ルーキーの活躍で立命大に白星

◇第68回関西学生リーグ戦プレーオフ◇対立命大◇11月27日◇尼崎スポーツの森◇
[第1P]関大2-1立命大
[第2P]関大1-1立命大
[第3P]関大1-0立命大
[試合終了]関大4-2立命大
先週の関学大戦から7日の間でさらに負傷者が出てしまい、再びセットの入れ替えを強いられた関大。主力メンバーが不在で、安定の勝利がかすれているときだからこそ、この立命大戦は士気を高めて臨んだ。試合前からいつも以上に選手間でコミュニケーションを取るシーンが目立つ。第1P(ピリオド)序盤で2得点を奪うものの、その後は上手く勢いに乗れず無得点。1週間前の接戦がよみがえるが、今日は「同じプレーを続けられていたので勝てた」(FW嶋野瑛心=文2)。ルーキー・FW山根早加(社1)の活躍もあり、4-2で勝利を収める。

第1P、開始すぐ39秒に相手プレーヤーが2分の退場を命じられパワープレー(数的有利な状態)となった。2セット目は一気にスプレッドの形に広がり攻撃を開始する。コーナーでの対決を制しパックを奪うとFW嶋野が信頼厚いDF鈴木郁也(情2)にノールックでパス。DF鈴木からFW根本慎太郎(情2)に渡ったパックは1シュートとなるが、ゴールからずれてしまう。FW嶋野もそれに続くが、パワープレー中にはネットを揺らすことはできず。だが、2分後FW嶋野がリベンジ弾を決める。FW根本が自陣で逆サイドに待つFW嶋野にパスを送るとFW嶋野は相手DFをかわし、そのままGKの隙に入れてみせた。先制点は関大がつかみとった。



先制ゴールから程なく開始6分、自陣にあった危ないパックをDF熊谷天祐希(たかゆき=情3)が救いだしFW高橋佑萌(ゆうき=人4)がセンターライン付近のFW山根に託すと、それを左からゴールした。数分間で2点リードに広げる。第1P残りもゴールを生んでいきたいところだったが、FW根本の一撃はノーゴールとなる。そのまま関大がキルプレー(数的不利な状態)に。その間、相手に得点を許してしまった。立ち上がりの得点後、なかなか自分たちのペースで試合を動かすことができない戦況。先週の接戦が脳裏に浮かぶ中、2-1で第1Pを終える。

第2Pの6分にはピンチも。6人対6人の中、自陣で相手にパックを支配される展開。関大プレーヤーたちが揺さぶられ、なかなかゴール前の守りをかためることができないまま混戦にもつれ込む。なんとかゴールラインを越すことを阻止し失点を防ぐ。だが8分。立命大が自陣からパックを保持し続けDF鈴木やDF岩瀬谷拓哉主将(社4)のDFラインを抜きゴール。先ほどは免れた失点だったが、今度は相手にリベンジされ、同点に追いつかれる。

同点弾後に訪れたパワープレーの好機を逃すも、第2P残り1分に敵陣でのフェイスオフでチャンスが再来。フェイスオフ直前にFW佐々木隆弥(情3)がFW山根に「俺が引くから打ってくれ」(FW佐々木隆)と声をかけた。その言葉通り、FW山根は得意とするコーナーから切り込み、1人を抜いてシュートする形をゲーム中で発揮し、自身2得点目を挙げる。残り1分は守り抜き、3-2のリードで最終Pに迎える。


「1P同じ流れでできるように集中して3Pに入った」(FW熊谷天祐希)。第3Pはじめはパワープレーとキルプレーどちらも味わい流れをつかみにくい状態だったが、冷静にプレーし続ける関大。8分にはDF佐々木亮悦(情4)のシュートが相手プレーヤーのブレードに当たり、そのままターンオーバーとなるが GK石田龍之進(経4)がしっかりキープする。開始15分のキルプレーを乗り切り、P残り2分。FW高橋、FW佐々木隆がゴール前を制すことができないまま、パックはDF熊谷天祐希の元に。正確なショットでミドルシュートを決めてみせた。試合終了直前のゴール。点差を最初の2に伸ばし白星を挙げた。



明日は秋季リーグ最終戦。選手はみんな「関西1位は関大であることを見せつけたい」と口をそろえる。関西では天敵である同大に圧勝し、今年も関西王者となる。【文/写真:木原綺音】

