相手の雰囲気にのまれ、関カレは悔しい2回戦敗退
◇ 2022年度Phiten CUP関西大学男女選手権大会 ◇対びわこ大ほか◇11月19日◇芦屋大学◇
【トーナメント1回戦】
[第1セット]関大25―15びわこ大
[第2セット]関大25―13びわこ大
[セットカウント]〇関大2―0びわこ大
【トーナメント2回戦】
[第1セット]関大25―21大体大
[第2セット]関大20―25大体大
[第3セット]関大21―25大体大
[セットカウント]●関大1―2大体大
秋季リーグ優勝、府学優勝と、勢い良く突き進んできた関大女バレ。この代4つ目のタイトル獲得を目指し、関カレに挑んだ。びわこ大を相手に迎えた初戦は、終始相手を圧倒し快勝。しかし2回戦で、予想だにしない展開が訪れる。好調な相手の雰囲気にのまれ、普段通りのバレーが展開できない。第1セットは先取するものの、続く第2、3セットを落とし、悔しさの残る2回戦敗退となった。
初戦の第1セットは、日野美里(人3)の速攻で初得点を挙げた。直後には伊関万絢(まひろ=文1)のサービスエースや日野のシャットアウトも決まり、好調な出だしに。そして、岡崎凜華(人3)がサーブのターンに入ると勢いはさらに加速する。岡崎や伊関の力強いスパイクに相手のミスも重なり、4連続得点。相手はタイムアウトを取った。だがその後も、試合は関大のペースで進む。川上良江(文2)のブロックや黒田寛子(人3)の速攻、岡崎の軟打で得点していった。そして、8点の大差をつけてセットは終盤へ。ここからさらにスパートをかけた。伊関の勢いは止まらず、繰り返し鋭いスパイクを決める。黒田のブロックや速攻も、立て続けに決まった。この日リベロ起用となった嶺明華(人2)も、堅実なレシーブを披露する。勢いそのまま、10点差で第1セット先取に成功した。
ストレート勝ちを狙って迎えた第2セットでは、序盤から升谷未来主将(人4)・芦田幸音(安全4)がコートに立った。出だしこそ互角の戦いとなるも、徐々にペースをつかみ始める。升谷主将の隙を狙った軟打やクロス攻撃、伊関・日野のブロックポイントなどでブレイクを奪った。中盤では中屋ちひろ(人3)の強打や日野のサービスエースも飛び出し、終盤へ突入する。ここから吉岡和奈(法3)がコートインした。その吉岡がサーブのターンで、関大の得点劇が始まる。児玉光涼(文3)・川上のブロックや芦田彩音(人4)の丁寧なアンダーパスからの伊関のレフト攻撃、中屋の強烈なバックアタックなどが驚異の勢いで決まっていき、7連続得点。一気にマッチポイントにこぎつけ、そのままストレート勝ちで2回戦進出を果たした。
2回戦の相手は大体大。第1セット開始直後から、児玉がサービスエースを決める幸先のいいスタートとなった。その後は中屋のブロックや相手のミスで得点していくものの、序盤はやや押され気味となる。それでも岡崎の軟打やサービスエース、川上の速攻などで食らいついた。同点で試合を進めるも、中盤で相手がブレイク。3連続得点で2点差をつけられ、関大はタイムアウトを取った。切り替えた関大は、中屋のブロックアウトやブロックポイントでブレイクを奪い返す。逆転に成功し、終盤に突入した。林川涼(経3)がコートインすると、関大は流れをつかむ。相手がミスを連発し、先に20点台に乗せた。その後は伊関のシャットアウトや勢いあるスパイクでラストスパートをかける。セットポイントを握ったところで相手にブレイクを許してしまうも、タイムアウトを挟み落ち着きを取り戻した。最後は中屋の鋭いスパイクが決まり、見事第1セット先取となった。
そのまま勝ち切りたい第2セット。伊関の得点で先制するものの、その後まさかの展開となる。相手の鋭い攻撃や相次ぐサービスエースに圧倒され、5連続得点を許した。中屋が1枚ブロックでなんとかこの流れを切り、その後は互いに点を取り合う。鍋井識里(文3)がコートインすると、確実なレシーブを発揮した。相手の強打に素早く反応し、ネット際に上がったボールを児玉が押し込み得点。チームも喜びをあらわにした。長いラリーとなった際には、伊関が自らトスを呼び後衛からフェイントで相手を乱し得点。1年生らしからぬ技ありなプレーを見せつけた。しかし、後半で再び相手が流れを握る。得点を重ねるごとに勢いを増し、徐々にペースにのまれてしまった。児玉のツーアタックや日野の隙をついた速攻、岡崎の渾身のスパイクで得点するも、相手の勢いには歯止めがかからない。そのまま25点先取を許し、第2セットを落としてしまった。
