全日本インカレ初戦敗退。小橋男ハン終幕

◇高松宮記念杯男子第64回全日本学生選手権大会◇11月6日◇対明大◇小瀬スポーツ公園体育館
[前半終了]関大14―11明大
[後半終了]関大13―22明大
[試合終了]関大27―33明大
途中中止となった西日本インカレでは全勝し、圧倒的強さを誇った関大男ハン。全日本の舞台でもその強さを見せつけたいところ。前半はオフェンス陣のシュートに加え、廣上永遠(文3)の守備が光り、14―11とリードした状態で試合を折り返した。しかし、後半は相手の勢いに押されなかなか点が決まらない。カウンター攻撃を決められ逆転を許すと、そのまま点差を広げられ試合終了。無念の1回戦敗退となった。

白井祐登(人1)の9メートルラインからのロングシュートで先制すると、金津亜門(社3)がセンターからライト側に切り込み2連続得点を挙げる。福原佑哉(人4)のループシュートや有本晃人(法2)が7メートルスローを決めるなど好調な滑り出しを見せた。しかし、その後は相手の堅い守備をうまく潜り抜けることができず、なかなか攻撃が決まらない。シーソーゲームが続く中、金津が相手GKの不意をつくシュートを決めると、松本大昌(文2)や白井が互いに得点し、金津からのパスを受けた池原大貴(社2)がセンターからシュートを放つ。続く攻撃でも、高橋知也(経3)や小橋澪椰主将(人4)が華麗なシュートを決め相手を大きく突き放した。相手の逆襲を受けるも、廣上が幾度となく攻撃をセーブし失点を許さない。14―11で前半終了のブザーが鳴り、リードを保ったまま試合を折り返した。








優勢のままゲームを進めたいところだったが、後半開始すぐ相手に強烈な1本を決められてしまう。有本の7メートルスローで食らいつくも、パスカットからのカウンター攻撃で徐々に差を詰められる。松本のロングシュートや金津の回転しながらのシュートでリードを維持するが、とうとう同点まで追いつかれてしまう。松本が相手守備の間から倒れながら決めると、相手のカウンター攻撃を廣上が死守。池原がディフェンスに押されながらも粘りの1本を決め相手にリードを許さない。一進一退の攻防が長く続いた。




均衡を破ったのは明大だった。再びカウンター攻撃で攻め入られ、失点を重ねてしまう。松本と白井が中心となって攻撃を仕掛けるが、相手の鉄壁を崩すことができない。残り1分の場面で小橋主将がレフトからシュートを決め粘りを見せたものの、開いた差を縮めることはかなわず、逆転負けを喫した。





まさかの全カレ初戦敗退。今大会をもって4年生は引退となり、小橋男ハンは終幕した。小橋主将は「今度は3回生がチームの主体となって、インカレでリベンジしてくれたらなと思います。絶対いいチームになる。応援しています」と後輩たちにエールを送った。この悔しさを胸に、新主将・廣上がチームをさらなる高みへ導いていく。【文:小西菜夕/写真:松尾有咲】
▼中川昌幸監督
「前半はやっぱり守れていました。ハーフタイムでも守れるかどうかやぞって、だいぶ言うたんですけどね。攻略されてしまって悔しかった、もうしょうがない。良かったところは通用していたところ。こっちのスピードは完全に通用していたから。うちがきつかったのは、向こうはメンバー入れ替えたり、流れ変える選手を出していたけど、こっちはずっとメンバー変えれずにきてたから、そこはしんどかったと思います。(今年度のチームについて)去年やったら悔しいと思うこともなく引退やったから、今年はこうやって最後に区切りの試合ができて、終われるっていうのはすごく良かったと思います。だから、この悔しさを次につなげられるように頑張らんとあかんね」
▼小橋主将
「前半は自分たちらしい試合ができてよかったと思います。後半はやっぱ自分らの悪いところや弱いところが出て、シュート決めきれなかったのと守り切れてなかったから、こんな展開になっちゃったのかなと思います。(4年間を振り返って)すごく先輩後輩に恵まれていたかな。先輩は自分らがやりやすい環境づくりをしてくれていたし、逆に自分がそれを後輩にしたときに、後輩がのびのびやってくれてすごい助けられた。自分が憧れる関大やったんやけどそのまんまというか、難しいな言葉が(笑)。やりやすかったほんまに。先生方も気遣ってくれたし、本当に人として成長できたかな。いろんな人がおって、考え方とか育ちも違うし、そんな中で1つの目標に向かって、みんなやっぱハンドボール大好きやったから、キャプテンしててすごく楽しいチームでした。(後輩に向けて)4回生は人数が少なくて、後輩がたくさん試合に出ていた中で、すごい助けられていたしすごい力になったから、今度は3回生がチームの主体となって後輩のやりやすい環境をつくって、またインカレでリベンジしてくれたらなと思います。絶対いいチームになるから。一応OBとして陰ながら応援させていただきます(笑)。ほんまに好きなチームやから。すごく応援しています、頑張ってください」
▼矢野裕理花(文4)
「前半はすごくいい感じで盛り上がって、このまま次に行けるんじゃないかなって思っていたんですけど、舞い上がったら後半落ちることがよくあるので、ちょっと不安だなって思っていたら、案の定後半で結構差をつけられてしまったのが悔しいところです。試合の途中からこれが最後なんだなって思ったら、涙が出てきちゃったんですけど、みんなが頑張っている時に泣いたらだめだなって思いながら試合を最後まで見させていただいていました。(4年間を振り返って)私は初め、すごく人見知りで同期とあんまり仲良くなれなかった時がありました。マネージャーの同期もいたんですけど、その子も辞めてしまってすごく1人を感じていた時があって、途中で辞めかけていた時があったんですけど、周りの人たちに相談して、自分では知らないうちに色んな人に支えられていたんだなって気づくことができました。その時は辞めようとしてたけど、同期や先輩が支えてくれたから、4回生の最後までみんなについていこうとその時に誓いました。(後輩に向けて)後輩たちはしっかりしていて主要メンバーも多くて、今まではコロナとかで全然試合やイベントができていなくて悔しかった所もあるんですけど、コロナが終息してきて、もっといっぱい試合やイベントが増えていって、これから活躍する機会が増えていくので、すごく楽しみにしてるし、頑張っていってほしいと思います」