14安打11得点の猛攻で快勝!金丸は粘投で5勝目を挙げた!

◇令和4年度関西学生秋季リーグ戦第7節◇対立命大1回戦◇10月15日◇ほっともっとフィールド神戸◇
関 大 000 371 000=11
立命大 300 101 000=5
(関)金丸、岩井、宮崎-越川、谷元
(立)秋山、長屋、藤本竜、高塚-星子
1(中)中井颯
2(三)下井田
3(左)岑
4(一)上神
5(遊)髙田幸
6(右)藤原太
7(二)佐藤
8(捕)越川
9(投)金丸
近大との激闘から2週間。リーグ制覇のためには、もう一戦も落とすことが許されない中、今節は立命大と対峙(たいじ)した。試合は初回に連打を許し、先に得点を奪われる展開に。それでも4回に上神雄三主将(法4)の二塁打でチャンスを作ると、髙田幸汰(商3)、佐藤慶志朗(経2)の適時打で同点に追いつく。直後に勝ち越しを許すが、5回、この日リーグ戦初出場初スタメンを果たした越川海翔(人2)の走者一掃の適時打で突き放した関大。そのまま3投手の継投で逃げ切り11ー5で勝利した。

先制点を奪ったのは立命大だった。初回、2死から4連打を許し3点を先行され、追いかける展開となる。早い回に1点でも返しておきたい関大は、3回2死まで一人も走者を出せない状況が続き、重い雰囲気が漂う。それでも2回以降は先発・金丸夢斗(文2)が粘りの投球を見せ、味方の援護を待つ。

金丸の粘投に応えたい打線は4回、2死から上神が左越二塁打を放ちチャンスを作る。続く髙田幸が2ボール2ストライクからの5球目を弾き返すと、二塁走者・上神が一気に生還し1点を返した。さらに藤原太郎(法2)の内野安打でチャンスを拡大すると、好調の7番・佐藤の打球は左翼線を抜け二塁打に。これが2点適時打となり同点に追いつく。




追いついた直後の守り、3人で抑え、波に乗りたいところではあったが、1死から安打で出塁されると失策も絡み1点を勝ち越される。すぐに取り返したい関大は、5回、先頭の9番・金丸が四球で出塁すると、中井颯良(政策3)がきっちりと犠打を決め得点圏に走者を置く。右犠飛、死球で2死一、三塁とすると、打席には4番・上神。「初球から振ると決めていた」という言葉通り、初球の甘い球を見逃さず捉える。相手の守備の乱れもあり一塁走者・岑幸之祐(社3)も一気にホームへ帰り、逆転に成功した。さらに佐藤の押し出し四球で1点を追加すると、満塁の場面で打席にはこの日初スタメンの越川。「みんなの思いがのせてくれた」という打球は左中間を破る走者一掃の3点適時打。続く金丸も左翼線を抜ける適時打でこの回一挙7得点。「繋」ぐ攻撃でビックイニングを生み出した。



6点のリードをもらった金丸は5回のアウトを全て内野ゴロで奪う、打たせてとる投球を披露。攻撃にリズムをもたらす。追加点がほしい関大は6回、下井田悠人(経1)が安打で出塁すると、岑幸之祐(社3)のバスターも決まり無死一、二塁のチャンスを迎える。犠打で走者を着実に進めると、髙田幸がこの日2本目となる適時打で金丸を援護した。


7回の関大の攻撃、代打・石原水輝(情4)、中井颯の連続安打でチャンスを作るが得点とはならない。裏の守り、マウンドには岩井将吾(商2)が上がる。無死一、二塁のピンチを迎えるが、ここは併殺打に打ち取り得点は許さない。8回も岩井が続投し、三者凡退に切り抜ける。迎えた最終回、2死から代打・小河英一郎(商4)が安打でチャンスメイク。代走に森田聖士(社3)が起用されると、すかさず盗塁を決めた。得点には結びつかなかったが、流れを渡すことなく最終回の守備につく。最終回は宮崎隼輔(人4)が登板。ピンチこそ迎えたものの無失点に抑え試合を締めくくった。





初回いきなり3失点を背負い、苦しい展開を強いられた関大。それでも誰一人として慌てなかった。5回には打者一巡の猛攻を見せるなど、先発全員安打で14安打11得点と躍動。それでも悲願の日本一という目標まではまだまだ険しい道のりが続く。一戦必勝を掲げ、まずはリーグ制覇を目指しあすの2回戦に全力を尽くす。【文/写真:稲垣寛太、荒川拓輝】


