フルセットの末、帝塚山大に勝利!リベンジ果たし、残り2戦も突き進む

◇2022年度関西大学連盟秋季リーグ戦第8日◇対帝塚山大◇10月16日◇於・神戸親和女子大学◇
[第1セット]関大25―22帝塚山大
[第2セット]関大25―23帝塚山大
[第3セット]関大19―25帝塚山大
[第4セット]関大17―25帝塚山大
[第5セット]関大15―11帝塚山大
[セットカウント]〇関大3―2帝塚山大
前日、武庫女大を相手にストレート勝ちを収めた関大女バレ。第8日は、帝塚山大と相まみえた。昨秋リーグ優勝、春季リーグ準優勝と、高さとパワーを武器に確かな実力を誇る相手。春季リーグ、西カレ、秋季1次リーグと対戦を重ねてきたが、1度も勝利を果たせたことはない。連勝記録を伸ばしている関大。この勢いのまま勝ち切るべく、満を持して挑んだ。出だしから雰囲気良く得点を重ね、第1、2セット連取に成功。しかし相手も簡単には勝ちを譲らず、第3セット奪取を許す展開に。そのまま第4セットも落としてしまい、試合はフルセットとなった。運命の第5セットは立ち上がりこそつまずくものの、徐々に自分たちの流れに持ち込む。このセットを取り切り、リベンジを果たす貴重な1勝を挙げた。


第1セットは、伊関万絢(まひろ=文1)の勢いあるスパイクで先制に成功。さらに直後には、伊関のサーブがネットインとなりサービスエースを奪う。チームはいきなり盛り上がりを見せ、好発進となった。その後は中屋ちひろ(人3)や内田千晴(人1)の攻撃で得点を重ねた。伊関のバックアタックも豪快に決まり、2点のリードでセットは中盤に差し掛かる。伊関のスパイクで10点目を挙げると、直後にはノータッチエースを繰り出した。さらに中屋のレシーブから日野美里(人3)がダイレクトでたたきつけるなど、3連続得点に成功。4点差がついたところで、相手はたまらずタイムアウトを要求した。タイムアウト明け直後は相手にブレイクを許したものの、完全に流れを渡すことはない。日野のCクイックや内田のレフト攻撃などで仕掛け、関大も点を重ねた。川上良江(文2)がサーブで相手を乱し得点につなげると、点差は5点に開く。相手は再びタイムアウト取った。切り替えた相手は、タイムアウト明けに3連続得点を挙げ追い上げを見せる。鍋井識里(文3)や児玉光涼(文3)が確実にボールを捉えるディグを披露するも、最後は決められてしまう。相手を流れに乗せる前に、関大もタイムアウトを取った。セットは終盤に突入し、相手の勢いに押され気味になる。それでも日野の相次ぐ速攻や、川上の隙をついたプレーで得点。逆転を許すことなく逃げ切り、3点差で第1セット先取に成功した。



勢いに乗りたい第2セットは、日野の速攻で先制。直後には、中屋の取りにくい場所を狙った返球が得点となった。そして中屋が3連続で攻撃に入り3点目をもぎ取ると、ここから相手のミスが相次ぐ。川上のスパイクでの得点も重なり、立ち上がりからリードする展開となった。さらに、第1セットから勢いを見せる伊関。第2セットでもその勢いが止まることはなく、2段トスを決め切った直後には1枚ブロックでシャットアウトに成功した。わずかなリードを保ったまま迎えた中盤だったが、ここで相手に3連続得点を許してしまう。逆転され、タイムアウトを取った関大。しかしその後は勢いを取り戻し、伊関のブロックアウトを中心に得点を量産した。芦田彩音(人4)もブロックフォローを相次いで発揮し、得点へとつなげる。その後も互いにサイドアウトを取り合い、同点で終盤を迎えた。セット終了までどちらが取るか分からない接戦。しかし、最後に勢いに乗ったのは関大だった。この日活躍の光る伊関が、ここでも躍動する。強烈なレフト攻撃で23点に並ぶと、エンドラインギリギリを狙ったスパイクが続きブレイク。セットポイントをものにした。そして、決定力のある渾身のスパイクで関大に25点目をもたらす。チーム、観客ともに盛り上がりを見せ、第2セットも取り切った。


