[FC2008]後半48分にDF槙山のPKが決まり勝ち越し!3年ぶり4度目の全国へ

◇第58回全国社会人選手権関西大会2回戦◇対守山侍2000◇8月7日◇五色台運動公園サブグラウンド◇
【前半】関大1ー1守山侍2000
【後半】関大1ー0守山侍2000
【試合終了】関大2ー1守山侍2000
GK 生嶋
DF 黒田、中島超、宮武、槙山
MF 津島、加藤、芝元、衣川
FW 宮尾、河岡
4戦勝ちなしと不振が続いていた関大FC2008(FC)だったが、前週の全国社会人選手権関西大会(全社関西大会)を7ー0で勝利。全国を懸けた大一番でKSL1部の格上・守山2000と対戦した。試合は立ち上がりに勢いのあった関大が先制。しかし、前半残り5分で同点に追いつかれるとそこからは相手ペースに。後半はスコアが動くことなく延長戦突入かと思われたが、48分にキャプテンDF槙山佳佑(政策4)のPKで勝ち越し。KSL1部の5枠を勝ち取った4チームがそのまま全社出場を決める中、2部から唯一全国行きの切符をつかんだ。

「4回生を全国へ連れて行く」。強い気持ちで2回戦に臨んだFCが立ち上がりに成功。MF津島龍之介(文4)が右サイドを持ち上がると、MF津島のクロスにFW河岡輝星(経3)が頭で合わせ勢いのままに先制した。序盤は関大の時間が続き、セットプレーなどで攻め立てた。



しかし、なんとか追いつこうと攻め込んでくる相手を前に簡単に追加点は奪えない。前がかりになったところでカウンターを仕掛けられピンチもあったが、GK生嶋健太郎(安全1)のビックセーブでしのぐ。さらに、裏を取られシュートを打たれそうになった場面ではDF黒田翔太(社3)が対応し、フィニッシュまで持ち込ませない。


その後はロングボールも使いながらチャンスをうかがう。DF槙山佳祐(政策4)のロングフィードからフリーのMF津島へのパスが通ると、ゴール前でつなぎ最後はFW宮尾浩幸(情4)がシュート。直後にはFW加藤優太(安全4)が起点となり、前線にボールを供給。相手にプレシャーを与える。


一進一退の攻防が続いた前半34分。右サイドを崩される。このピンチにもGK生嶋が飛び出し対応したものの、その後のコーナーキック(CK)を合わせられ失点。前半残り5分で同点に追いつかれてしまう。DF槙山のロングシュートやFW河岡が相手DFとの1対1をかわしてクロスを供給する場面もあったものの、追加点はないまま1ー1の同点で試合を折り返した。

後半は一転、相手ペースに持ち込まれる。立ち上がりにFW宮尾のパスにMF衣川智裕(情2)が抜け出しシュートを放つ場面やMF芝元今日平(社4)が前線にボールを供給する場面はあったものの、自陣でのプレーを強いられた。流れを変えたい関大は後半13分にFW片岡慎太郎(社4)、DF金原航大(経3)を投入。FW片岡の高さを生かしたボール奪取でマイボールになる時間もあったが、相手ペースは変わらず。ペナルティエリア手前でフリーキックを与えてしまうなどピンチが重なり、DF宮武隼人(社3)やDF中島超男(商2)の両CBを中心に体を張って耐える時間が続いた。





飲水タイムには「マイボールにしよう」などベンチから積極的な声が飛んだ。高い位置でスローインを獲得すると、DF黒田のパスにFW宮尾が頭で合わせる。さらにFW片岡が抜け出す場面や、交代で入ったDF吉本武(情3)のマイナスのパスからFW加藤がミドルシュートを放つ場面もあり徐々にペースを取り戻す。


CKキックなどから何度かはチャンスは作ったものの決めきれないまま時間がすぎる。サイドを崩されてもDF槙山のいち早い対応や、GK生嶋の安定したセービングで大きなピンチはなかったものの得点が動かないまま規定の80分が経過。アディショナルタイムは8分。DF吉本が左サイドを上がると、ボールを受けたFW片岡が抜け出し後半47分にPKを獲得する。延長戦突入を避けるためにはこれがラストチャンスという場面で、キッカーはキャプテンDF槙山。「相手のGKをちゃんと見て、ちゃんと蹴り込んだ」と落ち着いて決め、勝ち越し。その後は大きな展開はないまま試合が終了し、FCとして3年ぶりの全国大会出場を決めた。




