大阪府学生選手権で優勝!

◇第53回大阪府学生選手権大会◇関西大学弓道場◇5月3日◇
【試合結果】
[予選]
Aチーム 10中(全12射)
Bチーム 6中(全12射)
Cチーム 7中(全12射)
→A・Cチームが予選通過
[一手]
Bチーム 4中(全6射)
→予選通過
[上位8校トーナメント1回戦]
〇関大A10ー7関大C(全12射)
関大B7ー7桃学大A(全12射)
同中競射(1回目):関大B1ー1桃学大A(全6射)
同中競射(2回目):〇関大B3ー2桃学大A(全6射)
[準決勝]
〇関大A8ー7関大B(全12射)
[決勝]
〇関大A11ー2近大C(全12射)
新人戦優勝からおよそ2週間。さらなるタイトルを手にするべく大阪の頂点を目指し、しのぎを削り合った。午前の男子に続いて行われた女子の部は1チーム3人ずつ、3チームが出場。各チームが優勝を目指して奮闘し、見事Aチームが優勝を果たした。

予選は各チームが順調な立ち上がりを見せる。最初に登場したのは実力、経験ともに折り紙つきのAチーム。植木鈴華(商3)、小田桐朱璃(商1)、奥野早紀主将(化生4)が順に弓を引いた。「やるべきことをしっかりやり切れば勝てる」と奥野主将。思い通りに的中を重ねる。全12射を引き切り、結果は合計10中となった。実力の差を見せつけ、余裕をもって予選突破を決める。



続けて登場したのは、宮本紗衣(文4)、足川茉南(法4)、小原沙輝(法3)で組まれたBチーム。「Bチームは波があるチーム」と不安が残るも、本番での強さを発揮した。予選の12射では6中と想定を下回る的中を出してしまう。それでも同中のため行われた一手では4本を的に収め、予選突破を決めた。



最後に予選に登場したのはCチーム。「練習からCチームは調子が良くなかった」と課題を抱えていた。メンバーは岡田湖雪(法1)、中井美里(法4)、吉村涼(人2)の3人。経験の浅い選手たちではあるが、健闘を見せる。落ちの吉村の皆中を始め安定した的中で結果は7中。予選通過を決めた。



その後行われた決勝トーナメントでは、1回戦からいきなりAチームとCチームの同校対決が実現する。Cチームは8中と上々の的中を記録。だが、Aチームが経験値の差で勝る。植木の皆中に小田桐、奥野主将が3中で続き10中。安定した行射でAチームが準決勝進出を決めた。

Bチームは桃学大Aと対戦。互いに7中で一手に持ち込む。1回目は両チーム1中で決着がつかない。2回目は宮本の流れるような射が的に収まり、Bチームが3中と的中を伸ばす。桃学大Aは2中となり、接戦を制して勝利で収めた。

準決勝でAチームが対戦するのはBチーム。1回戦に続き同校対決となった。「相手の音を聞きながら試合する感覚が新鮮で緊張した」と植木。それでも力むことなく半矢をクリアし、チームとしても8中を記録。番狂わせを起こしたいBチームも宮本と小原が3中を達成するが、合計7中と一歩届かない。Aチームが決勝進出を決めた。

決勝は近大Cと対戦。植木と小田桐が皆中、奥野主将が3中と決勝でこの日の最高的中である11中を達成。圧巻の行射で相手をひきつけない。この結果によりAチームの優勝が確定。結果が伝えられると会場がBチーム・Cチームの選手を含むすべての部員による大きな拍手に包まれた。

新人戦に続き、大阪の頂をも手中に収めた関大弓道部。この先には関西選手権や選抜大会など、関西、全国規模の大会が続く。層の厚さを再確認した今大会。熾烈なレギュラー争いを繰り広げ、その先にあるタイトル総取りを成しとげる。【文/写真:大森一毅】