勝利へ王手をかけた第3セット。内田のバックアタックや日野のブロックポイントがさく裂し、開始4連続得点に成功した。その後も中屋のセンター攻撃や内田のスパイク、相手のミスも重なり、序盤から6点差をつける展開に。焦りを見せた相手は、ここでタイムアウトを取った。切り替えた帝塚山大は、ここから猛追を仕掛ける。隙をついたスパイクなどに反応できず、一気に2点差まで縮められてしまった。それでも、児玉がネット際に上がったボールをワンハンドで上げ、川上が速攻をたたき込むなど器用なプレーを発揮。しかし徐々に相手が調子を取り戻し、中盤で同点に追いつかれてしまった。1度流れを渡すと、もう止められない。中屋や内田の勢いあるスパイクで得点するも、相手は4連続得点で逆転に成功。なんとか流れを止めようと、関大はタイムアウトを取った。直後には、中屋・川上のブロックポイントが決まる。そして1点の後を追う形で、セットは終盤へ突入した。どちらが取ってもおかしくない点数だったが、流れをつかんだのは帝塚山大。ブロックアウトで20点目を挙げると、関大のバタつきによるミスも相まって瞬く間に25点を奪われる。ストレート勝ちとはならず、セット奪取を許してしまった。


取り返したい第4セット。しかし、出だしから勢いづく相手はいきなり3連続得点を挙げた。内田が隙を狙ったスパイクで得点し、なんとかサイドアウトに成功。中屋のブロックポイントがこれに続いた。だが、その後も相手に追い風が吹く。升谷未来主将(人4)がコートインし巻き返しを図るも、相手の勢いには歯止めがかからない。4連続得点で倍の点差をつけられ、関大はタイムアウトを要求した。タイムアウトが明けると、ラリーは安定しだす。伊関や中屋の攻撃で得点を重ね、その後は内田が存在感を発揮した。鋭いスパイクで連続得点し、長いラリーを制するブロックポイントも飛び出す。広い視野で隙をついた軟打もおり交ぜ、2点差にまで詰め寄った。終盤に突入し、守備力強化を狙って林川涼(経3)を投入。だが、第3セット同様、相手はラストスパートをかけてきた。高い打点からのプッシュや勢いあるスパイクに押され、相手を止めることができない。8点差で、このセットも落としてしまった。




運命の第5セット。これを制した方が勝利を手にする。15点マッチのため出だしから強気に攻めたいところだったが、開始3連続得点を許す苦しい展開に。これ以上流れに乗せまいと、関大はここでタイムアウトを取った。そしてタイムアウトが明けると、こんどは関大がブレイクする。中屋のライト、内田のレフトで得点し、4連続得点に成功した。そして5―5と同点に並んだところで、リリーフサーバーとして鍋井が登場。その鍋井が見事にサービスエースを奪い、チームを活気づけた。続けて内田の強打も決まり、2点のリードを奪う形でコートチェンジとなる。コートチェンジ後は、相手のミスが目立ち始める。3点差で関大が先に10点に乗せると、相手はタイムアウトを要求した。タイムアウトが明け関大が11点目を挙げると、岡崎凜華(人3)がコートイン。攻守ともに強化を図った。その後も着実に得点していき、日野のブロックでマッチポイントを握る。そして相手の攻撃がアウト判定となり、関大に15点目が入る。試合終了の笛が鳴り、勝利が決まった。挨拶を終えると、コート外のメンバーは笑顔で出場メンバーを迎え入れる。互いに抱き合い、喜びをあらわにした。





