[FC2008]強敵・沖縄SV破り、全国8強進出!

◇第58回全国社会人選手権大会2回戦◇対沖縄SV◇10月16日◇志布志しおかぜ公園多目的広場C◇
【前半】関大FC20082-1沖縄SV
【後半】関大FC20081-1沖縄SV
【試合終了】関大FC20083-2沖縄SV
▼スターティングメンバー
GK 吉岡
DF 金原、下雅意、宮武、槙山
MF 津島、芝元、加藤、大渕
FW 糸井、片岡
▼得点
11分 MF大渕(FW糸井)
13分 OG
28分 失点
42分 MF津島
56分 失点
打ち合いを制して初戦を突破した関大FC2008(FC)は、2回戦で九州王者の沖縄SVと対戦した。優勝候補とも言われる強敵相手だったが、前日の勢いそのままに関大が先制。相手のミスもあり先に2点のリードを奪った。1点差に迫られてからは相手に押される展開が続いたが、粘り強く守り勝利。結局、一度もリードされることなく、チーム史上最高成績の全国ベスト8を決めた。

立ち上がりはFCが気持ちの入ったプレーで流れをつかむ。開始直後からこの日スタメンに抜てきされたFW片岡慎太郎(社4)が体を張り、ゴール前でのFKを獲得。さらに、MF津島龍之介(文4)が持ち上がる。なかなかシュートは打たせてもらえなかったものの、粘り強く攻め込むと前半11分に試合が動いた。MF加藤優太(安全4)のスルーパスからFW糸井岬(安全4)がクロスを上げると、MF大渕颯太(法1)が飛び込み先制。MF大渕は今大会1G1Aと起用に応える活躍を見せた。



先制後も攻撃の手を緩めずにいると、13分にはバックパスを相手GKが収められずそのままオウンゴールに。前線からの厳しいプレスの効果もあり、2点を先制。強敵相手に互角以上の試合を見せた。
だが、そう簡単には勝たせてもらえない。16分には右サイドを崩され、相手にこの日最初のCKを与えたが、GK吉岡凛太郎(政策3)がキャッチ。相手にボールを回されるようになったが、最終ラインでDF金原航大(経3)が体を張った守備を披露。2点差を守っていたが、28分にCKのセカンドボールをゴール前でうまくつながれ1点差に迫られた。


徐々にリズムをつかみ始める相手とは対照的に、FCは守備の時間が増える。何度も危ない場面があったが、DF宮武隼人(社3)やMF加藤などを中心に守る。「大丈夫、後半立て直せるから」と声をかえあい、全員で体を張り枠内にシュートは打たせない。攻撃では、FKでDF槙山佳佑(政策4)が直接ゴールを狙う場面もあったが、決めきれず。2ー1とリードしているものの、嫌な流れのまま試合を折り返した。



後半立て直したいFCは、いきなり追加点を獲得する。GK吉岡のロングキックを先に相手に触られたものの、MF津島が前で奪ってそのままGKと1対1に。冷静にゴール右隅に流し込み、貴重な追加点を手にした。


4分にもMF大渕が相手DFをかわして前進すると、DF槙山のスルーパスにFW片岡が抜け出しシュート。GK正面だったが、相手ペースを変える攻撃に。さらに、MF芝元今日平(社4)のロングボールをFW片岡が前で収めると、MF津島、MF大渕と次々中に仕掛ける。守備ではDF下雅意健太(経2)がカウンターにも対応。関大の攻撃が続いた。



だが、後半16分。中盤でボールを奪われると、一度はDF宮武がゴール前ではじき返したものの、クロスを頭で合わされ失点。再び1点差になってからは、交代選手も使いながら次々と攻めてくる相手のペースに持ち込まれ、全くボールを持つことができない。関大も20分に交代で入った、DF吉本武(情3)やMF衣川智裕(情2)がしっかり走ってなんとか耐える時間が続いた。


関大久々の攻撃は29分。相手のファウルから自陣でのFKを獲得すると、GK吉岡のボールをDF金原がマイボールに。力が足りず追加点とはならなかったが、DF吉本のクロスにFW宮尾浩幸(情4)が頭で合わせ攻撃シーンを見せた。直後にも前線で体を張って高い位置まで攻め込むと、相手がクリアしたボールからMF加藤がミドルシュート。残り10分は均衡した展開が続いた。