▼佐々木隆
「(秋リーグ最終週を前にチームの雰囲気)練習中にけが人が増えてまたセットが変わったけど、変わったなりにセットごとで話し合っていた。今日もまとまってはなかったけど、変わったばかりの割にはできたと思う。あと1試合最後明日あるので、もう少し話し合って、ここがゴールではないので全日本を目標に頑張っていきたい。(良かった点と悪かった点)良かった点は、いつも通り前に前に出られていたこと。フォアチェックから始まって相手のミスを誘って、ゴールに集めるプレーができた。悪かった点は、個人的にチャンスのときにパスミスがあったので、そこを正確にできたらもう少し点数が入ると思う。(山根の2ゴール前の会話について)同点だったので、ゴールに集めてチャンスを作って流れが欲しかったので、俺が引くから打ってくれと言った。(秋季リーグをどんな一戦で締めくくりたいか)前の試合は勝ったけど、その前は引き分けで終わっているので油断せずに自分たちのやることをやって、楽しく終わるというか、大差で圧勝して、やっぱ関大強いなという試合にしたい」
▼熊谷天祐希
「(秋リーグ最終週を前にチームの雰囲気)キャプテンの岩瀬谷さんがしっかりとインカレに向けて声を出して、みんなでチーム一丸となって盛り上げていこうと言ってくれていたので、チームの士気も上がって今日最初5分から良い内容のゲームができたと思う。(試合を振り返って)立ち上がり5分から1Pは2点取って、ノーゴールが2点あったが、チーム的には良い流れで1Pを終えられた。2Pは1Pほどの勢いがなく1失点してしまった。3Pはもう1度監督・キャプテンから盛り上げて、また1Pと同じ流れでできるように集中して3Pに入った。1失点はしてしまったが、1年生の活躍もあって結果4-2だったので明日の同大戦には良い形でつなげられたと思う。(ゴールシーンを振り返って)僕のゴールは敵も味方もゴール前に密集していたので、とりあえず流す感じで結構強めに打ったら入ったので、ごっつぁんゴールだと思う。(秋季リーグをどんな一戦で締めくくりたいか)明日は無失点で終わらせて、関西では関大がやっぱり1番強いというところを見せつけて勝ちたい」
▼嶋野
「(秋リーグ最終週を前にチームの雰囲気)けが人がちらほら出ていて、出ている人もけがを我慢してたりとか、コンディションでいったら良くないけど、気持ち的にも上に上にだから乗り切れると思う。(試合を振り返って)ゴールがノーゴールになったりアクシデントが多かった。先週の関学大戦は先に2年決めてもたついて接戦だったが、今日は同じプレーを続けられていたので勝てたと思う。(試合を振り返って)1Pのはじめで覚えていないけど思い通りに入った。(良かった点と悪かった点)自分たちのセットは初めてのラインメイトでズレはあるが明日に修正する。良いところはシュート数は多かったと思う。あとはフィニッシュ。最後決め切れるか決めきれないかで明日の勝敗が分かれてくると思う。(秋季リーグをどんな一戦で締めくくりたいか)接戦は避けたい。圧勝して、関西では関大が1位だぞということを知らしめたい」
▼山根
「(秋リーグ最終週を前にチームの雰囲気)今シーズンけが人が多くて、3人ぐらい抜けて自分が代打という感じだった。それでも1セット目の人が受け入れてくれて、今日の試合も勝てた。(試合を振り返って)最初ずっと押せ押せモードで結構攻めていたが、途中追いつかれたりして厳しい試合だったけど結果的に勝てたので良かった。(ゴールシーンを振り返って)1点目は結構1Pの序盤で、どんどんシュートを打っていこうという場面で、リバウンドを出そうと思ったものがシュートが運良く入ってラッキーゴールだった。2本目は自分の得意な形で決められたので良かった。(得意な形とは?)コーナーから切り込んでいって、1人抜いてシュート。(2得点前、佐々木隆との会話について)どんどんシュートを打って思いっきりやってこいと言ってもらって、思い切ってやれたかと思う。(秋季リーグをどんな一戦で締めくくりたいか)もう優勝が固いと思うが、最後まで全員でやり切って全力で勝ちに行って優勝したいと思う」