2連覇果たした東海大に熱戦繰り広げる。4年生笑顔の引退

◇2021年度全日本学生体重別団体優勝大会◇12月8日◇於・ベイコム総合体育館
【1回戦・対東北学院大】
△先鋒・松山直暉主将(人4)
△次鋒・豊永奏太(人2)
△五将・小倉樹(法3)
〇中堅・山崎祐士郎(社2)
〇三将・奥野友輝(文4)
〇副将・尾古礼夢(人1)
△大将・若原涼太(人3)
〇関大3―0東北学院大
【2回戦・対東海大】
△先鋒・松山
●次鋒・浜崎誠大(人3)
●五将・小倉
●中堅・山崎
●三将・奥野
●副将・宮部広大(人2)
●大将・眞木学人(法2)
●関大0―6東海大
全国体重別から約2週間。団体戦が兵庫の地で開催された。4年生が引退となる集大成だ。1回戦の東北学院大には勝ち星を与えず快勝。続く東海大には勝利することはできなかったが、前回大会覇者を相手に熱戦を繰り広げた。

1回戦、先鋒の松山は、相手に崩される場面もあるが、しっかり耐え抜き好機を伺う。奥襟を取り、技を決めにかかるも決めきれず。引き分けとなった。続く豊永も積極的に攻めるが引き分け。五将の小倉は惜しい攻めを何度も繰り出す。試合の流れを完全につかむが、決め切ることはできなかった。中堅・山崎は低い姿勢から足技でチャンスを作り出す。見事技ありを奪い、そのまま勝利を収めた。そしてその流れに奥野が続く。相手を崩し、うまく返すところから抑え込みに入る。危なげない試合展開で勝利し、エースの力を見せつけた。副将の尾古は試合終盤でうまく相手を引き付け1本を獲得する投げを決めた。対象の若原も一進一退の攻防を繰り広げ、相手に勝機を与えない。見事負けなしで1回戦を突破した。







続く2回戦は王者・東海大と対峙(たいじ)。松山は強敵を相手にしてもひるむことはなかった。積極的に前に出ることで白熱した試合展開となる。最後まで攻める姿勢を忘れず引き分けとした。次鋒の浜崎は、軽量級ならではのスピード感のある試合展開を繰り広げる。だが、なかなか思うようなプレーを出すことはできず、黒星を喫した。続く小倉は、体格で劣る相手に苦戦し、寝技から抜け出すことができず敗北。山崎も、開始15秒で技ありを決められ苦しい展開に。その後も劣勢を覆すことができず抑え込みから黒星を喫した。エース・奥野の2試合目。序盤から激しいせめぎ合いを演じ拮抗(きっこう)した展開となる。何度も惜しい攻撃を繰り出すが、相手も意地を見せ耐え忍ぶ。優勢に見えた試合だが、残り1分20秒のところでうまく足を合わされ技ありの判定。なんとか反撃したいところだったが、逆転を果たすことはできなかった。2回戦から登場した宮部は、難しい態勢から投げを決め、東海大相手に初の技ありを奪う。このまま勝利を収めたいところだったが、体をうまく使われ逆転の1本を決められてしまった。チームの負けは確定しているが、なんとか意地を見せたい眞木。激しい組手から攻撃の糸口をつかみたいところだったが、うまく体を崩され抑え込みに持ち込まれる。そのまま抜け出すことはできず、黒星となった。







快勝からの完敗。苦しい展開となるが、今大会で2連覇を果たした東海大を相手に得たものは大きい。「0―6で差はあったけど、内容的に戦える部分もあった」と松山。先輩の思いをつなぎ、来年こそは大舞台での飛躍を見せる。【文:宮本晃希/写真:吉田千晃】
▼松山主将
「最後だったので自分の持っているものは全部出せたかなと思う。先鋒だったので、チームの流れを作らないといけなかったけどポイントを取れなかった。(チームとしては)1回戦はポイントを取られずに試合を進められた。2回戦は東海大で強いのは分かっていた。0―6で差はあったけど、内容的には戦える部分もあったので良かったと思う。(特に良かった選手は)奥野ですかね。この試合だけではないけど、ポイントゲッターとして頑張ってくれた姿はカッコよかった。(4年間を振り返って)自分的には結果を残していきたかったけど、なかなか勝てなかった。でも、やれることはやれたと思う。(後輩たちへ)もっと高いレベルで戦う姿を見たいので頑張ってほしい」
▼奥野
「最後ポカしてしまって投げられたけどやれることはやれた。1回戦は寝技で勝負できたらいいなと思っていて、自分の思っている通りにできたのでよかった。(東海大の印象は)隙が無かった。そのことは分かっていたからこそどうやって投げていくかを考えていた。でも、指導をもらって焦って技をかけたところで返されたので、最初の組手に課題があったと思う。(4年間を振り返って)団体戦はうまく試合できていたけど、ここで勝たなあかんってところで負けたりした。そこは良くなかったところ。今日は最後なので思い切ってできた。個人戦は1回戦負けだったので、全力で悔いのないようにやった。最後はちょっと悔いがのこったけど、社会人でも柔道をするので、そこでもっと鍛えて上のクラスで戦えるよう頑張る。(後輩たちへ)東海大は1番2番を争うようなところで、取られたところはあるけど、勝負はできていた。気持ちの面で絶対に負けないように、ガツガツ攻めていったら勝てると思います!」
▼小倉
「(試合を振り返って)1回戦も2回戦も不甲斐ない試合をしてしまって、4年生にとって最後の大会なのに申し訳ないなという気持ちでいっぱい。(相手の印象について)高校生の時に1度試合をしていて、その時はそんなに差はなかったけど、今はだいぶ差が開いていて自分もあと1年で追いつけるように、死ぬ気で練習するしかないなと思った。(次期主将としての意気込み)前期主将の松山さんみたいに柔道の強さもリーダーシップも足りないけど、そこは同期たちに補ってもらいながら今年のチームを少しでも超えられるように頑張っていきたい」
尾古
「(試合を振り返って)最初は攻められていて自分は不利な状況だったけど、最後取り切ることができてよかったなと思う。(相手の印象について)自分よりも小さくて苦手なタイプだったけど、最後まで自分の柔道ができてよかった。(中盤の試合展開について)競っていて自分が取りに行かないといけない場面だったので、取りに行こうと思った。でも、やっぱり相手は強くて少し苦戦した。(1本を決めた時の心境)気持ちよかった。(今後の意気込み)これからはさらに上の相手にも勝てるように練習をしていきたい」