姫大にリベンジならず、4位で王座を終える
◇2021年度全日本大学対抗王座決定試合◇対姫大◇愛媛県総合運動公園◇
【女子3位決定戦】
●関大2-3姫大
●D1喜多・鈴木1(0-6,6-2,6(6)-7)2田中・西本
○D2中村天・川本2(6-2,6-3)0松下・松田
●S1中村天0(4-6,5-7)2西本
○S2坂本2(6-2,6-4)0松下
●S3桐山0(4-6,2-6)2田中
天候に恵まれず、何度も日程やコートの変更があった今大会。そんな中でも、選手は死闘を尽くし戦い続けた。女子の最終戦となる3位決定戦は、関西大学対抗リーグ戦で敗北を喫した姫大との大一番。白熱した試合を繰り広げるも、リベンジを果たすことができず、5年ぶりに表彰台を逃した。


1勝目をもたらし、関大を勢いづけたのはD2中村天音(文3)・川本茉穂(人2)組。途中、何度か雨により試合が中断する場面もあったが、声を掛け合い連携をとる。6-2で第1セットをものにした。第2セットも2つのブレークを奪い、関大のペースで試合がすすむ。終盤はラリーが続き苦しい場面もあったが、集中力を切らすことなく戦い、勝利を決めた。



D1喜多美結(化生4)・鈴木理子(文4)組は苦戦を強いられた。第1セットは、相手のストロークに押されてしまい、0-6で落とす。続く第2セットでは、ラリーを続け粘り勝ち、セットカウントを1-1とした。ファイナルセットは取っては取られる展開に。11ゲームでブレークを奪うも、ブレークバックされ試合を終わらせることができず、タイブレークに突入した。相手に先行されるも、徐々に追い上げマッチポイントを握る。しかし、相手の勢いを止めきれず、6-8で敗北を喫した。



シングルスで初めにコートに入ったのはS2坂本陽菜(法3)。強打が多い相手との戦いとなったが、落ち着いて試合を進めた。ラリーを展開し、相手のミスを誘う。6-2、6-4で白星を挙げ、関大に2勝目を呼び込んだ。


S3桐山陽菜女子主将(社4)は、前後左右に動かされ、必死に食らいつく。しかし、わずかに及ばず第1セットを先取される。2セット目も相手のペースで進んでいった。コート横で見守る部員からの応援を受け力を振り絞るも、流れを奪えず敗北を喫した。


勝利はS1中村天に託された。強烈なサーブとストロークに苦戦し、3ゲームを連取される。徐々に対応し、差を詰めていくも、要所でポイントを奪われ、第1セットを落とした。第2セットは一進一退の展開に。4-5で迎えた第10ゲームでブレークに成功。そのまま勢いづきたいところだったが、先にミスが出てしまう。続く2ゲームを連続で奪われ、ストレート負けを喫した。


4年生の桐山、喜多、鈴木は今大会が最後の団体戦だが、3本中2本のシングルスを任された中村天と坂本が最上級生となる。王座を経験し、悔しさを知る2人がチームをまとめ上げる。関西王者奪還、全国制覇に向け、新たなスタートを切った。【文・写真:遠藤菜美香】