ようやく実現した、帝塚山大からの勝利。「ずっと負けている相手だったので、絶対に勝ちたいという強い思いで戦った。それがプレーにもしっかりと表れて、全員で勝ち取った1試合だったのですごくうれしい」と、升谷主将も試合を振り返った。やはり、今の関大は春から確実に成長している。秋季リーグも残すところあと2戦となった。この勢いを止めることなく、来週も連勝を狙う。全勝でリーグ優勝へ。この目標にも、現実味が帯びてきた。最後まで自分たちらしくバレーを楽しみ、勝利を重ねる関大女バレから目が離せない。【文/写真:横関あかり】
▼升谷主将
「春リーグから西カレと、ずっと負けている相手だったので、絶対に勝ちたいという強い思いで戦いました。それがプレーにもしっかりと表れて、全員で勝ち取った1試合だったので、すごくうれしいです。(チームの雰囲気は)出だしからすごく良かったです。アップのときから雰囲気を上げていこうというのを言っていたので、それにしっかりとみんなが乗ってくれて、全体としてすごく雰囲気良くできていて良かったです。(対策した点は)いつも試合前に、徹底することを3つ挙げています。今日はその1つとして、(相手の)5番の子に対して徹底的にマークして、ゾーン5と6というのがあるんですけど、そこを絶対に抜かさずにやっていこうという話をしました。あとは自分たちのワンレセの意識をしっかり持とうということと、楽しく雰囲気を崩さずにやっていこうという3つを挙げていました。それが結構はまって、ワンレセも、3セット目とかでちょっとできていないところはあったんですけど、1、2セット目はしっかりとできていて、自分たちが徹底するところがはまったので、すごく良かったと思います。(来週までに強化したい部分)やっぱり1、2セットを取って次でラストとなったときとか、きのうもそうだったんですけど、出だしで取られたりとかというのがありました。そういう油断をせずにいつも波のないチームを作っていくためにも、日々の練習のゲームの中で絶対に勝つというところは、徹底してやっていかないといけないところかなと思います。(次戦への意気込み)今、上位リーグで全勝中です。最初は下位か上位か分からない状況でギリギリ上位に入ったという状況でした。そこから自分たちはここまで来たので、運があるんだというのをしっかりと自信につなげたいです。あとは(1次リーグで負けた)京産戦と(春リーグで負けた)千金戦が残っているので、しっかりとリベンジして、最終的に全勝優勝できるように頑張っていきたいと思います」
▼伊関
「きのうに引き続いて、絶対に勝とうという気持ちが全部出せてチーム全員で勝ちにいけた試合だったなと思いました。(自身の調子は)今までで一番、自分の中での感覚的に良かったです。一番跳んでいるなという感覚はありました。(きのうから調整した部分は)きのうは相手が結構拾って、低いブロックだったんですけど、今日は相手が高いブロックだったというのもあって、スパイクのうち方を少し変えようと思っていて。ブロックを利用したスパイクを意識しました。(来週までに改善したいところ)1、2セット目は自分の中でいいと思っていても、3セット目とかになってくると相手に対応されて、自分から出すミスが増えているなと自分でも思いました。1、2セット目だけじゃなくて、3セット目もしっかり『1から1セットを取る』という気持ちでやっていきたいなと思います。(来週への意気込み)今、チームで(順位決定戦で)3勝しているので、このままの流れで絶対に来週の2戦も勝って、優勝したいです」
▼岡田哲也監督
「全体を通して、勝ち切れたことと自分たちのバレーができていたのがすごく良かったと思います。ただ4セット目は、いつも意識している1本目のレシーブの質が良くなかったので、それが相手のペースにつながったのかなと思います。(雰囲気は)すごく良かったと思います。一つ一つ勝つ中で、ここ最近は勝つことを意識するというよりは自分たちのバレーをしようという感じでできていたので、それが試合でもいい感じでできていたのかなと思います。(5セット目を取り返せた要因は)4セット目は1本目のレシーブが良くなかったところがあったんですけど、『これは自分たちのやることだ』ということを言ったりとか、『自分たちのやることを出し切ろう』というのを言っていて。みんなすごくいい顔をしていたので、その辺で明るく、雰囲気良くできたのが良かったのかなと思います。(来週までに強化したいところ)相手のペースになった時に自分たちのバレーができなくなってしまうことがあるので、もう1回、1本目のサーブレシーブを頑張って、拾ってつないで、自分たちのペースに持っていくというところを意識したいです。今日は攻撃もできていたので、そういうふうに自分たちから攻めていけるバレーができるようにしていきたいなと思います。(来週への意気込み)今週、結構大きな試合を2つ勝てたのはすごく大きな収穫かなと思います。これが無駄にならないように、あと2試合しっかり勝てるように頑張ります」