取った方が勝ちとなる、25点マッチの最終第3セット。切り替えて反撃したいところだったが、序盤からまたもや相手が勢いに乗る。何度もブレイクされ、関大はいつものようにボールをつなぐことができない。中盤でもクロス攻撃やストレート攻撃を打ち分けられ、突き放される。9点の大差をつけられ、コートチェンジを迎えた。なんとか追い上げたい関大。伊関のレフト攻撃や日野のセンター攻撃で確実に得点していった。だが、相手の勢いも止まることはない。10点差で、先に20点台に乗せられてしまった。しかしここから、関大が意地を見せる。川上のシャットアウトや中屋のディグがそのまま相手コートに落ちるプレーでブレイク。その後も小刻みにブレイクを連発し、怒涛(どとう)の追い上げを見せた。先にマッチポイントを握られるも、そこから関大が5連続得点。21-24となり、全員が奇跡の逆転劇を願った。だが、そう簡単にはいかない。最後はスパイクが決まり、相手の勝利。関カレへの挑戦は、2回戦敗退という結果で幕を閉じた。
悔しい結果となったものの、このチームはここで終わりではない。29日からは、集大成の場となるインカレが待っている。今大会での結果をしっかりと受け止め、さらなる成長へとつなげる。そして、この代最後の試合となるインカレで笑って終われるように。悔しさを糧に強さを増し、全国の舞台で躍動する関大女バレの姿が楽しみだ。【文/写真:横関あかり】
▼升谷主将
「2回戦の反省をすると、相手の雰囲気に押されて自分たちのバレーをできなかったというのが一番の反省点です。関カレで負けてしまったというのはすごく悔しいけど、今のままではだめだということがもう1回分かったし、この負けを次のインカレにしっかりとつなげていきたいです。インカレにつながるように、また明日からの練習で課題と向き合ってやっていかないといけないなということがチームとして分かったことです。(1試合目、いつもと違うポジション起用の選手がいたが)いろんな子を使ってあげたいというのを、メンバーを考えている4年の子たちと一緒に考えていて。いろいろな場面で、少しでもコートに入るのと入らないのでは経験が全然違います。違うポジションにはなるけど、そこで頑張ってもらおうということで、普段の練習ではしていないんですけど、出てもらいました。(1試合目、自身のプレーは)私は元々ミドルで、ブロック要因で2枚替えで入れてもらっています。相手に1本ブロックアウトをされてしまったので、そういうところは絶対にゼロにして、ブロックアウトで点を取られるのではなくて、シャットアウトでブロックポイントをしっかり取るというのを、2枚替えで入ったときにはやっていかないといけないです。もう1回引き締めて、インカレではしっかり活躍できるように頑張っていきたいと思います。(インカレまでに強化したい点)今日は1人メンバーがいなくて、少し崩れてしまった部分はあったんですけど、関大としてやってきていることは一緒です。大体大との試合では結構打たれてしまったので、ブロックの徹底というのをもう1回やっていかないといけないです。あとは遠征でも経験したんですけど、関東の大学は高さもあるしパワーもあります。ブロックをしっかりついたとしてもその隙を狙ってしっかり打ってくるチームが多いので、ブロックの位置取りをしっかり修正していかないといけないんですけど、粘りのバレーというのをあと1週間、しっかり詰めていきたいなと思います。(インカレへの意気込み)もうあと1週間で始まるので、この悔しさをしっかりとインカレで発揮しないといけないし、この負けで立ち止まってしまうのではなくて、リーグよりももっと雰囲気を上げてしっかりと全員で戦いにいきます」
▼伊関
「自分たちのバレーをしようと言ってやっていたんですけど、それができなくて本当に悔しいです。自分的には結構調子は良くて、自分のやりたいこともできていたんですけど、それ以上に相手が雰囲気でのみこんできたかなという感じです。(自身の良かった点は)2段トスも今日は思い切り強く打てたかなと思います。相手を飛ばしたりとか、ブロックアウトとか、そういうプレーは良かったと思います。(改善したい点は)個人的にはスパイクを打ってばかりだったので、フェイントとか強弱をつけたプレーを増やしていくことです。チーム的には、今日は相手に雰囲気でのみ込まれて、好きなバレーをされてという感じだったので、逆に自分たちが出だしからきちんと攻めて、サーブも攻めて、自分たちで目を合わせてプレーができたらいいかなと思います。(インカレへの意気込み)インカレでは、相手も結構(身長が)高くなると思うし、やったことのないチームと当たると思うので、そのチームに早く対応したりとか、自分たちから挑戦したプレーを増やしていけたらいいなと思います」
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