天皇杯近畿ブロックラウンド、悔しい2回戦敗退

◇令和4年度天皇杯・皇后杯 全日本選手権大会◇近畿ブロックラウンド◇対開智高ほか◇10月1日◇天理大学杣之内第一体育館◇
【トーナメント1回戦】
[第1セット]関大25―22開智高
[第2セット]関大25―20開智高
[セットカウント]〇関大2―0開智高
【トーナメント2回戦】
[第1セット]関大21―25龍大
[第2セット]関大20―25龍大
[セットカウント]●関大0―2龍大
大阪府ラウンドで優勝を果たしてから約3カ月。ファイルラウンド出場を懸け、近畿ブロックラウンドが行われた。秋季リーグでは好調に勝ち星を重ねている関大。今大会でも強さを発揮するべく、戦いに臨んだ。トーナメント1回戦、開智高相手にストレート勝ちを収めると、続く2回戦では秋季リーグ初戦で勝利を果たした龍大と相まみえる。第1、2セットともに序盤で勢いづく関大。しかし後半で猛追を許し、悔しいストレート負け。天皇杯近畿ブロックラウンドは、2回戦敗退となった。
トーナメント1回戦の相手は、開智高。負ければ即敗退となるため、絶対に落とせない戦いに挑んだ。先制点を挙げたのは関大。中屋ちひろ(人3)のブロックアウトで、幸先のいいスタートを切った。その後、立ち上がりは取っては取られてを繰り返す展開になる。川上良江(文2)のプッシュやコート奥を狙った速攻で点を重ねた。互いに6点となったが、関大がこの均衡を破る。伊関万絢(まひろ=文1)がレシーブしにくい場所へスパイクをたたき込むと、日野美里(人3)の速攻などが続き一気に4連続得点に成功。相手はたまらずタイムアウトを取った。その後は、再びサイドアウトを取り合う展開に。途中でコートインした吉岡和奈(法3)が繰り返しスパイクを打ち込み、決め切る場面も見られた。点差は埋まらず、4点リードで迎えた終盤。しかし、ここから相手が徐々に巻き返しを図り出した。ラインギリギリを狙ったショットや、意表を突いたツーアタックを決められてしまう。それでも岡崎凜華(人3)の力強いスパイクや内田千晴(人1)の軟打などで、関大も簡単に逆転は許さない。23―22と1点差にまで詰められたところで、関大はタイムアウトを要求。気持ちを落ち着かせた。そして、タイムアウト明けにしっかりと切り替える関大。岡崎のレフトからの軟打、最後には川上のサービスエースが決まり、接戦の第1セット先取に成功した。





ストレートで取り切りたい第2セットは、序盤から関大のペースで試合を進める。中屋のブロックアウトや、内田・伊関の鋭いスパイクで順調に点を重ねた。相手のタイムアウト明けでも関大はペースを崩さず、川上のコースを打ち分けた速攻や伊関のクロス攻撃でさらに点差をつけていく。惜しくも関大の得点にはならなかったものの、岡崎・芦田彩音(人4)も相次いで好レシーブを発揮した。7点差で終盤へ突入し、快勝するかと思われた。しかし、第1セット同様相手が終盤で勢いづく。コートの穴を狙ったスパイクに反応できず、相次いで得点を許してしまった。点差は一気に3点まで縮まる。関大はここでタイムアウトを要求し、相手の流れを切った。この判断が奏功し、タイムアウト明けは再び関大の流れに。岡崎の隙を狙ったスパイクや中屋のサービスエース、さらには相手のミスも重なり、25点先取。ストレート勝ちで、トーナメント2回戦へと駒を進めた。




その2回戦では、秋季リーグ初戦で勝利を果たした龍大と対峙(たいじ)する。手強い相手だが、関大らしく楽しむバレーができれば勝てる相手。今秋2度目の対戦に挑んだ。相手のサーブミスにより先制に成功すると、序盤は関大が流れをつかむ。日野のノータッチエースや、サーブで乱し川上が速攻で仕留める連携もうまくはまった。さらに、内田がサーブのターンでブレイクに成功する。ミスを誘うプレーで、相手のスパイクが相次いでアウトに。内田のサービスエースも飛び出し、4連続得点を果たした。焦りを見せた相手はここでタイムアウトを要求。しかし、その後も関大の勢いは止まらなかった。鍋井識里(文3)がコートインしたことを合図に、再びブレイク。伊関の1枚ブロックや乱れたボールをダイレクトでたたき込むなど、伊関が3連続で得点を決めた。しかし、後半に入ると状況は一転。相手が本領を発揮し始め、鋭いスパイクで猛攻してくる。ブロックアウトやコートの隙をついたプレーも許してしまい、勢いを止めることができない。苦しい状況の中でも、リリーフサーバーとして登場した林川涼(経3)がサービスエースを決めるなど、士気は落とさない。それでもペースを握った相手に太刀打ちできず、4点差で第1セットを落とした。




