◇第45回関関戦前哨戦◇対関学大◇5月28日◇たかつきアイスアリーナ◇
[第1P]関大2-0関学大
[第2P]関大2-0関学大
[第3P]関大2-1関学大
[試合終了]関大6-1関学大
新体制になり初めての公式戦。さらに関関戦。目の前の絶対に負けられない戦いにアイスホッケー部が挑んだ。結果は6-1の快勝。今年のチームの強みであるFWと、各ピリオド(P)2得点ずつ決めるほどの安定感で関学大を圧倒した。それでも、主将・GK加藤陸(社4)は「チャンスをしっかり決め切れていない」とチームを厳しく分析する。

昨年度、秋季リーグ14連覇を果たしている関大。王者としてのプレーを開始すぐから見せた。相手DF3人に対してFW根本慎太郎(情3)、FW嶋野瑛心(文3)の2人でGKに向かっていく。FW嶋野が緩く流したパックにFW根本が合わせ左からシュートするも枠外となる。また、攻めに限らず徹底した守りも欠かさない。壁をうまく使いゴールを狙う相手にも、DF鈴木郁也(情3)が引っ付いてシュートを阻止。昨年度は下級生だった3人が、上級生としての意地をプレーに表した。


2分にはこの日初めてのキルプレー(数的不利な状況)を迎える。相手にパックを支配されるが、ブルーラインから鋭いシュートを打たれたときにも、ゴール目の前に待機していたDF佐藤翼(法3)がスティックを使い相手の自由な動きを許さない。DF陣の奮闘で、無失点でキルプレーを乗り切った。劣勢を切り抜けると、今度はパワープレー(数的有利な状況)となる。得点の大チャンスをしっかりものにした関大。ゲームキャプテン・FW泉大我(人4)を擁する1セット目が中心となって猛攻を始めた。FW黒須誠眞(情2)が打ったシュートのリバウンドでFW泉がゴールしようとする。それも相手GKのブレードに当たり、2度ゴールを拒まれるが冷静に攻め続け、最後はFW佐々木隆弥(情4)がネットを揺らした。その後も5人対3人の有利な状況に。FW泉からDF熊谷天祐希(たかゆき=情4)、DF黒須とパスを通し最後はDF黒須がワンタイムシュートを放つなど、攻めの手を止めない関大。それでも、ゴールからわずか上にそれ、追加得点とはならなかった。





この日2得点目は第1P残り3分、ルーキー・岸上樂(情1)が挙げた。自ら円の真ん中に立ったフェースオフで関大パックにすると、ブルーライン付近でパスの相手を探っていたFW黒須にスティックの音でアピール。受け取ったパックをしっかりゴールの中に流し込んだ。その後の第1P残りの時間も危ない場面を作ることなく、パックをキープする。2点リードで第2Pに臨んだ。

第2Pはパワープレーで幕開け。相手GK左に集中しパックを回し合う。ゴール裏でFW山根早加(社2)が相手のパックチェックに動じずFW泉に渡し切ると一気にGK目の前へ。ゴールラインを割ったかのように見えたが、相手の防具により弾かれてしまう。しかしその3分後、フェースオフから1度は相手のパックになったものをDF熊谷祐が取り返し再びアタッキングゾーンに戻す。巧みなパスワークでFW山根の手に渡ると、相手DF2人を抜き3得点目を手にした。開始7分にはキルプレーに。相手の速さに付いて行けず、守りがGK加藤主将のみとなるシーンもあったが、ここで止めるのが主将。全身を使いチームを失点から守った。第2P折り返しには、今度はゲームキャプテンが魅せる。縦に激しく動いていたパックをFW佐々木が獲得。そのままシュートを打つがこれはゴール横となる。今度はFW泉がフリーの状態でシュート。相手と1対1の緊迫した展開を制し点差を4に広げた。


迎えた最終P。GK加藤に代わり、GK佐藤希(経4)がリンクに立った。交代後つかの間のキルプレー。早速緊張高まる戦況だ。そしてその不安は現実となる。相手に目の前に立たれ、前が見えない。左にからの速いシュートに対応できず、失点を許してしまった。それでも、その後すぐにFW根本が追加点。さらには、FW嶋野もパックを保持したままリンクの端から端まで駆け抜けた末にゴールする。失点にダメージを受けることなく、かえってパワーに変えスコアを重ねた。6-1で試合を終える。

第3Pのシュート数は関学大9に対して関大は10と、伸び悩んだ。それでも、昨秋は関学大相手に2得点しか奪えなかった試合もあっただけに、今回の5点差勝利は収穫だ。6月にはトーナメント戦に挑む。それまでにさらに強くなる姿から目を離すな。【文:木原綺音/写真:吉田千晃】

