◇2022年度関西大学連盟春季リーグ戦第5日◇対芦屋大◇4月23日◇
[第1セット]関大25―23芦屋大
[第2セット]関大24―26芦屋大
[第3セット]関大25―19芦屋大
[第4セット]関大20―25芦屋大
[第5セット]関大15―10芦屋大
[セットカウント]〇関大3―2芦屋大
第1戦で白星を挙げて以来、悔しい敗戦が続いていた女子。この流れから脱却すべく、第5戦は芦屋大を相手に一戦を交えた。接戦となる第1セットを先取するも、第2セットはデュースの末敗れる。第3セットは関大のペースに持ち込み奪取に成功。しかし続く第4セットは序盤から相手にペースを握られる。運命の第5セットで再びペースを取り戻し、フルセットの末勝利をつかみ取った。
第1セット、相手のブロックポイントと関大のミスで開始2連続得点を許す。その後、関大は相手のミスで初得点を挙げた。直後には、仕返しをするかのように日野美里(人3)のブロックが決まる。立ち上がりは、互いに点を取り合う形となった。しかし、試合はすぐに動く。中屋ちひろ(人3)のコート奥を狙ったストレート攻撃が決まったことを皮切りに、関大は波に乗った。川上良江(文2)のワンタッチを狙ったスパイクや伊関万絢(まひろ=文1)の鋭いスパイク、さらには相手のミスも重なり、6連続得点に成功。相手はたまらずタイムアウトを取った。この判断が功を奏し、タイムアウト明けには相手が2度の3連続得点を決める。広げた差を一気に縮められ、ここで関大もタイムアウト。冷静さを取り戻した。その後は鍋井識里(文3)の的確なディグからの中屋のクロス攻撃、日野のブロック、伊関の軟打などで順調に得点していく。しかし、4点のリードで先に20点台に乗り、セット先取が見えた時、相手が反撃に出た。コートの隙をついた攻撃やブロックアウトなどで、ブレイクを連発。徐々に差を詰められてしまう。それでも、内田千晴(人1)が相手を吹き飛ばすほどの渾身の攻撃を繰り出し、関大も得点。最後は長いラリーが繰り広げられたが、伊関がレフトから強打を決め、ラリーを切る。2点のリードで、第1セット先取となった。
勢いそのまま取り切りたい第2セット、先制点を挙げたのは関大。児玉光涼(文3)のサーブで崩し、内田がレフトから強烈な一撃で決める。その後序盤は、サイドアウトを取り合う接戦となった。中盤には中屋の正確なラインジャッジや日野のクイック、川上がレシーブしたボールを自ら打つなどして点差を広げていく。児玉・日野の2枚ブロックが決まる場面も見られた。しかし、相手はまたも終盤で勢いづく。コートの穴にうまく落とす攻撃やクロス攻撃が相次ぎ、完全に相手のペースに。関大は、日野や川上などのミドル陣をうまく利用した速い攻撃で食らいついていった。デュースにまでもつれ込む接戦となったが、最後は関大のコートにボールが落ちる。第2セットを落としてしまい、ストレート勝ちへの道は絶たれた。
切り替えて臨んだ第3セット。またもコートの隙をつかれ、先制点を許す。その後、序盤は相手のミスによる得点を重ねた。拮抗(きっこう)した展開だったが、鍋井がコートインしたことをきっかけに関大が仕掛ける。レフト側からのストレートやセンターからの強烈なスパイクなどで、内田が得点を量産。さらに日野のAクイックや鍋井の執念のレシーブ、中屋のクロス攻撃などが次々と決まり、リードを奪った。内田の強打を相手が何とかレシーブするも、関大のコートにボールが返り川上がダイレクトで真下へたたき込むなど、インパクトのあるプレーも見せる。その後も終盤までリードを保ち、最後は伊関のブロックが決まる。6点差で、第3セットを取り返した。
このまま取ってしまいたい第4セットだったが、序盤から相手にペースを握られる。サービスエースを含む開始3連続得点を決められ、内田の強打で何とか点を返すも直後に再びブレイクを許す。意表を突いたツーアタックも決められ、序盤から苦戦を強いられた。この流れを変えるべく、鍋井がコートイン。これをきっかけに、関大が調子を取り戻した。内田のブロックやクロス攻撃、さらには鍋井のサービスエースで同点まで追いつく。直後には相手の強烈なスパイクやノータッチエースが決まるも、内田の2段トスを中屋が打ち切るなど連携も崩れない。ここから巻き返しと思った矢先、再び相手にペースを奪われた。2度目のノータッチエースやシャットアウト、追い打ちをかけるサービスエース。淡々とした得点ではなく、チームを勢いづける得点を量産されてしまう。何とか食らいつこうと終盤にかけて内田を中心に猛攻するも、流れは簡単には変わらない。20-25でこのセットを落とし、勝敗は第5セットに委ねられた。