▼奥野主将
「今日の試合は自分たちのやるべきことをやり切れば勝てると思っていた。一本一本全部で力を出し切ることを意識していた。(優勝について)途中で崩れたところもあったが、最後まで粘り強く戦えたという部分では良かった。(全チームが予選を突破できたが)AとBはほぼ確実に通ると思っていた。Cはあまり的中が伸びていなく、頑張ったら通れるかなという立ち位置だったので、不安な部分はあった。それでも、3人ともポテンシャルは高いので自分たちのやるべきことをやっていれば予選を突破できる可能性は十分にあると思っていた。トーナメントの8分の3を関大で独占できて良かった。(自身の課題は)決勝の1本目。大事な場面だったので、そこであて切れないところが課題だと思う。(今後に向けて)男女ともに大阪府選手権に優勝することができたが、この後には関西選手権を初めとするもっと大きな大会が待っている。そこでもしっかり優勝できるように準備をして勝ち進んでいきたい」
▼小田桐
「予選と決勝はオンライン、トーナメントの1回戦と2回戦は関大同士の対戦だったので対面で行われた。オンラインの試合は冷静になって引けたが、対面の試合ではすごく緊張してしまった。そこで外してしまい自分の弱さが分かった。(優勝について)優勝できたのはうれしかったが、今回は先輩2人に助けられた試合だった。本当にありがとうございますと伝えたい。(課題は)自分は緊張してしまうと会が早くなったり、迷いが生まれてびくがでたりしてしまう。今日も会で不安になってしまったのでそこが課題。(今後に向けて)今日で自分の弱さが分かった。今日学んだことを次の試合で生かして今後は全部あてられるように頑張りたい」
▼植木
「午前中に男子が優勝したのを見ていた。私たちもAチームとして優勝できたらいいなと思っていた。頑張った結果、優勝できてとてもうれしい。練習では的中率がいい日もあったが、崩れている日もあった。今日はみんなの波長がかみ合った日だと思っている。自分自身はこの試合は下がり調子になっていたが、全体としては皆中を出すこともできたので良かった。(自校対決の影響)今日はオンラインでの試合なので相手を意識することは少ないと思っていたが、自校対決が2試合もあった。相手の音を聞きながら試合する感覚が新鮮で緊張した。(目標は)苦手な1本目をあてること。今日は自校対決もあったので1本目をあてることで相手にプレッシャーを与えられた。結果として1本目は全部あてることができ、課題をクリアできたのは良かった。(今後に向けて)関西選手権やインカレ、選抜大会が続いていく。自分の調子を上げて関大の優勝に貢献していけるように頑張る」
▼宮本
「この1週間は調子があまり良くなかった。その点で不安はあったが、自分がやるべきことをやれたことは良かった点。初戦は、Bチームは6中でなんとか競射に持ち込めた。だが、その競射では1本抜いてしまった。自分は大前のポジションなので抜いてしまうと後の2人にプレッシャーがかかってしまうなと思っていた。普段とは違うことを考えてしまったことで本当に意識しないといけないことが追い出されてしまったような状況だった。やり切れた中にも反省点は感じた。(決勝トーナメントは)初戦で皆中ができて良かった。後ろが抜いてしまっていることは分かっていた。その中であてられたことが自分の中では成長だと感じている。決勝トーナメントの片側のブロックの4分の3が関大だった。Bが勝てば関大の入賞が確定する状況だったので、絶対勝って歴史をつなげないといけないと思っていた。その場面で4本つめられたことは良かったと思う。同中競射ではチャンスを絶対に逃したらいけないという意識の中で最後の1本がすごくきれいに飛んだので良かった。(接戦を勝ち切った要因)チーム3人が互いに信頼できていた点だと思う。自分たちは波があるチームだったが、全員が崩れることは少ない。支え合えるチームだったことが一番の要因。(自校対決について)緊張というよりむしろ安心して引けた。いつもの景色だと思ってリラックスできた。(課題は)緊張して力んでしまう点。それによって手を振ってしまって矢が散らばってしまうところが課題。緊張する場面ほど力まずに挑まないといけないと思う。(今後に向けて)まだまだ未熟ではあるが、今後も続く試合でAチームに負けないようにしたい。自分が選手になれなくても、出ている人が崩れた際にいつでも自分が出場できるように準備をして、関大弓道部の目標達成に向けて頑張りたい」
▼吉村
「練習からCチームは調子が良くなかった。その中で予選を通過できたことはいい点。1本目からつめることができて流れに乗れた。いい雰囲気の中で試合ができた。(自身の皆中について)前があててその流れで自分も1本目をあてることができた。そのまま落ち着いて自信を持って引き続けることができ、その結果皆中ができて良かったと思う。(自校対決について)いつもの練習みたいだなという気持ちもあったが、試合なので緊張した。相手を意識してあたっている音が聞こえた中で戦えた。いい試合ができたかなと思う。(課題は)皆中した後に崩れてしまったこと。その部分は今回の反省点。(今後に向けて)今回は課題を感じたところがあったが、今後は自分で自信を持って試合に臨めるようにしたい」