関学大に苦戦し2-1

◇第68回関西学生リーグ戦プレーオフ◇対関学大◇11月20日◇尼崎スポーツの森◇
[第1P]関大2-1関学大
[第2P]関大0-0関学大
[第3P]関大0-0関学大
[試合終了]関大2-1関学大
危険がともなうスポーツ、アイスホッケー。先週の立命大戦では負傷者が出てしまい、1週間でセットの入れ替えをせざるおえなくなった。ここまで秋季リーグをともに戦い、連携が完成されつつあるときに押し寄せてくる災難。そんな中でも「チーム内でコミュニケーションがしっかり取れていてよかった」と岩瀬谷拓哉主将(社4)は振り返る。1週間の取り組みは序盤に奏功し、開始すぐ2点を相手から奪う。ただ、その流れは長くは続かず。第2、3P(ピリオド)では会場を湧かせることができなかった。いつもは大幅な点差をつける関学に2-1という結果に終わる。

開始のホイッスルと同時に行われるフェイスオフはFW佐々木隆弥(情3)が任された。佐々木隆が弾いたパックをしっかり関大のものにしたのはFW黒須誠眞(情1)だ。壁を使いゴール近くの仲間にパスを出したものの、相手に取られてしまう。だが、そこで相手の時間にさせないのが強豪・関大。FW髙秀稜(社1)のフォアチェックでパックを奪ってみせた。FW髙秀からパスを受け取ったFW佐々木隆はコーナーでの争いを制し、そのままゴール。開始わずか17秒で先制点を挙げた。



その後も関大優勢な試合を演じたかったが、気持ちとは裏腹に、リンク全体を使った試合が繰り広げられる。2分には相手選手が自陣で拾ったパックを関大陣地まで1人で上げ、DF岩瀬谷やFW嶋野瑛心(文2)のディフェンスも抜き切りシュートするピンチの場面も。しかし、GK加藤陸(社3)が確実にセーブし、失点を免れる。このセーブで勢いに乗った関大。敵陣でのフェイスオフをチャンスに変える。一度はセンターラインまでパックが流されることもあったが、FW嶋野がゴール前まで戻す。そのパックは相手に取られるが、次はFW根本慎太郎(情2)が回収。ゴール前のFW神山太一(人1)につなぐと、そのままFW神山が混戦を制しネットを揺らした。



開始わずか2分で好セーブと2ゴールが飛び出し順調な関大だったが、ここから波に乗れない。10分には敵陣での混戦の末パックを手に入れたDF佐々木亮悦(情4)がワンマンで抜け出す好機が訪れたものの、相手DFにプレッシャーをかけられバランスを崩してしまう。パワーのあるシュートを放つことができず得点には至らない。8分にはキルプレー(数的不利な状態)となり、16分には得点を許す。2-1で第2Pに臨むこととなった。

迎えた第2Pも悪い流れを断ち切ることができない。開始40秒には負傷者が出てしまい、さらに不穏な雰囲気となる。7分のパワープレー(数的有利な状態)の間にはスコアを重ねようと、先日の同志社戦で成功した形でFW岩瀬谷からDF鈴木郁也(情2)に、DF鈴木からFW嶋野へパスを回すもこれは報われない。この日、自陣にパックが来る危機を救ったFW山口慶人(情4)は「流れが悪くなってから接戦になると、みんな点数を取らなきゃという気持ちで地に足をつけたプレーがしにくくなる」とチームの弱点を語った。両者20分間でゴールを生むことができないまま第2Pを終える。

最終Pこそは差を広げたいところだ。最終P2分、どちらも相手GKのレッグガードに阻止されるが1分間でFW嶋野が2回のシュート。相手にパックを渡してしまう展開でも、それが自陣へいかないようにDF陣が中心となって取り返すなど、ゴールを生めない時間の中で今できることをする。すると7分にはパワープレーとなり、関大優勢の時間が到来する。敵陣の角にそれぞれが待機し、パスを回し合う。関大が常にパックを支配するが、相手DFが粘りを見せ好機を逃してしまう。すると今度は関大メンバーが退場。キルプレーとなるが、相手に得点は決して許さなかった。両者フルメンバーに戻ったあとには、2セット目がゴール目前で連携を見せる瞬間も。だが、相手GKに阻まれる。一進一退の攻防は試合終了まで続き、第3Pも互いに無得点で終了した。