▼GK加藤主将
「(今年のチームについて)メリハリのあるチーム。遊ぶときは遊び、ふざけるときはふざける。でも、まじめにやるときはまじめにやるし、本気でやるときは本気でやるメリハリのあるチームだと思っている。あとは自立して、自分たちで何が悪かったなど、コーチで言われる前から選手たちで考えられるところが良いところ。(今日も考えられていた?)はい、試合中にもしっかりコミュニケーションを取っていて、『時間を考えてプレーしよう』とか『チェンジ来てるよ』など、細かい言葉なども選手間で出ていたのでいい方向に向いていると思う。(P間で話し合ったこと)1P終わりにはペナルティケアをしようということを話した。2Pは4-0で結構差がついていたけど、まだまだ足りないからどんどん点数を決めて、無失点で終わろうと話していた。(GKから見た今日の試合の様子はどうだったか)最初のパワープレーで点数を決めることができたから気がほぐれてやりやすかった。そこから追加点もどんどん入っていったので得点のペースが良かったと思う。でも、5人対3人のパワープレーもあった中で、チャンスを決め切れなかった点はFWの欠点だと思う。DFは選手層が薄いので、『簡単にやろう』といつも言っていて、今日はその言葉通り簡単にできていたと思う。でもまだまだ物足りない。(今日のNo.1プレーヤーは?)FW山根で。1点目のパスもFW山根だし、得点に絡んでくるプレーをしてくれることはGKにとっても安心感が持てる。スコアリングチャンスでしっかり決められる面に関してはいいと思う。(次戦に向けて)チームの状況は上に向いているけど、まだまだ足りないと思うので、これからは細かいところも突き詰めて2桁勝利ができるぐらい関西では圧勝したい」
▼FW泉ゲームキャプテン
「(今年のチームについて)アシスタント2人とチームキャプテン、僕を中心に盛り上げていけていると思う。プレー面では、FWが去年から抜けていないので、去年と変わらず質の高い攻めができていると思う。(相手の関学大について)僕が下級生のときに比べて上手な選手がいるので、あなどれないと思っていた。(試合を振り返って)攻撃力という部分で、シュート数の割には点数を取れなかったけど、3Pまで無失点で6点取れているので内容的には良かったと思う。(今日のNo.1プレーヤーは?)FW山根とGK加藤です。個人的に今日は良くなかったと思っていて、でもそれをカバーしてくれたのがFW山根だった。ありがたい。GK加藤は無失点なので良かったと思う。(次戦「向けて)今日シュートを60本打った中で6点しか取れなかったので、それぐらいシュートを打っているなら10点以上は取れるようにしたいとの3Pに失点したので、そこを0で抑えられるようにしたい」
▼FW佐々木
「(今年のチームについて)FWが1セット目から3セット目まで層が厚くて、ガツガツホッケーだと思っている。(相手の関学大について)関関戦のときにいつも関学大は調子を上げてくるので、競る試合だと予想していた。(ゴールシーンを振り返って)FW山根がいいところにパスをくれたのが、打つだけという感じだった。(今日のNo.1プレーヤーは?)GK加藤です。無失点で抑えてくれたし、GKからの言葉もあったので、チームに勢いもついた。(次戦に向けて)自分たちのホッケーを最初から最後までしていきたい」
▼FW山根
「(どんな気持ちで関関戦に挑んだか)結構緊張していたが、加藤さん(=GK加藤)が円陣で盛り上げてくれたので、勢い良く初めからいけたと思う。(アシスト、ゴールシーンを振り返って)アシストは、泉さん(=FW泉)からパスをもらって中を見たら佐々木さん(=FW佐々木)がフリーだったので、そこに出した。それは少しそれたけど、佐々木さんがうまく合わせて決めてくれた。得点のシーンも、佐々木さんが中入るときに落としてくれたので、DFとの間にギャップができて抜けることができた。(反省点)体力が足りないと思う。味方がパックを打ったときに走れなかったところがあった。(次戦に向けて)相手に関大勝てるなと思われないように、がんばっていきたい」
▼FW岸上
「(1年生から見て関大はどんなチームか)FWのメンバーがそろっていて、攻めが強い印象。(入学後の試合を振り返って)最初から油断せずに得点を重ねていけたことが良かったと思う。(良かった点について)1年生らしくどんどん走って、当たって得点にも絡めたので良かったと思う。(ゴールシーンを振り返って)ゴールに集めようと思って打ったシュートがたまたま入った感じ。(反省点)1点失点しまったこと。集中力が足りなかったと思う。(次戦に向けて)仲間とコミュニケーションを取って、攻めだけじゃなくて守りも頑張る。これからもどんどん得点を取っていきたい」
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