◇第25回西日本学生選手権大会◇4月26日◇丸善インテックアリーナ大阪◇
【男子】準優勝
【女子】3位
【技能賞】籠谷
新たな1年が丸善インテックアリーナで幕を開けた。3年ぶりに開催されるここでの西日本団体戦。伝統あるこの地で男女ともに優勝する日を植田甫空杜(ほくと=法4)主将率いるチームは待ちわびていた。念願を実現するべく健闘したが、結果は両者頂点とはならず。西日本制覇は来年に持ち越しとなった。
優勝を目指す関大にとって、初戦はたやすく勝利したいところだ。しかし、大商大が引けを取らない実力を見せてくる。先鋒として登場したのは大平翼生(社4)。ジャブをしながら相手との距離を保ち、好機を探るものの1本を奪えるチャンスがなかなかやってこない。そのまま試合時間3分の半分が過ぎると、相手に警告が。大平優勢のまま先制の1本を取りたかったが、ベルが鳴る。引き分けとなり次鋒・井内将義(経4)にバトンを渡した。井内は、開始1分間相手の上半身を狙うが、かえって守りのツメが甘くなり1本目を許す。反撃すべくさらに果敢に攻めるが、押さえ込み面突きを食らい敗北を喫した。全国準優勝校の関大がまさかの風下に立つ展開。そんなとき、マットに上がったのは三峰・籠谷郁吹(経4)だ。体格が似た相手から1分46秒で1本を取ると、その後すぐに2本目も奪い、大商大と同点に戻した。ここから籠谷の勢いは止まらない。相手三峰に鋭い面突きを繰り出すと、次の中堅にも面突きで圧倒し3人抜きを果たした。だが、自身4人目との戦いでは疲れも出だしわずか1分で終了となった。その相手には桑原良弥(商4)も歯が立たず。昨年度から即戦力として活躍してきた三将・長谷川元望(法2)に任された。引き分けで相手と同様にマットを後にすると、あとは相手は大将残り1人となった。副将・川内宝(商3)なら瞬殺だと誰もが思っていた相手。しかし、面横蹴りや押さえ込み胴突きなど、バリエーションに富んだ技で黒星を喫してしまった。関大も残されるは植田のみ。初戦敗退が危ぶまれたが、持ち前の実力で2本先取を決めた。
初戦からシーソーゲームを繰り広げた関大。2回戦の大市大戦は桑原の3人抜きなどの健闘により4人で倒し、準決勝に駒を進めた。準決勝は関学大と対峙(たいじ)。先鋒として登場したのは、初戦から遺憾無く発揮した籠谷だ。わずか22秒で面突きをするなど、その勢いは準決勝でもブレーキが止まっていない。2人、3人と倒していく。しかし、歯止めがかかってしまったのは4人目との一戦。半分の時点で、面突き1本を許すと、2本目もつまずいた拍子にそのまま押さえ込み面突きをされてしまい、ここで姿を消すことになった。籠谷のあだ討ちをすべく、ルーキー・寄川虎太郎(法1)が登場した。胴突き1本を奪ったものの、面蹴り1本を取られ1-1に。それでも、足をしっかり動かし相手に詰め寄る。時間を半分しか使わず、大学初勝利を果たした。このまま次の相手も倒したかったが、終始場外付近に誘導され敗れてしまう。続く井内も同様、試合を回収され、長谷川に任せることに。2分間、試合が動かないまま残り1分となる。このまま終われまいと、長谷川は組技を仕掛ける。それは奏功しなかったが、残り36秒、さらには残り1秒で2本目を決め白星を挙げた。この勝利はチームの勝利ともなり、決勝進出をつかんだ。
男子決勝が行われる前に女子が開始。シード枠の関大は大市大を迎える。先鋒・益岡莉子(社1)は今大会が大学初めての試合となるが、それを感じさせないほど積極的に攻めていく。だが、面蹴りを1度食らうと同時に勢いも奪われ、そのまま勝利を渡してしまった。黒星スタートの関大だったが、次鋒・鈴木綾華(文2)が巻き返す。開始すぐ12秒で胴蹴りを繰り出すと、冷静なプレーで再び胴蹴り。1ー1となった。ここで負けると敗退となる関大。しかし、心配は無用だ。大将・福山莉央(文4)は全日決勝でも強豪相手から勝利を奪った実力者。マットに登場するやいなや、相手を引っ張り胴ひざ蹴りをする。それを2度繰り返し、すぐ福山の勝利が決まった。結果も2-1となり、関大の勝利となった。
続いて当たったのは立命大。全日団体を2連覇する強豪校だ。先鋒、次鋒戦ともに相手の強さに脱帽してしまい、負けが確定したまま福山に襷が渡る。それでも、強いフックで2度面を突き関大の意地を見せつけた。3位決定戦に回ると、そこには全国3位京産大が待っていた。益岡が涙を飲み鈴木に託すと、強い蹴りで相手をあっさり破る。再び負けられない形で福山にやってきた。1本を先取した直後に返されるが、焦らず試合を支配していき、2本目を先取し、チームを勝利へ導いた。
女子の健闘を見た男子。次は自分たちが魅せるときだ。相手は昨年王者・龍谷大。一進一退の試合展開が予想された。その予想通り、序盤は関大が有利に動いていくが、三将・長谷川がマットを去った時点で劣勢に。関大が4人、龍谷大が3人出ている状態で副将・川内が挑んだ。今まで3人が負けてきた相手に面突き2本を放つ強さでチームのピンチを救った。だが、次の相手には勝利することができず。植田が3人を倒さなければ優勝はつかめない状態となった。期待に応えるべく、植田も持ち前の組技で相手を倒すが、その際にひざを負傷してしまう。無念の棄権となった。
2本を奪われて敗北ともならなかった。悔しい締めくくりとなった今大会。しかし、1年始まったばかり。全日団体優勝に向かって、拳法部は今後も稽古を重ねてゆく。【文・写真:木原綺音】
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