▼上神主将
「優勝するためには落とせない試合だったのでチーム全員で勝とうという思いで試合に臨みました。(初回は連打されたが)金丸が3失点をすることはあまりないので流れが悪いなと思っていました。でも自分が打ってなんとか逆転しようと諦めずに最後まで戦いました。(4回に流れが悪い中で回ってきたが)ピッチャーも変わり目だったのでなんとか1点ずつ返していこうとチーム全体で言っていました。ゲッツーで流れが切れたところを自分がまたチャンスメイクできたらいいなという思いで打席に立ちました。(4回の二塁打について)1ストライク3ボールでバッティングカウントだったので真っ直ぐ一本に絞って、タイミングを合わせて強く打ちました。(1点返した後のチームの雰囲気は)1点を取ったところからいけるんじゃないかと、ベンチもチームもスタンドもなっていたと思うので勝ててよかったです。(5回の適時打について)裏に1点取られて逆転されて、なんとか打って同点にしたいと思って打席に入って初球から振ろうと決めていたので、いいところに飛んでそれが逆転につながって良かったです。(越川について)オープン戦から力強いスイングをしてくれていました。当たれば飛ぶので当たってくれとベンチの中で思っていました。(越川に声掛けはしたか)1週間前から立命大戦は越川でいくと決まってました。前日の夜も『大丈夫やから任せろ』とLINEをしました。そしたら、『分かりました。がんばりましょう』と返事が返ってきました。越川自身もタイムリーが出て、それが追加点につながったので明日以降の試合も少しは楽にできるのかなと思います。(今日の得点は全て2アウトからですが)1年間チームスローガンの『繋ぐ』というふうに掲げて、自分も今日が一番つながったかなと思います。(明日に向けて)明日勝って、来週の関関戦も2連勝して絶対優勝したいと思います」
▼髙田幸
「有馬(諒=商3)がいない状況で、みんなでつながないと勝てないっていうことで、守備面では点取られるというのはみんな想定していたので、なんとかつなげて良かったと思います。(5番打者としての起用について)自分はどの打順でもヒットを打つだけなので、あんまり気負いとかはしないです。いつもと同じように打席に立ちました。(2本の適時打の場面を振り返って)1本目の方は3点差の場面で、2死からキャプテン(=上神)がつないでくれてそこで打ったら流れもまだ分からない状況やったんで、打てて良かったと思います。2本目は(直前の守備の)自分のミスも得点に絡んだりして、とりあえず点を取ることだけを意識して(打席に)立ちました。(野口智哉=21年度卒、現オリックスバッファローズからエルボーガードとフットガードを譲り受けたことについて)フットガードはゲームで勝ったらくださいって言ってて、勝ったのでもらって、エルボーガードはこの前、オリックスと練習試合した時にいただきました。(その時にかけられた言葉は)『頑張れよ』くらいしか言われてないです。憧れの先輩で、尊敬している先輩なので、その力を借りて打てました。(次戦に向けて)もう一回も負けれないので、きょう近大さんも負けてあと3連勝するだけなので1試合に集中して、1試合ずつ戦っていきたいと思います」
▼越川
「みんなが打ってつないでくれて何回もチャンスを潰したのですけど、もう1回来てくれたチャンスで打ててよかったです。キャッチャーでも段々慣れてくる中で持ち味を出せてよかったです。(緊張はしたか)めちゃくちゃ緊張しました。あそこに立てば周りの音も何も聞こえなくなるのでどうすればいいのだろうかと不安になりました。でも声を掛けてくれて勇気づけられ、失敗してもいいやという気持ちでできました。(金丸の投球について)立ち上がりは迷って打たれましたが、その後の回はしっかり抑えられてそこは良かったかなと思います。(5回に満塁のチャンスで打席が回ってきたが)さっきもチャンスを潰したので初球を思い切って打とうと思っていました。(初球を左中間に打ちましたが)最高でした。泣きそうになりました。みんなの思いがのせてくれた、みんなの想いがあのように飛んでいったかなと思います。(逆方向の意識はあるのか)逆方向に長打を打てるのが特徴でそれをいつも通りやったら打てました。これからもそういうバッティングをしていきたいと思います。(有馬がけがをしてある意味チャンスが回ってきたが)自分の味を出して思い切ってやっていこうと思いました。(1試合丸々出て落ち着いたか)慣れたので明日からは大丈夫だと思います。(明日に向けて)4年生の想いを受け取って、その中でプレッシャーに負けずに自分のプレーを思い切って出していこうと思います」