なかなか良い流れに乗れない試合展開だったが、「点数が入らなかったから悪いという感じではなく、全員足動いていたしベンチの雰囲気も良かったのでそこまで悪い試合ではなかった」とFW神山。ポイント数以上にゲームの質を大切にした。秋リーグ残り2戦も勝利はもちろん質にもこだわっていく。【文:木原綺音/写真:森本明日香】
▼岩瀬谷主将
「(セットの入れ替えについて)新しいセットになったけど、チーム内でコミュニケーションがしっかり取れていて良かった。あと、けが人が何人かいて、普段は出ない選手が出ていて頑張ってくれていたので良かったと思う。(試合を振り返って)最初2点パパっと取ってそこの流れが続けば良かったが、そこですぐ気持ちを切らしてしまってけが人も出て流れが良くなかった。でも最終的に勝ち切れたことは良かったと思う。(良かった点)最初の5分を重視していたので、そこで1セット目が走ってしっかりスケートして相手からパックを取ってスコアできたことは良かったと思う。(次戦までに改善したいこと)最近、スタートと最後の5分、ターンオーバーしないというのを徹底できてきているので、1試合通じて集中力が続いて良いゲームにしたい。(次戦に向けて意気込み)今年の関西リーグも残り2試合なので、優勝することはもちろんだが、良い内容で終わりたいと思う」
▼山口
「(セットの入れ替えについて)セットの入れ替えがあるということは、おのおののポジションが危うくなるということなので、みんなそこにしがみつこうしていた。だからチームのモチベーションが良かった。下級生もしっかり試合に出ようと頑張っていたので、下から上に底上げだった。(試合を振り返って)関学戦はいつも点差が開く試合で簡単にスコアが上がって、余裕ができるが、今日のような流れが悪くなってから接戦になると、みんな点数を取らなきゃという気持ちで地に足をつけたプレーがしにくくなると思うので、ゴールが入らないときでも気持ちを落ち着けてプレーすることが大事だと感じた。でも、めちゃくちゃ悪い試合ではなかった。(良かった点)特に主力メンバーが基本的にアタッキングゾーンでずっとプレーできていたので攻められることはなく、良かったと思う。(次戦までに改善したいこと)攻められだしたときに戻るのが遅れたときや、守っているときも攻めに意識がいきすぎていて自分たちのパックになっていないのに飛び出して危ないシーンがあったのでそこを改善していきたい。(次戦に向けて意気込み)3セット目も激しいプレーで流れを良くできるように頑張っていく」
▼佐々木隆
「(セットの入れ替えについて)自分的にはコンディションは変わっていないと思う。自分のセットはガツガツ行くタイプで、それは変わっていないのでやりずらさなどはない。(試合を振り返って)最初にフォアチェックガンガン行って、相手の球出しのミスを誘って、そこから入れていこうという話をしていて、そしたら最初のシフトで決められたので良かった。でも2P、3Pは接戦になってきて、自分たちで焦って、アツい攻撃ができなくてパックが行ったり来たりしていたのであまり良くなかった。(良かった点)最初の得点と、最後簡単にプレーして持続で相手にプレーさせないという守りの意識。(1P後得点が入らなかったことについて)全体的にゴールに向かう意識があまりなく、パス通そうとか綺麗に決めようとしていたのでなかなか入らなかった。(次戦までに改善したいこと)今日相手のリズムに乗せてしまって、相手のスピードにやられていたので、最初は自分たちでリズムを作ったならそのまま継続できるようにしていきたい。(次戦に向けて意気込み)今日の反省点を生かして最初から最後まで自分たちのペースで相手を圧倒して、全日本につなげていきたい」
▼神山
「(セットの入れ替えについて)大幅に変わったという部分はないと思うが、パワープレーなどのセットプレーが変わったことによって元々していたセットと違うから合わなかったり、練習はつまづいていた。でも最近は良い感じに仕上がっていたので良かったと思う。(試合を振り返って)いっぱい点数は入らなかったけど、点数が入らなかったから悪いという感じではなく、全員足動いていたしベンチの雰囲気も良かったのでそこまで悪い試合ではなかったと思う。(ゴールシーンを振り返って)1番手で嶋野さんがプレッシャーをかけていってくれたおかげで相手がパックを離して、そのパックを自分が取れたので、嶋野さんのフォアチェックがあったから自分のゴールが生まれたと思う。(もう1人のFW根本は)フォアチェックもバックチェックも、守りも全体的において自分の仕事を果たそうとしている姿が、2セット目の良い雰囲気にもなっていると思う。(1P後得点が入らなかったことについて)前回の試合で関大の攻めを分析してきて、今日の結果が出てきていると思うので点数は入らなかったが、そこまで悪い試合ではなかったと思う。(次戦までに改善したいこと)セットも変わって噛み合わない部分もあるとは思うが、あと2試合なので練習で最高の状態まで仕上げて、残り2試合しっかり良い状態で勝って次の大会に向けて頑張りたいと思う」