関西無敵を示した!次の舞台でもアグレッシブに

◇第68回関西学生リーグ戦プレーオフ◇対同大◇11月28日◇関西大学たかつきアイスアリーナ◇
[第1P]関大4-0同大
[第2P]関大2-1同大
[第3P]関大0-0同大
[試合終了]関大6-1同大
前日の立命大戦を4-2で勝利。「それより良い試合をして関西リーグを優勝で締めくくろう」 (DF岩瀬谷拓哉主将=社4)。13年続く関大の優勝を逸さないため、暫定2位・同大との最終戦に闘志を燃やしてリンク入りした。ベンチも熱気で溢れ、応援席には家族や大学の仲間の姿が。今、王者となる舞台は用意された。


FW佐々木隆弥(情3)のフェイスオフで試合の火蓋が切られた。開始すぐは両者パックを取り合い、リンクを走り回る展開。5分には、関大がパスミスしパックを拾った同大が自陣から関大陣地まで上がってくる。ゴール右斜め前からシュートを放ってくるがGK石田龍之進(経4)がスティックを使ってキープ。先制点は絶対に与えない。もちろん、関大が貰う。開始9分、壁を使ったプレーでパックを奪ったDF岩瀬谷。ゴール前にいる多くの選手を抜く好ショットを見せ、その一打はそのまま得点に。主将自らがチームにもたらした先制点はゴールラッシュの火付け役となった。1点目から間もなく12分。先ほどは得点を決めたDF岩瀬谷は、今度はアシストにまわる。ゴール前にいたFW根本慎太郎(情2)に渡すと、FW根本のリバウンドにFW黒須誠眞(情1)が合わせて叩くと、パックはGKを抜き2-0。






得点はさらに続く。 1分後には、前日2得点を決めたFW山根早加(社1)がこの日もネットを揺らしていく。ブルーラインでパックを持っていたDF佐々木亮悦(情4)のシュートレーンが相手GKに読まれないようにゴール前へ入るFW山根。DF佐々木亮からパックを受け取り、確実にゴールをしてみせた。 同じく13分、次はFW根本の出番だ。FW黒須から託されたパックを無駄にすることなく、混戦を制し得点。どんどん差を広げていく関大。第1ピリオド(P)残りは守りのプレーで無失点。4-0の大差をつけ、15分体を休める。



その間も選手間でのコミュニケーションは忘れない。スタンドで見守る仲間も声をかけた。仲間からエネルギーをもらうと、関大は立ち上がりのキルプレー(数的不利な状態)を難なく乗り越え、さらにメンバーが6人に戻るとすぐに追加得点。DF鈴木郁也(情2)が自陣での素早い方向のスイッチで敵選手を翻弄し、その間に距離を作る。センターラインでFW根本に渡り、そのパックは逆サイドのFW嶋野瑛心(文2)の元へ。弾みのあるショットはGKの顔の横をすり抜けゴールラインを越えた。




スコアが重なり、完封勝利が見えてきたそんなときだった。6分、ゴール前にDF陣が構えたが痛恨の失点をする。ただ、ここで聞こえる「変えない変えない!」の声。悪い流れを引きずらない姿勢が、以降は無失点という結果に導いた。さらに、取られた点数は返す。18分には、流れてきた同大パックをDF鈴木がブルーラインで獲得し、単独でゴール近くまで持っていく。1度はGKへ吸い込まれたものの、リバウンドで決めなおした。6-1で第1P終了後以上に差を広げ最終Pに挑む。

同大は差を縮めるためにパスフェイクで関大を揺さぶろうとする。そこでも動じない関大は自陣にパックが来る危機でも、8分にはDF米津優風(人2)やDF勢が敵陣に戻す落ち着きを見せる。負けじとFW勢も健闘。14分のキルプレー中でもシュートを放ち、「関西では関大が1番強い」ところをアピールした。最後はパスミスで取られ、ゴール前まで持ってこられたパックをGK石田が止める。リバウンドも枠に当たり、失点が免れたまま終了のホイッスルが鳴った。6-1で勝利し、秋季リーグ優勝も決めた。


今年度の秋季リーグで関大からはFW嶋野が最優秀選手賞、FW神山太一(人1)が最優秀新人賞を獲得した。FW嶋野は「決定力をつけ、重要な場面で点数に絡み、勝利に貢献できるような選手になりたい」と今後の進化を約束した。16日からは全日本選手権大会に挑む選手たち。社会人やプロを目の前にするが、勢いそのままに突き進む。【文/写真:木原綺音、吉田千晃】