08年のFC創設以降、全社にはこれまでで3度出場しているが、最高成績は初出場の13年2回戦だ。しかし、15年には同じく大阪の学生チームである阪南大クラブが準優勝するなど、日本一は決して届かない目標ではない。28日から再開するKSL、そして鹿児島の地で関大FCの名を知らしめる。【文/写真:牧野文音】


▼DF槙山
「率直に最高です。なんか色々普通にいけたら思い入れはあんまりなかったと思うけど、今回監督が来れなくなったりとか、あとはこの1週間練習がうまくいっていないことが多くて、4回生としての発信力、周りをついてこさせる力というのがちょっと足りていなくて、練習の中で1、2回生にいつものような雰囲気を作れなかったという状況があった。このままだったらもしかしたら負けるんじゃないかなという思いが俺もそうだし、DF黒田とか、FW糸井岬(安全4)とかもあって。昨日、前日にミーティングをして、普段あまり話さない4回生が話せば変わると思ったので、4回生の思いを話す機会を作って、30分くらい話して。4回生はうちに持っているものがやっぱりあるし、ラストのサッカー人生かもしれない中で今日は絶対やろうと話して昨日から準備をして。今日のアップもそれが伝播して、1、2回生もベンチもメンバー入ってる入ってない関係なくサポートしてくれたことがすごく今日の勝利につながったかなと思う。今日の試合はそれぐらい思い入れがあって、ちょっと背負う試合になった。(PKを託された場面は)『持ってるなあ』と思って。正直、緊張はえぐかったけど、それよりこれを決めたときのみんなが笑っていたりとか、鹿児島にみんなで行けるというのを想像して、なんも考えずに蹴ろうと思って、普段PK練習もしていたので、相手のGKをちゃんと見て、ちゃんと蹴り込んだ。みんなが(喜びに)来た時はうれしかった。(前期を振り返って)最初(リーグ)5連勝していた時は、勝てていたこともあっていけるという感覚があった。けど、そこからコロナで主力がいなくなったりとかいろいろあって、4試合勝てなかったり、弱くなってしまった。チームとしての実力がないかなと思ったりもして苦しかった。でも昨日ミーティングをして、今日はみんなすごいやるぞという目だったり、来る途中もサッカー見たりとか、すごく自分ができる準備をしていた。TOPが関西優勝しているし、リーグでも上位で、FCもこのままじゃいけない、TOPに続いてFCが全国決めたというのは関大としてもよかったなと思う。(今後へ向けて)FCは主力がいなかったり、監督がいない、5連勝した後に5試合勝てなかったりとか、前期にいろんなことを経験した。他のチームよりすごくいろんな経験をしたと思うので、後期もいろんなことがあると思うけど、前期で学んだことでいろんな対処をしたり、チーム全体でやっていけば首位奪還できると思うので、まずは来週からのリーグ戦で勝てるように明日からの練習を全力で頑張っていきたい。個人としてはリーグでは3得点。得点ランキングでは5番目(9位)。得点ランキングで3位以内に食い込もうかなとちょっと思っているのと、あとは副将としてもFCのキャプテンとしてもなんとしてでも1部に上げるのと、あとは全国大会で関大FC、関大という組織を見てもらえるように全社で優勝目指してやりたいので、頑張ります」
▼DF黒田
「素直にうれしい。うれしいです、まじで。(FCに在籍して3年目だが)1年のころはコロナの影響で大会自体がなくなったので、出場するチャンスすらなかったのでそういった選手たちの思いも込めたいなと勝手に思っていたので、全社決めれて良かった。(試合を振り返って)結構きつかったけど、まわりのみんなが走っていたし、戦っていたし、ピッチの外でもベンチ外の選手も頑張って声を出してくれていたので、きつかったけど勝手に足が動いたみたいな感じで、たぶんピッチ内11人がそういう思いで戦えていたから勝てたと思う。相手も1部のチームで強いというのはわかっていたし、押し込まれる時間もあるやろうなということは全員が理解した上で今日の試合に挑んでいた。なので、押し込まれる時間が長くなるということは僕の中ではある程度想定内で、その中でどれだけ我慢ができて、ラスト1本あるかないかのチャンスで仕留められるかが大事だと思っていたので、今日はその通りになって良かった。昨日ミーティングをして、4回生が全社への思いだったり、4回生としての思いというのをしゃべってくれて、それで4回生自身もそうだと思うし、もちろん1、2、3回生は奮い立たされて、今日ピッチの中でみんなが表現してくれたかなと思うから、今日の結果につながったと思う。(前期を振り返って)結果だけ見ればリーグ戦2位で、全社決めれて良かったかもしれないけど、中身を振り返ってみたら結構反省も多くて、チームの中で方向性だったり4回生と3回生の熱量だったり、すごく難しい半年だったと思う。でも、その中でもDF槙山くんがキャプテンとして中心になってくれて、4回生が中心となってくれて、ちょっとでも良くするためにチームとして取り組んでくれて最後こうやって全社出場という結果を決められて良かった。(今後へ向けて)1人1人がまずはTOPを目指してやるというはFCの選手である以上責任だと思う。そこはベースとして全員が持っておいて、FCというチームとしてはシーズン初めに立てた全社出場という目標と、あとはリーグ優勝して昇格するという目標があるのでそのリーグ優勝、昇格という目標に向けてもう1回頑張りたい」