取る以外の選択肢はない第5セット。しかし2連続サービスエースを決められ、開始3連続得点を許してしまう。15点マッチの第5セット。序盤から差をつけられることは避けたい関大は、早々にタイムアウトを要求した。タイムアウト明けには、日野がクイックで相手を乱し得点。その後は中屋がコースの打ち分けを器用にこなし、得点を重ねる。日野のワンタッチを取るスパイクや川上のライン際を責めたクロス、内田のブロックアウトなども順調に決まり、逆転に成功。先に8点を取り、コートチェンジとなる。後半になると、もう流れは関大のものに。相手を吹き飛ばす内田のスパイクや日野のダイレクト、中屋のブロックなど、勢いは止まらない。そのまま追いつかれることはなく、15点目は中屋のブロックアウトで得点。見事フルセットに及ぶ激戦を制した。
連敗を断ち切る貴重な白星を挙げた関大女バレ。「全員でしっかり粘って取り切れたというのは今日の良かったところ」と、今回けがで出場できなかった升谷未来主将(人4)は振り返る。リーグも明日で折り返し地点だ。今日の勝利を引き金に、今度は連勝を目指す。まずは明日の関福大戦。今日の勢いそのまま、ストレート勝ちを目指す。【文:横関あかり/写真:松尾有咲】
▼升谷主将
「本当は自分が入っていつも通りやるパターンだったんですけど、昨日からけがの方が結構痛くなってしまって。急遽だったんですけど、ちひろ(中屋)が入ってそこで頑張ってくれて、最終的にはフルセットで取り切れたことは良かったです。ストレートで取り切りたかったというのはあるけど、最終的に15点も全員でしっかり粘って取り切れたというのは今日の良かったところだと思うので、それをしっかりと明日の勝負につなげていけたらいいなと思います。(苦しい場面でタイムアウト中にかけた言葉は)練習の中でも、5点差とかからスタートして相手の方に有利な展開で、自分たちが0対5から始まるという練習もしてきました。それもしてきたし、5点差がついたとしてもしっかり練習の中で勝ち切ることもできているから、それはしっかり自信を持って、全然まだまだいけるよと声かけはしました。あと、一人一人で頑張るんじゃなくて、みんなで粘って取りに行いこうという話はずっとしていました。(今日勝ち切れた要因)一人一人が頑張ってくれたというのもあるんですけど、やっぱり粘りとかってなってくると、1人だけが頑張っても取れないボールもあります。(第5セットの)15点の時は自分たちが全員で粘って取って、1本目を頑張ってつないで、3本目もしっかり決め切る。3本の中でしっかり全員で取り切れたというのが結構大きかったかなと思います。(明日への意気込み)大事な一戦でもあるので、まだまだリーグは続くんですけど、一戦一戦をしっかり戦って、誰が出ても関大らしいバレーを展開できるように。自分は多分(けがで)出られないと思うんですけど、しっかり外からでも、声かけとか、チームにしっかりキャプテンらしいことをして勝利に導けたらいいなと思います」
▼中屋
「勝てて良かったなというのが感想で、自分自身昨日からメンバーに入らせてもらって、これまでの試合を振り返っている中で(関大)Aチームの方が完成度が上がってきているなという時に、自分が入ってチームのいい雰囲気を壊してしまわないかなという不安もありました。でもやるしかないので、それが結果としてつながって良かったかなと思います。(自身の調子は)自分自身はやらなあかんみたいになってしまったら、結構ネガティブな感じになってしまって、何もできないってなってしまう。いつも通りにやるしかなくて、がむしゃらにやるだけだと思ってやったので、調子は良かったかなと思います。(苦しい場面に気持ちを落とさないために心がけたこと)「負けている」みたいに重く思ってしまったら、絶対にメンタルもやられてしまうので、冷静に「全然いける」みたいにそういう気持ちで常にやっていました。(明日への意気込み)明日からもまだまだリーグが続く中で相手がどうこうというより、自分たちの目標もそうなんですけど、挑戦者という気持ちがやっぱり大事だなと思います。挑戦者らしく、どんな1点でも相手から取ったんだという気持ちでやっていきたいなと思います」
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