出雲駅伝17位。経験生かし丹後へ

◇第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走◇10月10日◇出雲大社正面鳥居前ほか◇
[最終結果] 17位 2:19.24
1区 亀田仁一路(安全3)
2区 嶋田匠海(文1)
3区 大高肇(社4)
4区 坂本亘生(化生2)
5区 谷村恒晟(安全1)
6区 嶋谷鐘ニ郎(法4)
三大駅伝の1つ、出雲駅伝が開幕した。20年ぶりの出場となる関大は、夏の過酷な練習を乗り越え、厳選された精鋭メンバーで臨む。出雲大社正面鳥居前の沿道にはたくさんの人が応援に駆けつけた。

1区を任されたのはエース・亀田。13時5分に号砲が鳴ると20人が一斉にスタートを切り、坂道を下る。亀田は集団前方につき、序盤から速いペースでレースを進めた。しかし、中盤から徐々に勢いを落とし、集団から離れてしまう。「自分の力を見誤ってしまった」。苦しい展開となり、全体16位で2区へとタスキが渡った。


2区は5.8㎞と、この駅伝で最も距離が短いスピード区間。6人もの区間新記録者が出るほど、各大学のスピード自慢がそろっていた。1年生ながら選ばれた嶋田は1つ順位を落としたものの、力走で大高へとつないだ。3区の大高は強風に苦しめられ、思うようにレースを展開できず18位で4区へタスキリレー。後半、巻き返しを図りたいところ。


4区の坂本が快走劇を見せる。「大高さんが前に第一工科大と皇學館大が見える位置で(タスキを)持ってきてくれて、それを必死に追いかけた」。前方にいた第一工科大、皇學館大を捉え、中盤で抜き去るとそのまま5区の谷村へとタスキをつなげた。1年生の谷村は向かい風に苦戦し1つ順位を落としてしまったが、任された出雲路を走り抜いた。


出雲駅伝最長区間である10.2㎞の6区・アンカーを務めたのはパート長の嶋谷。順位の変動こそなかったが、「一番楽しく最後を走れた」と沿道からの応援を力に変えて走った。ゴール地点である出雲ドームではチームメートが帰りを待つ。17位でフィニッシュラインを越え、チーム初の大舞台を終えた。


結果こそ振るわなかったものの、新たな歴史を刻み確かな進化を見せた。ここで終わらず、来年、再来年へとつなげていく。今後、亀田は11月6日に全日本大学駅伝へ日本学連選抜として出場し、チームは11月19日に丹後駅伝が控えている。1ヵ月後、今チームの集大成を見せる時だ。【文:小西菜夕/写真:小西菜夕・横関あかり・𠮷村虎太郎】
▼亀田
「スタートからかなりきつい状態でそのままゴールまで引きずってしまったという点で、反省するべきレースだったと思います。(プレッシャーは)自分自身、あまりプレッシャーを感じていない方だと思っていたんですけど、ふたを開けてみればプレッシャーを感じていたようになっていたので、レースが終わってみてかなり解放されました。次の目標を見失ったような感じになってしまったので、そこにとらわれていたのかなと思います。(終盤順位が下がった)前半、無理をしてしまったので、自分の力を見誤ってしまったかなと思います。(来月の全日本大学駅伝に向けて)今回の走りを良かったものにできるように、経験して良かったと思えるレースにしたいです」
▼嶋田
「直前に2区を任されることになって、1区の亀田さんと3区の大高さんのつなぎを務めさせていただきました。各校のスピード自慢が集う中で、自分の想定していた走りはできたんですけど、それ以上に他大学の選手の動きが良くて19位という区間順位になってしまって、まだまだチーム4番手としての力を発揮し切れなかったと思います。(全国の舞台で走ってみて)自分のことで精一杯になってしまって、後半の区間を考えた走りができていませんでした。もっと前を追っていけるような走りができていたら、総合順位も変化したのかなと思います。(次に向けて)1ヵ月後に丹後駅伝もあって、その後新チーム作りがあるので、今回の経験を糧に来年の1年生にしっかりと背中を見せれるような選手になりたいです」
▼大高
「3区は直線の風が強くて、自分の思うような走りができなかったところが悔しいところです。自分は高校の時から全国に出たいという思いがあって、やっと出れた全国大会なので、大会自体としてはすごく楽しめたんですけど、もう少し関東の選手に食らいついたり、地方勢でトップの走りができたらもっと楽しめたのかなと思います。(最後の丹後駅伝に向けて)今まで区間賞とかを取ったことがないので、最後は区間賞を取って終わりたいと思います」
▼坂本
「大高さんが前に第一工科大と皇學館大を見える位置で(タスキを)持ってきてくださって、それを必死に追いかけて5区の谷村の時に挽回して、大経大とできるだけ詰めようと意識して走りました。中間地点まで第一工科大の後ろで風よけをしながら自分のリズムをつかむ走りをしていたんですけど、後半になって大経大も見えだして、できるだけ詰めようとラスト半分でちょっとギアを上げました。(次に向けて)次は丹後駅伝があるので、大高さん、亀田さん、嶋谷さんに代わるような、次にエースとなれるような選手になっていきたいので、もっとチームを引っ張る走りをします」
▼谷村
「序盤から後ろにいた皇學館大と並走する形になって、それが最後まで続いたんですけど、自分のレースのイメージとは全然違い向かい風が強い中で思うようにレースを進められず、ラストスパート合戦で皇學館大に競り切れず負けてしまったので、大きな反省点です。(1年生で全国を経験して)自分自身全国大会が今回初なので、1年生で出れたことは大きな経験にもなりましたし、この経験を次に生かせたらなと思います。(今後の目標)自分は来年再来年とあと3年間続くので、まずは練習をしっかりと積む形にはなるんですけど、来月の丹後駅伝だったり全日本の予選会であったり、さらにレベルアップできるように頑張っていきます」
▼嶋谷
「ゴール直前のラストからたくさんの応援の方がいらっしゃって、一番楽しく最後を走れたかなというところは4年間ここまで頑張ってきて良かったなと思いました。2年の時からコロナで応援自粛でこういう駅伝にも参加できていなかったので、この駅伝に4年目で出場できたのはすごくうれしいです。ラスト100㍍は無我夢中でなんとかっていう感じだったんですけど、ゴールしてからチームメートが迎え入れてくれて、笑顔で終える目標は達成できたんですけど、もうちょっと順位も良かったらいい笑顔で終えれたかなと思います。最低限チームとして、亀田がいなくても自分たちはやれるんだというところを、一人一人が自覚をもってやれたところは、亀田が1区であまり良い結果じゃなかった分他の選手が『自分で何とかしないといけない』と思えたのは、いい経験になったと思います。(20年ぶりの出場について)やっとスタートラインに立てたというところで、今回吉田(有輝)コーチに代わってから初めての出場で、チームもスタッフも誰も分からない状態で手探りでやってきたんですけど、今回出て負けてしまったことがいい財産になればいいですし、今回1回出て良かったねじゃなくて、来年の出雲や全日本につなげていくにはこの先の丹後駅伝まで4年生が背中で見せる部分が大きく関わってくると思うので、最後まで走りで引っ張っていきたいと思います。(最後の丹後駅伝に向けて)今回全国で負けてしまい、関西勢の中の勝負でも立命大や大経大がラスト来たのに自分が抜かせなかったところがあるので、丹後駅伝では他校に勝ち切っていいレースがしたいです」