◇ 第90回全日本フィギュアスケート選手権大会 ◇12月23日◇さいたまスーパーアリーナ◇
[女子ショートプログラム(SP)]
21位 白岩 56.93
28位 森下 48.37
ついに開幕した全日本選手権(全日本)。関大からは男子3人、女子2人が出場する。大会1日目は女子ショートプログラムが行われた。
大学入学前に全日本に出場して以来、この舞台にたどり着けなかった森下実咲(人4)。ラストシーズンの今年、4年ぶりの全国出場を手にした。だが、大会2週間前に腰を痛め思うようにジャンプの練習ができず、不安の残る中本番を迎える。それでも、「出場できたからにはどんな結果であろうと楽しもう」と笑顔でスタート位置についた。
ステップシークエンスから始まる今シーズンのプログラム。華やかな曲に合わせ、長い手足を生かした大きな滑りを見せる。その流れで、3回転トーループ+2回転トーループを成功させると、フライングシットスピンではレベル4を獲得。3回転サルコーは回転不足と判定されるも着氷し、質の高いダブルアクセルで会場を沸かせた。大きなミスなく演技を終え、「久しぶりの大舞台ですごく気持ちよくて、やっぱり楽しい舞台だなと感じました」と晴れやかな表情を見せた。
注目選手が多数集まる第4グループ2人目に登場した白岩優奈(文2)。しなやかで美しい滑りから始まり、流れのまま冒頭のダブルアクセルをしっかり着氷する。幸先の良いスタートを切った。しかし、次の3回転ルッツで転倒してしまう。なんとか立て直したい所だが、ここで見事な切り替えをみせた。先ほどのジャンプを挽回する美しいシットスピンを披露すると、勢いそのままに3回転ループ+2回転トーループも華麗にきめる。その後は力強い曲調に合わせ、全身を使ったダイナミックなステップシークエンスと足換えのコンビネーションスピンで観客を魅了した。演技終了後は少し悔しそうな表情を見せたが、笑顔でおじぎをし、リンクを後にした。
最終順位は森下が28位、白岩が21位となり、白岩のフリー進出が決定した。今後、男子SP、ペアSPと関大の選手がまだまだ登場する。各自が力を尽くして全国の強敵に立ち向かっていく。【文:森本明日香・松尾有咲/写真:森本明日香】
▼森下
「全日本に行きたいという気持ちがすごく強い中、4年間、大学生になってから全日本選手権に出場できていなかったので、ラストシーズンで出場することができてすごくうれしい気持ちです。久しぶりの大舞台ですごく気持ちよくて、やっぱり楽しい舞台だなと感じました。(本番前に本田武史コーチと話したこと)2週間くらい前に腰を痛めてしまって、ジャンプの練習を始めたのが1週間前からだったという中で、ちょっと不安な状態だったんですけど、その中でも自分自身ができることをやってきたんだから、どんな結果になってもあと1年という決められた時間しかないので、引退して自分が振り返ったときにあの演技よかったなと悔いの残らないように頑張っておいでと言われて、楽しむことができたかなと思います。正直不安ばかりで、練習ができていなかった中、本当に出れるのかなとすごく心配だったんですけど、出場できたからにはどんな結果であろうと楽しもうと思っていました。ラストシーズンで全日本に出場できたことが一番良かったので、その気持ちをかみしめながら滑ることができました。(卒業後のスケートとの関わりについて)卒業後はフィギュアから離れて、一から社会に出ようかなと考えています。(関大のチームメートとの関係)関大スケート部というのは、一般部員と私たち選手権とは練習時間が分かれているんですけど、月に1回合流して練習する時間があったり関わる時間があります。強化選手がたくさんいて私以外にも後輩で上手な選手がたくさんいる中、普段の練習からすごく私のことを頼ってくれますし、私も頼れる後輩だと思っているので、それぞれがだめなときでもいいときでも、仲良くアドバイスしながら練習しているかなと思います」
▼白岩
「(今日のショートを振り返って)今シーズンは全日本に向けてスタートがだいぶ遅れたので、練習したから大丈夫だって思えるような演技があまりできてなかったんですけど、そうなったのは自分のせいですし、こういうせっかくの後半の枠で恥ずかしい演技をしてしまったというのは本当に情けないと思いますけど、それは自業自得だし、それでもフリーに残れるということなので、とりあえずよかったかなと思います。(2つ目転倒、3つ目成功したジャンプについて)不安から跳び急いでしまったというのが原因だと思うので、練習では跳べてた分やっぱり悔しいというのはあるんですけど、まだフリーが残っているので、フリーでは同じ失敗をしないように気持ちを切り替えて頑張りたいと思います。(今のコーチは本田武史コーチか)11月の末から本田先生です(どういう理由からか)私も関西大学の学生ですし、やっぱり拠点は関西大学で、でも濱田先生(=濱田美栄コーチ)は木下(アカデミー)で頑張っていらっしゃるので、本田チームにお誘いいただいて、関大を拠点としている本田先生のところでお世話になりたいと思ったので教わりました。(全日本の準備が遅れた理由について)ちょっと前からいろんなことに対して悩んでいて、誰もが悩む時期があると思うんですけど、私にもそういう悩む時期がありまして、いろいろ悩みながら西日本選手権までは3、4ヶ月はずっと一人で練習していて、それでも全日本に出場が決まったので、やっぱり一人で練習というのはすごくメンタル面的に不安が大きいので、一緒に頑張ってくださる安心できる場所っていうのを見つけるための時間が必要だったので、そういったことで全日本に向けての練習のスタートが遅かったという感じです」
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