劇的逆転勝利で有終の美!

◇2021年度関西学生秋季リーグ5位決定戦◇対聖泉大◇12月12日◇立命館OICフィールド◇
[第1Q]関大0―0聖泉大
[第2Q]関大0―1聖泉大
[第3Q]関大0―1聖泉大
[第4Q]関大2―0聖泉大
[SO戦]関大3-2聖泉大
[試合終了]関大2(3-2)2聖泉大
リーグ5位を目標に掲げてきたホッケー部。勝っても負けても4年生にとっては最後の試合で聖泉大と対戦した。春季リーグ5位決定戦では敗北を喫した相手で、戦績も0勝2敗。格上の相手に第3クオーター(Q)までに2点差をつけられるが、最終Qでは意地を見せてシュートアウト(SO戦)に持ち込む。サドンデスまでの接戦の末、見事勝利。5位で終幕となった。
第1Qは拮抗(きっこう)した展開に。相手の攻撃をディフェンス陣が阻止し、パス回しで好機を伺い続ける。しかし、後半にはキーパーが横に出てゴールが空いている隙にリバースヒットを打たれる。運良く外れピンチを切り抜けるが、これが関大の攻撃にエンジンをかけることに。このQ残り3分の場面。ボールを受け取ったFW吉田有我(法1)が相手ディフェンスを抜きサークル外から狙うが、タッチできず得点には至らない。さらに、FB森川瑤(人2)のスクープからボールはFB水川幹也(経3)、FW澤田尚志(商4)、FW粕渕正真(人3)とつながるが、先制点を奪えない。





第2Qでも一進一退の攻防を繰り広げる。ペナルティーコーナー(PC)を与えるなど、序盤から猛攻を受ける。しかし、FB水川がカットして前へつなぐが、ゴールを捉えることはできない。そんな中、残り約2分でPCを献上する。放たれたボールはゴールの左端に吸い込まれ、先制点を与えてしまった。その後、終了間際にもピンチが訪れるが、FB五味亨介(環都4)がサークル外で阻止して試合を折り返す。相手のセンターパスから始まった第3Qは序盤からカウンターを受ける。しかし、2度のピンチをうまく切り抜け追加点を与えない。するとチャンスが訪れる。後ろからつながれたボールをFW柳田昂輝主将(情4)が受け取ると、ドリブルで相手ディフェンスをかわしていく。リバースヒットでゴールを狙うが、惜しくも追いつくことができない。その後のPCでゴールは守るものの、続くピンチでリバウンドを押し込まれて痛い追加点。巻き返したい関大は、まずFB森川がドリブルでカウンターを狙う。ゴールとはならないものの、相手ディフェンスがクリアしたヒットをFW粕渕が止めてチャンスを逃さない。そしてこの日初めてのPCを獲得。しかし、プッシュはゴールから外れ、0-2と厳しいスコアで最終Qを迎えることとなる。


4年生にとっては最後の15分。気合を入れ直した関大はいきなり大きなチャンスを迎える。開始1分でPCを獲得。FW柳田が出したボールをFW澤田がぴたりと止めると、FB水川が力強いプッシュでゴールネットを揺らし1―2とする。流れを奪った関大の激しい攻撃は止まらない。FB水川のパスからFW粕渕が滑り込んでタッチを試みる。ボールは少し外れるが、その後もFB田中溫人(商3)のパスからFB森優吉(商1)がドリブルでサークルイン。さらに、MF紀野来音(人2)からFW澤田にボールが渡りセンターからヒットを放つもファウルで得点に結びつかない。しかし、ここでついにスコアが動く。サークル横にいたFW杉山涼(商4)にカウンターでロングパスがつながると、中に向けてプッシュ。サークルセンター内に入ったFB森川が見事に合わせ、同点のゴールを決めた。残り4分。PCも切り抜けて、SO戦を迎えることとなった。




前日の試合でも、最終Qで追いついたのちのSO戦逆転勝利。関大は流れをつかんでいた。しかし、先攻の関大は3番手まで相手キーパーを抜くことができない。一方の聖泉大は1、2番手が確実にゴールを決め、これ以上失点は許されない場面を迎える。GK若生知嵩(化生3)はスティックを使ってゴールを死守。3人目を終えて0-2と、1つも落とせない厳しい場面で登場したのはFB水川。一度はリバースヒットを弾かれるものの、リバウンドを冷静に合わせてゴール。関大に流れを取り戻した。その後GK若生は4番手にもゴールを許さず、チームはさらに勢いづく。仲間の力強い応援とともに送り出された5番手のFW吉田。後がない場面でも冷静な判断でGKをかわしてゴール。そして相手5番手の放ったボールがゴール横に流れるのを見たGK若生は渾身のガッツポーズを見せた。

熱き接戦はサドンデスに突入し、関大は後攻に。6番手が放ったプッシュがGK若生の正面にくると確実にクリア。勝利が目前に迫った。会場にいる全員が固唾(かたず)をのんで見守る中登場したのはFB森川。ホイッスルと同時に正面に走り、一度相手GKに当てて跳ね返ったボールをノーバウンドで振り抜くと、見事にゴール。2点差からの劇的逆転勝利を収めた。

2日連続の逆転勝利によって目標の5位で秋季リーグは幕を閉じた。4年生はこれで引退。チーム全員が見せた執念で有終の美を飾った。【文:上田紫央里/写真:森本明日香】