リーグ最終節で意地見せる。快勝収め2021シーズン終幕

◇第99回関西学生リーグ後期最終節◇対大院大◇11月21日
【前半】関大0―0大院大
【後半】関大2―0大院大
【試合終了】関大2―0大院大

ついに迎えたリーグ最終節。勝敗による順位の変動はないが、笑顔で今シーズンを締めくくるためにも負けられない戦いだ。前半から試合の流れをつかみ攻め立てるが得点には至らず。だが、後半にMF足立翼(人3)とFW沼田駿也(政策4)の得点で相手を突き放す。そのリードを守り抜き、見事最終節で勝利を収めた。

試合開始直後、サイドを抜けられてしまうが、DF浅羽悠成(安全4)が体を張ってクロスを入れさせない。与えたコーナーキック(CK)にもDF吉田伸弘主将(法4)を始めとし、全員でピンチをしのぎ切った。


そして堅い守備で相手を封じた後は攻撃に転じる。DF松尾勇佑(文3)、FW久乘聖亜(政策3)、MF足立のワンタッチプレーや、MF草刈龍星(法4)の中盤からの組み立て、MF前田龍大(人1)の積極的なドリブルでチャンスを演出。相手にペースを握られることなくゲームを進めた。




攻撃の回数は多いものの、なかなか得点につなげることはできない。MF前田龍のミドルシュートや、DF松尾のクロスに合わせたMF前田龍のシュートでも相手守備陣が立ちはだかり得点とはならず。それでもFW沼田の抜け出しからCKを獲得するなど、攻撃の手を緩めることはなかった。前半終了間際には、ゴール前まで迫られる場面があるものの、GK田熊航洋(人4)とDF吉田伸の安定感のある守備で守り切る。0―0のまま前半を終えた。




交代なしで迎えた後半。流れがいいだけに早い時間での得点が欲しいところだ。MF足立とDF松尾を中心としたサイドからの攻撃を組み立てると、12分に試合が動く。関大が前線でボールをつなぎ、MF梅津克貴(社4)が抜け出す。相手DFに寄せられながらもGKを越えるクロスを放ち、そのボールにMF足立が合わせる。待望の先制点を獲得した。



まだまだ関大の勢いは止まらない。得点を挙げた3分後、DF次木優斗(商4)が巧みなボールキープを見せ、パスを受けたFW久乘がクロスを入れる。そしてMF前田龍がFW沼田につなぎ、そのままゴールへ押し込む。関大のエースが最終戦で輝きを見せた。



その後も優勢に試合を進め、19分から控え選手を投入する。34分にはピッチに入ったばかりのMF堤奏一朗(社2)がドリブルで前線へ上がり、FW宮脇和輝(情4)がパスを受ける。そのままボールをキープし、FW西村真祈(法2)がFW宮脇のクロスに合わせヘディングシュートを放つ。惜しくもGKに触られてしまうが、積極的な攻撃を見せた。



その後に投入されたDF吉田岳晴(社4)とMF青木真生都(商4)の4年生も躍動。DF吉田岳のクロスに対応するヘディングや、MF青木真のチャンスを見逃さないミドルシュートで相手を脅かす。そしてそのまま相手に流れを許すことなく完勝を収め、ピッチに笑顔の花を咲かせた。



今リーグを終え、勝ち点36の7位。インカレへの出場権を勝ち取ることはできなかった。だが、最終節で見せた4年生たちの姿は後輩へと受け継がれるはずだ。DF吉田伸主将は「全員サッカーで日本一を達成してほしいし、それをできるだけのポテンシャルはあるので、目標に向かって貪欲に頑張ってほしい」と語る。これにて今シーズン、サッカー部の全試合が終了。新たな世代のスタートは切られた。【文:宮本晃希/写真:牧野文音】

