がっていたし、劣勢の場面もあったけど、チーム全体で盛り上がっているのを見れて、最後らしいゲームだったと思います。ナイスゲームでした。(4年間のバレー生活を振り返って)順風満帆な4年間ではなかったですけど、いろいろ失敗もして、得るものもあって、学ぶことも多かったなと思います。人間関係が結構先輩からもかっこいいところを見たりしたことで、得られた部分は大きかったと思います。(後輩にエール)自分らしく4年間やり切ってください」
▽青谷
「僕は2年間ベンチスタッフとして入らせてもらってて、レギュラーメンバーは自分が見ていたんですけど、本当にベストゲームだと感じています。秋リーグは1次リーグ全敗していて、正直2部行ってしまうかなという考えがよぎってしまったんですけど、でも1部10位で耐えて、それでもチーム事情で関カレでは逆転負けして良くなかったんですけど、始まってみればみんなめちゃくちゃ跳んでるし、全カレという場でやれるという気持ちがあるのかなと思いました。はつらつとプレーしていて良かったです。(4年間のバレー生活を振り返って)4年生の中では自分が一番ユニホームを着る機会は少ないし、プレーもそこまでうまくなかったんですけど、みんなが楽しむ環境を作ってあげることが主務の仕事だと思っていたので、この1年はそれがちゃんとできたかなと思います。2年生の時にコロナが流行して自粛が半年続いたこともあったんですけど、めちゃくちゃあっという間やったなと。だからKAISERSの子たちも1年は体感的には1カ月ぐらいで過ぎると思うけど、1分1秒を大切に頑張ってほしいと思います」
▽松尾
「楽しかったですね。悔しいの前に、最後ボールが落ちたときに『あ、楽しかったな』って。そこで、楽しかったなっていう過去形になってしまったのがちょっと寂しかったし、その後に悔しいなと思って、ほんまにいいバレーしてるからって、いいバレーがイコール勝つバレーじゃないから、そのいいバレーをどれだけ勝つバレーに変えていけるかが鍵だし、それをずっと勝つバレーに変えてきたのが春リーグとか西日本の試合でした。そこは分かってきてると思うから、来年はそこを託して後輩たちには暴れてもらおうかなと思います。(4年間のバレー生活を振り返って)僕はアナリストという分析の仕事で、僕が関大バレー部初めてのアナリストでした。0から作るスタッフのポジションを開拓していくというところで、やっぱ周りの関西はアナリストがいなくてずっと手探りで始める毎日で、先輩にも後輩にも同期にも迷惑かけたし、お礼に関しては女子バレー部にも帯同させてもらって、岡田哲也監督とか、OBさん達とか、初めてのポジションのわりに、熱い気持ちにお金とか信頼とか投資してくれていて。そこには感謝しかないし、信じ続ける同期とか、自分もやっぱ成果で結果で返したかったです。インターハイ優勝した高校に帯同したこの勢いを関大に、秋リーグに持って行きたかったし、それを持ってこれへんかったっていうのは、結局僕の力不足でした。でも、逆にいろいろなところを開拓していろんな広がりを作って、それがだんだんつながり始めてきてるから、あとは後輩2人と来年1人アナリストが入るので、その3人に託します。自信を持って出ているので、4年間嫌なことしかなかったし、あまり笑えるっていうのはなかったけど、最後こうやって負けたときの悔しいの上に楽しかったって思えたのが財産ですし、他の学生とは違う濃い4年間を過ごさせてもらいました。これは社会に出ても通用するだろうし、関大バレー部で良かったなと思います。(後輩にエール)結果につなげるというのは口で言うのは簡単だけど、難しいと思います。でも結果を追い求めないと結果はついて来ないし、コツコツやるしかないです。ずっと僕が口酸っぱくみんなに言い続けてきたけど、シーズンを通して、バレーボールしながらずっとコンディションがいいということはないから、どのタイミングでいい状態を持ってこれるかを大事にしてほしいです。あとは、今の3年生に対しては全力で楽しんでほしいし、後悔のないように、僕が今日思った感情を1年後感じてもらえたらいいし、1、2年生はその背中を見てついていったらいいので、一つ一つ関大バレー部の歴史を作っていってほしいと思います。頑張ってください」
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