▼桐山
「(初の王座出場でしたが、どのような気持ちで臨んだか)王座の舞台に憧れて関西大学に入学しました。しかし、3年間選手としてその舞台に立つことができていなかった。最後の最後に選手としてコートに立って戦うことができるのでチームに必ず私が一勝を持って帰ろうという気持ちでした。(4位という結果について)とても厳しい結果です。一昨年準優勝という結果を先輩たちから残してもらって、次は優勝することが現役の私たちから先輩達へできる恩返しだと思っていたのでとても悔しいです。また、今回も沢山の方々のサポートや応援をしていただいていたので、その結果が4位というのは申し訳ない結果です。(主将やっていて良かったと思うこと、苦しかったと思うことはあったか)主将をすることで、私自身かなり大きく成長することができたのでとてもよかったと思っています。特に、個人競技で色々な考えを持っている人達が集まっている、部活でチームをまとめるというのはなかなか難しかったです。それから、主将という立場なので監督、OBOGの皆様、コーチなどのスタッフ陣と学生といったどこからも1番近いポジションで色々な方から直接お話を聞いたり、できたこともとても良かったです。主将を任せてもらえたことに沢山の人に感謝の気持ちを伝えたいです。(主将として意識してきたことは)チームを第一に考えて行動することは特に意識していました。私の行動がチームに大きく影響すると考えていたからです。チームの中には、個人個人で意見があるのでチームをまとめるのが大変でした。(これまでのテニス人生を振り返って)きついこと、辛いことたくさんあったけど、やり続ければ必ず出来ることと沢山の人に支えられていて、感謝することの大切さを学ぶことができました。(4年間歩んだ同期に向けて)本当に本当にありがとうございました。みんなが同期でよかったし、いつも助けてもらってここまでやってこれました。本当に感謝しかないです。同期というのは一生変わらないので、これからもよろしくお願いします。(後輩にむけて)今まで本当にありがとう。最後の王座ではみんなに表彰式に出てもらうことができなくて、結果として残せるものがなくて、本当に申し訳ないです。でも、あの最後の瞬間まで全員で戦って、あの試合までみんなで努力した過程はものすごくいいものでした。私達4回生があの舞台に立つことはもうできません。次こそは、必ず日本一取ってきてください!!」
▼鈴木
「(王座に向けての意気込みは)一昨年決勝の舞台に立てて、優勝まであと一歩というところで負けてしまった。『次こそは』という思いで努力を続けてきたつもりでした。でも、準決勝の相手の慶応も2年前に関大に負けて努力をしてきたんだなと感じた。リスペクトする部分ではあるけど、今回負けた悔しさを後輩たちには忘れてほしくないし、リベンジしてほしいです。(最後の一年はさまざまな人とダブルスを組むことが多かったが、意識したことは)ずっと高校から菜々子さん(=大野・20年度卒)と組んできて、去年引退してしまってから、いろんな人と組んできた。難しい部分もあったけど、自分は常に試合中でも明るくっていうところを心掛けてきた。だから、絶対に自分とペアを組むことにプレッシャーを与えないように意識してきました。(4年間を振り返って)やっぱり初め、怪我からスタートして。中学でも高校でもメンバーのトップとしてやってきたので、予選からになって、サポート側になった時に、試合を応援してくれる人の気持ちがわかった。そこから、応援される選手になりたいっていう目標ができて、成長できたと思う。勝つことよりも大事なことを学んだと思います。(テニス人生を振り返って)辛かったことの方が多い。関大は練習やトレーニングが全国でもトップレベルでしんどいと思う。でも、もう一回大学を選べても関大を選びます。これだけ努力をしてきたから悔しい思いもできる。17年間テニスをやってきて、日本2位にしかなれなかったけど、日本一を目指せる環境に にいることがやりがいでした。(後輩に向けて)天音と陽菜が引っ張っていってくれる。選手としても強いし、人の気持ちがわかると思う。サポートの方にも感謝の気持ちを伝えられる2人なので、今年よりも良いチームを作っていってくれることをきたいしています。(同期に向けて)一度も喧嘩をしたことがない。それぞれがお互いをリスペクトし合っていると思う。2人とも意識が高くて引っ張って行ってくれた。2人じゃなかったら、4回生になる前に腐っていたかもしれないけど、引き上げてくれた。人に厳しく言うことは難しいことだけど、そこを言ってくれた2人には感謝しかないです」
▼喜多
「(王座を終えて)同期みんなで励まし合いながらきつい練習を乗り越えてきた時間はもう帰ってこないと思うと、とても寂しいです。(大学でのテニスを振り返って)テニスに対する意識の高い集団に揉まれながら成長させてもらえて、今までの自分のテニスへの意識の低さに気付かせてもらえました。(関大テニス部の1番の思い出は)外周、400mダッシュ10本を練習前に走って球出しで血を吐きかけたこと。(後輩に向けて)二度と帰ってこないチームとの時間を慈しんで欲しいです。(4年間共に歩んだ同期に向けて)仕事面含め、迷惑をかけたこともあったけど、同じ練習時間に同期がいると頑張れました。たくさん助けてくれてありがとう。温かくて面白くて一緒にいて楽しい同期に囲まれて、ほんと幸せでした。これからもお互い頑張ろうね!」