▼DF吉田伸主将
「100周年の節目の年で、サッカー部としても今シーズン最後の試合。みんなの期待や思いを背負って絶対勝って終わりたいと話していた。その中で、前半を0-0で折り返して、こういう展開は今年の試合で多かった。後半に粘り切れずに負けたり、得点を取り切れずに同点となっていた。自分たちの成長を見るためにも絶対勝とうとハーフタイムでも言っていた。そこからいい形で点を取って、0で抑えて勝ち点3を取って終われたので良かった。(今試合に対する意気込みは)自分としてはサッカーがこれで終わりで、4年生としてもそういう選手が多い。その中で勝って終わりたいという気持ちが大きかった。勝つためのプレーで後輩たちに何か残せるように話していた。(リーグ全体としては)開幕戦で自分たちもびっくりするぐらいいい形で勝てて、それだけにその後が苦しかった。勝ち切れずに前期は終わってしまって、後期でもなかなか勝ち点を積み重ねられなかった。ここで勝てば上位に入れる試合であったり、インカレ出場圏内に浮上できるような試合が多かったけど、そこを逃してしまったのが今年のチーム。そういうところを考えると勝ち切れなかったなという印象がある。後期では少しずつチームで戦えるようにはなったけど、一つになるのが遅かったかなと思う。後輩は能力やポテンシャルが高い選手が多い中で、そこを引き出せなかったのは4年生の責任。ただ、1年間を通して勝たないといけない試合で勝てなかったのが悔しいし、今年の反省だと思う。(自身の4年間を振り返って)1年生のときからULTRASで試合に出させていただいて、全国大会も経験させてもらった。2年生はうまくいかないことが多くて、思い描いていた自分と現実のギャップがあって、TOPチームから落とされたこともあった。自分にベクトルが向かずに人のせいにしたり、自分は悪くないと決め込んでいた時期もあったけど、3年生のときにそれじゃダメだと先輩のおかげで気づけた。プレーヤーとしてやれる時間も少なくなってきた中で自分と向き合ってこれたからこそ4年生で主将を任せてもらって試合にも出させてもらえるようになったと思う。4年間を通して一番成長したのは人としてだと思うし、仲間のみんなには支えてもらって主将をさせてもらった。TOPチームのみんなにはプレーの面でもピッチの中でも外でもみんながいたから頑張れたと思う。本当に同期だけでなく先輩や後輩に恵まれた4年間だった。(後輩たちに向けて)サッカーのポテンシャルや能力ではうまい選手がたくさんいる。その分、チームとして戦うところや、何が何でも負けたくないという姿勢は例年に比べて低いかなとは感じる。その中で、最終学年になる今の3回生や、2回生は最近変わってきているので、良い風に影響してくれればと思う。OBとしても関西大学体育会サッカー部の「全員サッカーで日本一」を達成してほしいし、それをできるだけのポテンシャルはあるので、目標に向かって貪欲に頑張ってほしい」
▼FW沼田
「インカレ出場がなくなって、勝敗に関わらず順位が変わらない試合だったけど、TOPチームとして今シーズン最後の試合で、最後は勝って終わろうと話していた。そこを達成できて良かった。(最終節に向けての意気込みは)関大らしさや、関大としての責任は勝敗に関わらず出していこうとどの試合でも言っていたので、4年生を中心に最後のゲームに対して強い気持ちを持っていたし、それが結果に出て良かった。(得点シーンについて)チャンスがあった中で、自分自身の力では決められなかったけど、前田龍大が流し込むだけのボールをくれたので4回生にお膳立てしてくれた感じ。(リーグを通して)「全員サッカーで日本一」という目標を掲げている中で、インカレや総理大臣杯にすら出場できていないのはどこかに足りない原因がある。学生リーグは自分を含めて、勝てる試合や、負ける試合を引き分けに持っていくことができなかった。物足りなさは感じるし、悔しいシーズンになったけど、この経験を生かして次のステージに挑んでいきたい。(プロの世界へ向けて)より厳しい世界に行くと思うし、学生リーグの舞台でチームを勝たせるゴールをなかなか決められなかったのは次に生かすべきものだと思う。強い気持ちを持って、関大での4年間を過ごして味わった経験を生かしてプロの舞台で活躍して関大にいい影響を与えられるようにしたい。(後輩たちに向けて)大学サッカーでしか味わえないものもあると思うし、大学4年間を振り返ってみても素晴らしい経験をしてきたなと思う。一瞬一瞬を無駄にしてほしくないし、「全員サッカーで日本一」という目標に向けて妥協はしてほしくない。本気で自分と見つめ合って目標に向かって行動してほしい」