[なでしこ]武庫女大戦は痛恨の引き分け。目標の大舞台は来年へ持ち越し

◇2021年度関西学生女子秋季リーグ最終節◇対武庫女大
【前半】関大1-0武庫女大
【後半】関大0-1武庫女大
【試合終了】関大1-1武庫女大
勝てばインカレ。勝利以外が許されない戦いだった。前半12分にMF𠮷尾香音(社1)のシュートで先制し、勢いに乗る関大なでしこだったが、後半開始直後に追いつかれてしまう。そしてそのままスコアは動くことなく引き分け。待望のインカレ出場をかなえることはできなかった。

試合開始から関大が攻め立てる展開が続く。3分にこぼれ球をMF𠮷尾が拾い、パスを受けたFW田中光紀(安全2)がシュートを放つ。このボールはブロックされてしまうが、早い時間から勢いを見せつけた。そして、そのままの勢いで関大がスコアを動かす。MF𠮷尾が前線からのプレスをかけボールを奪い取ると、そこから自分でボールをゴールに突き刺す。ゲームを優位に進める一撃を放った。




攻撃面では、FW田中光のボールキープや、FW成迫実咲(人4)のアグレッシブな攻めなどでチャンスを作り出す。MF笹部麻衣(人4)とDF南中優衣(人2)のサイド攻撃でも相手ゴールを脅かした。カウンターを受ける場面もあるが、ここはディフェンス陣が奮起。右サイドでMF和田温菜(人4)とDF真木悠花(文3)の粘りで窮地を脱する。そのまま得点は動かずリードで前半を終えた。





勝利を確実にするためにも追加点が欲しい展開。だが、後半開始5分に左サイドを突破され、あまり角度がないところからシュートを放たれ得点を許す。10分にはMF塚原碧衣(政策3)を投入し、DF真木との連携で攻撃のリズムを作り出す。GK寺村夏海(人4)の好判断からの飛び出しや、MF田中杏実(人3)のプレスからチャンスを広げるも、相手の守備をなかなか崩せず、一進一退の攻防が続いた。



セットプレーのチャンスも多く、DF中尾純菜(社2)の放つボールは華麗な放物線を描く。だが、相手は落ち着いたプレーでこれを処理。時間が過ぎていき、引き分けすらも許されない関大は焦る展開となる。試合終盤、守備の要であるDF林祐里(人3)を前線へ残し、攻撃的な布陣を取った。それでもなかなか思うようにボールを運ぶことができない。46分にはDF林が落とし、FW瀧沢雪乃(人2)がシュートを放つも相手GKにキャッチされてしまう。最後まで諦めずに得点を求めに攻め立てるが望みはかなわず。スコアボードは1―1のまま試合終了のホイッスルがピッチに鳴り響いた。







目前まで迫ったインカレの舞台。あと一歩が届かなかった。だが、昨年までの結果を考えると確実に実力を伸ばし続けている関大なでしこ。「これからもっといいチームや強いチームになっていくと思う」とDF笠原黎々花女子主将(社4)。夢の大舞台は次の世代へと託された。【文:宮本晃希/写真:宮本晃希・牧野文音】
▼DF笠原女子主将
「今日に向けて3週間あって、チームの人以外にも多くの人が応援してくれた。でも結果として勝てなくて、今までのリーグで点を取れなかったことが苦しい結果につながった。その積み重ねが目標達成に至らなかった原因なので、素直に悔しい。守備面は連動した守備をやっていて、攻撃はセットプレーに力を入れてきた。試合の中でチャレンジできた部分はあったけど、点に結びつけることはできなかった。決め切れるチャンスで決められなかったことが今日勝てなかった要因だと思う。(秋季リーグを通して)自分も含めて4回生としてインカレに絶対に行きたいと思っていた。前に立ってチームを盛り上げていけるのがこの学年の良さ。全員で勝ちに行こうと言ってきて、そういう部分でチーム力を上げてここまで来られたかなとは思う。でも、結果として何も残せなかった。応援してくれた人が多くいた分、申し訳ないという気持ちが大きい。自分たちの公式戦は終わってしまうけど、4回生として残せるものは残していきたいし、自分たちで作った良さはこれからも大切にしていきたい。そういう面では積み上げたものや得たものはある。(後輩たちに向けて)4回生としては先頭に立つ立場としてみんなをインカレに連れていけなくて申し訳ない。良いチームと言われてきたのは後輩たちの力もあって、チームに対して発言や行動をしてくれた。4回生としてもすごく助かった。そういう良さは大事にしてほしいし、これからもっといいチームや強いチームになっていくと思う。来年は絶対インカレ出場してほしい」
▼MF和田
「マイボールで時間を進めることを目標にして、内容が良くないと勝てない相手だと思って挑んだ。その中でビビらずに回せていたところは良いと思う。クロスからの練習を3週間でやってきて、そこでいい形を出せたのは良かった。(今日の試合に対して)私自身がずっと公式戦に出られていなくて、出たらいいプレーをできるようにと準備してきた。インカレがかかった試合に出られるのは楽しみでもあったし、チーム全体としてもモチベーションを高めて練習できていたと思う。気持ちの部分でも負けずに試合ができた。試合前にOGの方たちからいただいたムービーを見させてもらった。いろいろな人が受け継いできたキャプテンマークを巻けたことは誇りに思う。自分ができることは声を出し続けて、チームの雰囲気をよくすることと、体を張ったり精いっぱいやることだと思うので、その部分では気を引き締めてやれた。(秋季リーグを通して)4回生があまり出られていなかったけど、その思いを背負ってやってきた。全体としてはあまり勝てていなかったけど、良い試合ができていたとは思うし、悔しい思いも負けた試合でしてきた。それを来年に生かしてほしい。(後輩たちに向けて)この1年を通してリーグ優勝や、インカレに出場して日本一を取ることを目標に立てた。でも、結果としては何も成し遂げられていないのが現実。そういうところは来年達成してほしいし、今日みたいに勝てばインカレという試合で負けてしまった悔しさは一人ひとりあると思うので、この思いを忘れずに来年こそは行ってほしい」