取り返したい第2セット。ここから升谷未来主将(人4)が出場し、形勢逆転を狙った。しかし、出だしで2度のブレイクを許してしまう。それでも日野が速攻で相手を乱し得点。升谷主将もコートの隙を狙ってボールを落とし、着実に点を重ねた。そしてその後、関大が食らいつく。伊関の勢いあるストレート攻撃が決まると、直後には鍋井の好レシーブがさく裂する。つながったボールは相手コートへ返り、相手のチャンスボールに。しかし繰り出された攻撃を、伊関・日野のブロックが仕留めた。さらに直後には、日野のシャットアウト、児玉光涼(文3)のノータッチエースが続く。チームを活気づけるプレーが相次いで決まり、4連続得点となった。ここで逆転を果たし、1点のリードを奪う。しかし相手も負けじと3連続得点となり、再び2点差をつけられた。ここからは、両者互角の戦いを展開する。互いにサイドアウトを繰り返し、20-22と、2点のビハインドで終盤を迎えた。巻き返せない点差ではなかったものの、最後に意地を見せたのは龍大だった。力強いスパイクでブロックアウトや吸い込みを狙い、あっという間に3点を奪う。5点及ばす、ストレート負けを喫した。



悔しくも、ファイナルラウンド出場とはならなかった。しかし、秋季リーグはまだ続く。次戦は10月15日、武庫女大との一戦だ。1部優勝を目指し、最終戦まで駆け抜ける。【文:横関あかり/写真:木原綺音】
▼升谷主将
「(2回戦は)秋季リーグの開幕戦で勝っている相手だったので、自分たちのバレーをしたら絶対に勝てるという自信はありました。相手の攻撃に対して1本で決められていることがあったので、そこのブロックの位置取りだったり、ブロックとレシーブの関係がもう少しはまれば良かったのかなと思います。(チームの雰囲気)今日は試合が続くので、体力をしっかり温存させながら開智高戦はいろいろな子を使っていました。誰が入ってもすごく雰囲気が良くて、中での声かけは昨日の練習後から「そこだけはしっかりやっていこう」というふうに言っていたので、そこはやってくれていたと思います。雰囲気的にはすごく良かったと思います。(1回戦は高校生が相手だったが)高校生はフェイントとか、考えてプレーをするわけではなくて、レシーブでどんどん拾うという形だったと思います。そういう部分に対して、粘りという部分では高校生の方が勝っていたのかなと感じています。コートに落ちてしまうボールが何本かあったので、そこは課題点として、次の修正点としてやっていきたいと思います。(リーグ次戦までの練習で強化したい部分)ブロックの位置取りやブロックとレシーブの関係がはまれば、自分たちの1本目がしっかりと入ると思います。攻撃力はすごくあるチームだと思うので、そこを強化したいです。あとは、雰囲気がすごく大事だと思うので、雰囲気面では関大がどこのチームよりもいいと思うくらい、高めてやっていきたいと思います」
▼鍋井
「(2回戦は)秋リーグでは勝った相手なんですけど、やっぱり強いというのは分かっていたから、みんなで頑張ろうと言っていました。内容自体は悪くなかったと思うんですけど、最後に勝ち切れないところが甘かったのかなと思います。リーグ戦では、そこの甘さを詰めていかないといけないなと思います。(レシーブで意識していること)ずっとコートに入っているわけではなくて、途中から入ってきて短い間しかコートにはいられないから、技術というよりは『絶対に上げる』という気持ちの部分が大事かなと思っています。(リーグ次戦までに意識したいこと)チーム全体でサーブを攻めていこうというのがあります。今日の試合は1セット目は結構サーブで攻められている感じだったんですけど、2セット目は相手に取られていました。気持ち的にサーブを入れに行っている部分があったから、もう1回サーブを全員で見直していきたいなと思います。(次戦への意気込み)(次の相手の)武庫女はすごく拾ってくるチームなんですけど、自分たちも『硬い守備力』というのが強みだと思っているので、そこで負けないように、全員で勝ち切りたいなと思います」