完封勝利で優勝!神宮まであと1勝

◇令和4年度関西学生秋季リーグ戦第8節◇対関学大2回戦◇10月23日◇わかさスタジアム京都◇
関学大 000 000 000=0
関 大 000 400 00X=4
(学)執行、鈴木也、樋口-佐藤海
(関)鷲尾昂-有馬
1(中)中井颯
2(三)下井田
3(左)岑
4(一)上神
5(遊)髙田幸
6(右)三杉
7(二)佐藤
8(捕)有馬
9(投)鷲尾昂
勝てば優勝という大一番。リーグ最終節の関関戦1回戦は完封勝利で辛勝した。関大は序盤からチャンスをつくるが、なかなか決めきれずにいた。だが、4回に打者一巡の猛攻で4点をつかむ。一方、先発の鷲尾昂哉(経4)は終始安定したピッチングを披露。関学大打線をわずか3安打に抑える。そして9回、最後はフライに打ち取り、見事勝利。2季ぶり39回目の優勝を手にした。

先発のマウンドに上がった鷲尾昂は先頭打者に内野安打で出塁を許す。しかし、その後の打者にはカウントこそ悪いもののしっかり抑えて無失点の投球を見せる。

関大打線は早くも2回にチャンスメーク。上神雄三主将(法4)が死球で出塁する。続く髙田幸汰(商3)は送りバントを試みるが、二塁に送球され走者が入れ替わる形に。さらに、三杉彪真(人3)が初球を引っ張り左安打を放つと、佐藤慶志朗(経2)の打球は二野選となり、2死一、三塁のチャンス。ここでこの日8番となった有馬諒(商3)に打席が回る。インコース高めの球はまっすぐ飛ぶが、惜しくも二直。無得点でこの回を終える。





3回には、下井田悠人(経1)が敵失で出塁すると、岑幸之祐(社3)が右安打で続く。だが、下井田の強気な走塁は刺殺となり、好投を続ける鷲尾昂を援護することができない。


すると4回。1死から髙田幸が右安打を放つと、三杉もこの日2本目の安打でチャンスを拡大する。1死一、三塁の場面で佐藤が打席に立つ。打球は遊撃手の元へ飛び、これが適時内野安打に。待望の先制点を奪う。次に打席に入った有馬は死球を受け、満塁とする。鷲尾昂は三振に倒れ2死となるが、続くは前日猛打賞の中井颯良(政策3)。初球を低い弾道で弾き返し、2点を返す。さらに、下井田も初球を思い切りスイングして1点追加。相手先発を打ち崩した。


4点の援護を受けた鷲尾昂は5回以降さらにギアを上げる。8回まで、許した安打は内野安打の2本のみと、圧巻の投球。8回表も打席に立ち、4球粘った末に左安打で出塁するも追加点は奪えず。4点リードで最終回のマウンドへ上がる。
クリーンナップから始まったが、3、4番を難なく打ち取る。だが、あとアウト1つのところで痛恨の四球。さらに、この日初めて外野への安打を許し、2死一、二塁に。球場にいる全員が固唾(かたず)を呑んで見守る中、投じた3球目は真っ直ぐ打ち上がる。捕手・有馬がミットに収めた瞬間、関大ナインは拳を握りマウンドへ集まった。マウンドに集まったメンバーは「1」を掲げ、優勝の喜びを分かちあった。

全員でつかみとった優勝。この勝利は優勝を決めただけでなく、関西学生野球連盟での500勝目を達成した勝利でもあった。目標の神宮まであと1勝。昨秋の悔しさを晴らし、必ず聖地に立つ。【文:上田紫央里/写真:上田紫央里、荒川拓輝、石井咲羽】
