山下、圧巻の15奪三振で完封勝利!

令和4年度関西六大学連盟秋季リーグ第3節◇対神戸大1回戦◇10月5日◇大阪シティ信用金庫スタジアム◇
神戸大 000 000 000=0
関 大 021 100 100=5
(神)村上、井林―前田
(関)山下―福永
1 (二)藤澤
2(中)加藤
3(遊)福留
4(指)山本遼
5(捕)福永
6(左)林
7(三)古田
8(一)磯崎
9(右)川北
先発 山下
同大との第2節では連敗を喫し、苦しい状況に立たされた関大。重い雰囲気を跳ね返したのはエースの投球だった。山下皓司(化生3)が9回を投げ抜き、被安打1奪三振15という完璧な内容で神戸大打線を封じ込める。攻撃では藤澤駿平(政策2)が3安打2打点の活躍で打線をけん引。主導権を渡すことなく関大が逃げ切り、今季2勝目を手にした。
関大の先発・山下は初回2つの四死球で1死一二塁のピンチを迎えるが、4番打者を三振に切ると、続く打者も二ゴロに抑え本塁を踏ませない。先制したい関大は2番・加藤陽也主将(人3)がチーム初安打を放ち、盗塁を決め2塁まで進むが後続が続かない。

試合が動いたのは2回の関大の攻撃。6番・林風太(商3)が四球で出塁すると、この日リーグ戦初スタメンの古田大輔(情2)が右翼線への二塁打を放ちチャンスを拡大する。9番・川北収史(政策3)も四球で続くと1番・藤澤が中堅手の前に落ちる2点適時打を放ち先制に成功した。

援護を受けた山下は3回、三者連続三振を奪う快投で神戸大打線を寄せつけない。追加点がほしい関大はその裏、先頭の福留涼平(商2)が中安打を放ちチャンスを作る。その後2死三塁となり打席に入ったのは6番・林。フルカウントからの6球目を捉え打球は右翼手の前へ。これが適時打となり貴重な追加点をあげた。

4回も山下が三者凡退に抑えさらなる追加点を待つ。1死から川北が四球で出塁すると藤澤が安打で続き、得点圏に走者を進めると2番・加藤が中前打を放ちこれが適時打となった。

5回は互いに三者凡退に終わり前半を4ー0で折り返す。6回、山下は死球で出塁を許すが後続を断ち切り、攻撃へのリズムを作る。先頭の古田が四球で出塁すると磯崎正太郎(文3)が犠打を決め1死二塁のチャンスを作る。しかしここは相手投手が立ちはだかり得点とはならない。

ダメ押し点がほしい関大は7回、3番からの好打順。福留が安打で出塁すると山本遼太郎(文3)、福永翔太(社2)も連続安打を放ち、絶好のチャンスを作る。この場面で打席に立ったのはこの試合で1打点を挙げている林。二塁手へ飛んだ打球は併殺打となってしまうがその間に三塁走者が帰り1点を追加。点差を5点に広げた。

8回のマウンドにも山下が登る。いまだノーヒットピッチングを続ける山下。この回も3人で切り抜ける好投をみせる。裏の攻撃では、先頭打者に代打・中野寛都(人1)を送る。2球目を力強くスイングしたが左飛に倒れ、この回は無得点となった。

9回のマウンドにはもちろん山下。一塁手にはこの回から今村優真(経1)が入り、逃げ切りを図る。先頭打者にこの試合初安打を許すが、次の打者の打球を三塁手・古田が好捕。バックが山下を盛り立てる。後続をしっかりと打ち取り、27個目のアウトを三振で奪った。


1勝3敗で迎えたこの試合。試合前、6連勝を目標に掲げ全員でこの一戦に挑んだ。守っては山下が15奪三振で圧巻の投球を披露すると、打線は11安打5得点で山下を援護。投打ともに充実の戦いぶりをみせた。守備からリズムを作ってつなぐ攻撃で勝利を目指す全員野球を体現し、ここから連勝街道をひた走る。【文:稲垣寛太/写真:荒川拓輝】
▼山下
「今日は1勝3敗で迎えて、神戸大に絶対に勝たないといけない状況で、正直(試合の)入りはあんまり良くなかったんですけど、でもそこからは自分のピッチングができたかなと思います。(被安打1、15奪三振の好投、良かったところは)今日はツーシームがあまり良くなくて、でもカーブを上手に効率的に使うことができたことが良かったと思います。正直ノーヒットノーランしたかったです。5回6回くらいから周りが言い始めて、正直意識していたし、でも変化球で打たれるくらいなら真っ直ぐを打たれて良かったかなと、自分の持ち味は真っ直ぐなので、真っ直ぐを打たれて良かったかなと思います。悔しかったです。(次戦に向けて)次戦も9回完封できるように頑張ります」
▼藤澤
「今日はもう3敗していたのでチーム全体で負けれないっていう雰囲気があったんですけど、その中で実際に立命大戦でも1番が打てばチームが波に乗れるっていうのがあったので、絶対に自分が塁に出ようと思って打席に入りました。(自身3安打2打点の活躍、今日の打撃を振り返って)先制点の場面はみんながつないでくれて、指揮をとっている山本さん(=山本遼)がチャンスで1番に回すっていう目標を話してくれていたので、なんとかして打ってやろうというよりかは、後ろに回そうっていう気持ちの方が大きかったです。(次戦に向けて)明日勝つのはもちろんなんですけど、(次節対戦する)阪大は投手陣が結構良いみたいなので、今日みたいに僕が打って(打線を)引っ張っていけるように頑張っていきたいと思います」
▼藤澤
「山下さんが良いピッチングをしてくれて、守備からリズムを作るっていう面ではとても良いリズムができていたんで、それが攻撃につなげられて5点入って良い試合だったと思います。(リーグ戦安打を放った打席を振り返って)1死一塁だったのでなんとか引っ張り方向に打とうという意識で、変化球だったんですけどしっかり食らいついて良いところに落ちてくれたんで良かったかなと思います。(次戦に向けて)1勝3敗で今日の試合迎えて、ここから6連勝するぞっていうチームの雰囲気で(試合に)入ったので、今日の1勝で勢いつけてこのまま最後まで連勝で行きたいと思います」