スコアでは勝っているものの1点取られればPK戦。試合最終盤は相手がボールを持つ時間が増え、立て続けにピンチを迎えたが全員で1点差を守り切り勝利。シュート数6、被シュート数12と決して簡単な試合ではなかったものの、気持ちで上回ったFCが3回戦に駒を進めた。

準々決勝となる3回戦は、宮崎県のFC延岡AGATAと対戦する。ここまで2戦を無失点で勝ち上がってきている相手だが、「ここまできたら自分との戦い」とDF槙山キャプテン。3連戦となるが、今年最初の日本一達成へ向け全員で戦い抜く。【文/写真:牧野文音】

▼後藤亮太監督
「中島超男(商2)というFCのメンバーがいて、そいつが来る当日の朝の練習の時に、『勝った方が強いから』というのを言っていた。というのが、自然とふわったゲーム前に出てきて、それが証明できた。勝つ確率が高い方が勝つんじゃなくて、サッカーというのはジャイアントキリングが起こりやすいスポーツだから、そういうところを出せたので良かったかなと思います。今日の試合前は戦術とかよりも最後のゴール前の質とか、守備で耐えられるかというところを強めに言った。(前半の早いうちに2点とれた)相手のミスもあって、ラッキーな部分もあったけど、狙い通りにできた。1点目はああいうところに相手が来るというのは分かっていたので、狙っていこうという話はしていた。相手のミスも絡んだのもあってラッキーだった。立ち上がりよく入れて、総じて良かった。(途中から押し込まれる展開が続いたが)きつかったと思う。前日の疲労もあるし、その中でああいう守備をしなければいけないのはすごくきついと思うけど、それが粘れるか粘れないかが大事。粘れるチームが関大というのは常に言っている。その粘り強さを出せたので良かった。(明日に向けて)まずは目の前の試合に全てを懸けるしかなくて、きついのはあるけど、きつい中でもやっていかないといけない。相手もきついのは同じなので、言い続けていきたい」
▼MF津島
「まじで良かったです。最初に2点取れて、これはいけると思ったけど、やっぱり相手の方が強くて、徐々に押し込まれた。でも、耐えてなんとか勝つことができてうれしい。(先制シーンは)それまではロングボールが多かったけど、あれが初めて下でつないで点になったので、つないでもいける自信になった。(守備の時間も多かったが)前半20分の給水タイムくらいまでは結構強度の高いプレスにいけたけど、前半ラスト5分か10分くらいは、こっちサイドのサイドハーフがうまかったので、守備に追われるなかでめっちゃしんどかった。(3点目は)3バックの、僕に近いCBにはあまり強プレスにいかないというなかだったけど、後ろむきで状態悪い中でこれはいけると思って、GKとの1対1でシュートミスったけど入って良かった。(次戦に向けて)ここまできたらチームの目標である日本一が見えてきた。今年はまだ日本一取れていないので、僕たちがとって勢いづけたい」
▼FW糸井
「勝ててうれしいのひとことです。(2日連続でスタメンだったが)昨日勝って、その流れのまま試合に入れたのが今日勝てた要因。今日はほんまに全員で走って、ギリギリの戦いで勝てた。明日もこのままの流れで勝っていきたい。(プレーを振り返って)守備に回る時間帯がほとんどで、攻撃になった時に走り切るだったり、ゴール前に行くというのがまだまだできていない。課題が残ったので、あと3試合で克服していけたら。(耐える時間が多かったが)負けるなと思ったシーンも多かったけど、全員が声をだして、最後体を張るだったり、盛り上げるだったり、中には怒る声だったり、全員で勝てたと思う。(次戦に向けて)自分の点でチームを勝たせたい」
▼GK吉岡
「ガチで良かった。後ろとしては2失点したから、まじで前決めてくれとしか思っていなかった。勝ったんでまじで良かったです。(押し込まれる時間が長かったが)1点差だったので、とにかく失点しないように声出し続けて、集中が切れないように声かけていた。ほんまに最後は気持ちのところという声かけはずっとした。それで、集中力を保って最後勝つことができたと思う。(プレーを振り返って)昨日(15日)から2失点、2失点で、GKとしてはもうちょっと抑えたいなというところはある。でもそれ以外のところで、声を出したりとか、失点しても守備の雰囲気のところを意識した。チームに貢献するために、クロスの対応とか、ハイボールの対応とかはできた。もうやるしかないと思った。(準々決勝に向けて)明日こそは無失点で。絶対勝ちます」