▼岩瀬谷主将
「(最終戦どのような一戦にしたかったか)昨日の試合が結構雰囲気がよくて、点数も取れて良い試合だったので、それより良い試合をして関西リーグを優勝で締めくくろうと話していた。(試合を振り返って)最初良い感じで得点できたが、2、3Pが少しペースが落ちてしまって、そこがこの先のチームの課題だと思う。(自身の先制点について)最近はスクリーンを使って得点をしたいというのがチームの目標だったので、今日の僕のゴールは2人ぐらいゴール前にいてそこで得点できたのはチームにとってプラス。先制点だったので流れが良くなったと思う。(前回の同大戦から手応え)ベンチの雰囲気が以前よりも良くなったなと思う。プレーに関しては、グレーゾーンのターンオーバーだったりをなくすというのがチームの目標だったので、そこを減らせて、なおかつミドルもつないで良い流れで攻められるようになったと思う。(秋リーグ終了後)最終的な目標はインカレでベスト4に入ることで、今年は中央大と当たるが、そこに勝つために、今後は全日本選手権もあるのでもっとチーム力を高めていこうと話した。(全日本選手権に向けて意気込み)相手は大学時代のトップスターだったり、上手い選手が多いが、大学生として走り負けせずに、シュートブロックだったりをして、あとはチームの課題であるグレーゾーンでのプレーやスクリーンでの得点などをして確実に勝利を狙っていきたいと思う」
▼根本
「(試合を振り返って)とりあえずは勝てて一安心。(昨日の試合からの切り替え)スタートとしては昨日の試合も今日の試合も変わりはなかったが、今日は得点が調子良く入ってくれた。昨日は逆にノーゴールとかもあって良い流れに持っていけなかったので良かった。(ゴールシーンを振り返って)ゴールにパックを集めて、そこから何かできたらという思いで集めていたので、ご褒美みたいなもの。(前回の同大戦から手応え)同じスタッツではあったが、今日の試合は1Pでほぼ勝負が決まっていたので、その点に関してはむこうの方が人数少なかったりするので、できるメンタリティーとかの部分で、むこうを圧倒できたので良かった。(全日本に向けて)ここから2週間ぐらい時間があるので、改善の余地はいっぱいあると思う。2週間時間をかけながら、リーグ戦で出た改善点を改善して、ベストな状態で挑みたい」
▼嶋野
「(試合を振り返って)ぶっちゃけ言うと、昨日の疲れが少し残っていて、自分的に足が動かなくてやばいかなとは思ったが、同じプレーを続けてきたら戻ってきた。(ゴールシーンを振り返って)あそこは決めないとさすがに怒られるなって。今日はあと2点ぐらい決められるところがあったのでそれはインカレに向けて修正していきたい。(前回の同大戦から手応え)1Pに4点取れていたので、そこは実力差見せられたかなと思う。(最優秀選手賞を獲って)最優秀選手賞を頂いて、家族や支えてくれてる方が喜んでくれたことが1番嬉しい。今回の関西リーグでは個人的に何本も決定力の無さを痛感する場面が多くあった。日々の氷上練習を大切にし、決定力をつけ、重要な場面で点数に絡み、勝利に貢献できるような選手になりたい。(全日本選手権に向けて)1回戦、大人相手なので、力で負けてしまうと思う。そこをどうかパスを回したり、うまく違う方向からでもいけるように。対等にしたら負けると思うので裏かける戦術とれたらと思う。つないでもらったパックはゴールに入れていく」
▼鈴木
「(最終戦どのような一戦にしたかったか)昨日勝って流れは良かったので、最後、今日も大差をつけて勝って終わろうと思っていた。(試合を振り返って)1Pからどんどん全員足を動かせて。4点入って良い流れだった。(ゴールシーンを振り返って)読んだらたまたまパックきて、本当は1本で決めたかったけど、自分のリバウンドで決められて良かった。(前回の同大戦から手応え)今日の方がみんな声が出ていて、チームも一丸となって勝ちに行くぞという雰囲気でできていたので前回よりもっと良い試合だった。(全日本に向けて)インカレにつながる良い試合で終われるように、全員でまた一丸となってやっていきたい」
▼黒須
「(最終戦どのような一戦にしたかったか)関西リーグ最後だったので、優勝は決まっていたが、最後勝って終わりたいなと思っていた。(今日の試合を振り返って)神山が前に怪我をして、急遽2セット目に出ることになったが、しっかり瑛心さん(=嶋野)と慎太郎さん(=根本)とプレーできて良かった。(ゴールシーンを振り返って)慎太郎さんが良いシュートを打ってくれて、それを叩くだけだったんで、ありがとうございますって感じ。(前回の同大戦から手応え)前より関大は良いホッケーができてるので良いと思う。(全日本に向けて)1回戦目は社会人相手だけど、しっかり勝って、次プロチームとやりたいと思う」
▼山根
「(試合を振り返って)最初1P良い流れで結構得点して、チームも勢いに乗って最後の方ちょっと焦っている場面もあったが、勢いよく勝てて良かった。(自身のゴールシーンについて)フェイスオフ直後だったので、3番の亮悦さん (=佐々木亮) のシュートレーンが見えてたので、そこで自分がスクリーンに入って触って入ったという感じ。(前の同大戦から手応え)自分は前の試合あんまり出てないが、ベンチから見てた雰囲気は、前の試合も結構勢い良く得点して勝てたんで、そんなに変わりはなかったと思う。(全日本への意気込み)全日本はけが人の人たちが結構帰ってくると思うので、チーム全体で万全に準備して臨みたいと思う」
▼神山
「(観ていてどんな試合だったか)1Pにたくさん点をとれて、そこから関大のペースでいけたので、1Pから試合を決めるカギになっていて良かった。(最優秀新人賞を獲って)うれしい。獲ったからといって、ここで終わるのではなく、来年は得点王やMVPになれるようにしたい。(全日本選手権に向けて)まだ完全にセットとしてできあがってないので全日本やインカレまでにちゃんとコンディションを持っていって、5人の息がしっかり合うようにしていく」