立命大に敗戦、インカレ出場を逃す

◇第99回関西学生リーグ後期第12節◇対立命大◇11月14日◇J-GREEN堺・メインフィールド◇
【前半】関大0―2立命大
【後半】関大1―1立命大
【試合終了】関大1―3立命大
今シーズンのリーグ戦も残り2試合。関大がインカレ出場権を獲得するためには2連勝でリーグ戦を締めくくることが最低条件となる。追い込まれた状況の中で迎えた今節は今季最後の有観客での試合開催。いつも以上に気合が入る関大イレブンだが、前半22分に相手に先制点を奪われてしまう。さらに前半終了間際に2失点目を喫し、苦しい展開で試合を折り返した。後半は怒涛(どとう)の攻撃を見せ、1点を返したが試合終盤に相手にPKを決められてしまい万事休す。第8節以来の黒星となり、インカレ出場の可能性は完全に消滅した。

勝ち点3を獲得するために先手を取りたい関大だったが、試合開始直後にいきなりピンチを迎えた。自陣でボールを奪われるとゴール前まで持ちこまれ、左サイドからグラウンダーのクロスを送られてしまう。そのままゴールに押し込まれるかと思われたが、DF浅羽悠成(安全4)の間一髪のクリアで対応し難を逃れた。序盤こそ守備面で慌てる場面が目立ったが、それ以降は連動して落ち着いた守備を披露。大きなピンチを迎えることなく試合を進行した。


しかし、20分に自陣でフリーキックを与えてしまう。このフリーキックにヘディングで合わせられたが、GK田熊航洋(人4)がファインセーブを見せ、失点を許さない。このまま関大ペースに持ち込みたいところだったが、その直後のコーナーキック(CK)で試合は動いた。右サイドから上げられたクロスをダイレクトボレーで合わせてゴールイン。相手に先制点を与えてしまう。


一矢報いたい攻撃陣はFW沼田駿也(政策4)が給水タイム明けに躍動する。相手DFを抜き去る高速ドリブルからシュートまで持ち込む。だが、これは惜しくもゴールには至らない。


その後は両者譲らず一進一退の攻防を繰り広げる。同点に追いついて折り返したい関大は攻撃に厚みをかけるが、一瞬の隙を突かれカウンターからピンチを迎える。DF陣はペナルティエリアには侵入させまいとうまく相手の攻撃を遅らせた。しかし、意表を突いたエリア外からの豪快なミドルシュートを放たれる。これにはGK田熊も反応することができず、ゴールネットに突き刺さり追加点を奪われる苦しい展開に。このまま前半を2点ビハインドで折り返した。


状況を打開すべく後半開始からDF青木真に代えてDF川島功奨(社1)を投入。これにより、攻撃が円滑になり、チャンスを多く演出した。開始早々には右サイドからのクロスにFW百田真登(経2)がヘディングで合わせる。しかし、相手DFの寄せが早く体勢が整わずに勢いのないシュートに。これはキーパーにそのままキャッチされた。畳みかけるように8分にはMF足立がシュートを放つ。決まったかに思われたがこれは相手に当たり枠外にそれた。このプレーで獲得したCKは相手にクリアされるが、途中出場のDF川島が相手の攻撃の芽を摘む好ブロックを見せ、カウンターにはつなげさせない。DF川島はFW沼田にパスを供給し、シュートまで持ち込む。しかし、これもわずかに枠外に外れる。


得点にこそ結びついていないが攻撃のリズムが生まれ始めた。さらに攻撃に厚みをもたらすため17分にMF前田龍大(人1)を投入。しかし、直後の18分に後半最初のピンチが訪れる。相手に攻め込まれシュートを放たれたが、DF吉田伸弘主将(法4)を中心にDF陣が体を張りボールをクリア。勝つためにこれ以上の失点は避けたい時間帯で献身的なプレーが目立つ。攻めの流れを変えることなくまずは1点を返したい関大。19分にはFW宮脇和輝(情4)とFW久乘聖亜(政策3)を同時投入。早くも4枚の交代カードを切り、勝負に出る。



投入直後の22分にFW久乘が相手の意表を突くシュートを放ち、これがゴールイン。すぐさま存在感を発揮し、反撃の狼煙(のろし)を上げる。勢いのまま逆転を目指す関大は、30分に最後の交代カードを切り、DF次木に代えてDF松尾勇佑(文3)を投入する。そのDF松尾やDF髙橋直也(商2)が落ち着いた守備で相手に自由なプレーをさせない。



攻め続ける展開が続き、同点ゴールの匂いが漂う。しかし、39分に相手のシュートがDF陣の腕に当たり不運な形でPKを献上。だが、関大の守護神はチームのピンチを何度も救ってきたGK田熊だ。絶対に止めて次の攻撃につなげたい場面だったが、放たれたシュートは跳んだ方向とは逆サイドのネットに突き刺さり勝負を決める3失点目を喫してしまう。これがとどめとなり1-3で敗戦となった。

今節の敗北でインカレ出場権獲得条件のリーグ戦4位以内の可能性はなくなった。前期リーグでは勝利を収めた相手への黒星だけに悔しい結果となる。DF吉田伸主将は、「最終節まで関大の代表として戦い抜く責任がある」と語った。「全員サッカーで日本一」は実現できなかったが関大サッカー部は前を向き最後まで戦い続ける。【文:大森一毅/写真:上田紫央里】
▼DF吉田伸主将
「残り2試合勝つしかインカレに出場することができない状況で練習からいい雰囲気で取り組めていました。しかし、チームの課題として今シーズンずっと勝たないといけない試合で負け続けてきてそういった点で弱さがありました。この試合でもセットプレーから失点してそのまま立て直せずに前半だけで2失点し、1点取り返したものの3点目を取られて終わった点でチームとしての弱さを感じました。オフェンス面ではここ最近の試合で1点しか取れていないこと、DF陣も0で抑えられている試合が少ないということがトップチームとして練習からこだわっていかないといけないと思います。(ハーフタイムで修正した点)勝つしかないということは全員理解していましたし、失点を恐れず相手ゴールに向かってアグレッシブにプレーしようという指示が出ていました。全員が勝ち点3を取るために相手ゴールに対して勢いもってプレーできていましたし、川島選手が入ったことで攻撃も円滑になり、1点取れました。そこで2点、3点と取りきらなければいけなかったなと思います。(最終節に向けて)インカレ出場は叶わなくなりましたが、部員の中で選ばれている代表としてしっかり責任や誇り、覚悟をもって最終節こそは勝って100周年のリーグ戦を締めくくりたいと思います」