▼FW片岡
「最高です。FCは去年1部から2部に落ちて、2部になった今シーズンの最初の時点で全社出場と、リーグ優勝は目標というかミッションとして掲げていていた中で、最初に1つ目の目標を達成できたのはすごく良かった。このチームはTOPに一番近いチームで、TOPが全国大会に出場して結果を出し続けている中、自分たちも足を引っ張るわけにいかないし、自分たちが結果を出してTOPに追いつけ、追い越せでやっていかないといけない中でこういう結果を出せたのはめっちゃ良かった。(試合を振り返って)僕が出るまでDFラインは1ー1で耐えててくれて、僕は点を取る能力がずば抜けているとかではないけど、出てから空気を変える力はあると思っていて、それが僕が出る役目でやらないといけないこと。それはベンチから見ていてやろうと決めていた。試合を見ていてロングボールが結構多くなっていたので、自分がヘディングで競ったり、ためをつくったり、それが積み重なっていけば点につながるかなと思っていた。(PKを獲得したシーンは)最後は武(=DF吉本)が待てって言ったときに待ってくれて、相手も戻りきれてなくて途中出場の僕たちが走り勝つだけだったので、途中から出て誰よりも走らなければいけない場面でそういうゴールに直結するプレーができて良かった。(今後に向けて)リーグは前期にあまり良い結果で終われなかったので、後期はまず全勝して確実に1位で1部昇格を決める。全社はFW宮尾、FW糸井、FW加藤とかが1年生のときに全社を経験しているので、あいつらの話も聞きつつ、なんとしてでも現実的には1勝、でもやっぱり目指すところは日本一なので、そこを目指してやり続けたい」
▼GK生嶋
「全社に出るということだけを考えてずっとやってきたので、まず出れることが決まってめちゃくちゃうれしい。(試合を振り返って)追いつかれたけど、チームの一体感とか、この試合に向けた練習の雰囲気とかがめっちゃ良くて、絶対に勝てるなという自信はあったので焦ることはなかった。(自分のプレーも)いつもより気持ちが入っていて、4回生に結構支えてもらっていたので、全社に連れていきたいという気持ちが強くてその思いがプレーに出て良かった。FCはみんな優しくて、めちゃめちゃ好き。大好きです。(TOPチームで出場しているGK山田和季=社1について)同学年のGKがTOPで出ているので、自分もそこに追いついて追い越さないといけないし、FCで結果を出し続けることによって周りからも評価されると思うので、自分はまずは目の前のことを頑張っていきたい。(今後へ向けて)まずはすぐにリーグ戦があるので気持ちを切り替えて、リーグ優勝というところを目標にしているので、そこを達成できるように頑張る。それから全社は4回生にとって最後の戦いなので、チーム一丸となって日本一という大きな目標を掲げて頑張っていきたい。個人としては無失点で試合を終えることを意識して頑張っていきたい」
▼FW河岡
「先週から次勝ったら全国ということでめちゃくちゃ気合い入っていて、その中でチームとして勝てたことがまず良かった。(先制シーンを振り返って)ずっと試合始まってから自分が決めてやるという気持ちで試合に入って、うまいことMF津島さんからいいボールが入って、あとは僕が決めるだけだったのでチームとしていい点が取れて良かった。(全社出場が決まったが)中盤でなかなかうまく勝てない時期が続いたけど、この前の全社出場をかけた初戦でもチームのいい流れをつくってできたことが良かった。(今後に向けて)ここで全国が決まって満足するんじゃなくて、全国で結果を残せるようにそれぞれが準備をして頑張っていきたい」
▼DF吉本
「4回生の(FCとしての)引退を少し先延ばしにできたことが率直にうれしかった。(途中出場だったが)自分は攻撃が得意なタイプなので、1点取ってこいと送り出されたので点を取るつもりでいっていた。全然足が動かなくてやばかったけど、勝てたので良かった。(今後の目標は)個人としてはTOPに上がること。チームとしてはリーグ戦で1部昇格、プラス優勝。全社では日本一をとれるいいチームづくりをして日本一をとりたい」