DF川島とFW百田のセットプレーで得点挙げる。インカレへ望みつなぐ勝ち点3

◇第99回関西学生リーグ後期第4節(延期分)◇対大教大◇11月3日◇
【前半】関大0―0大教大
【後半】関大1―0大教大
【試合終了】関大1―0大教大
前節は京産大に大量得点で快勝を収め、勢いに乗る関大。しかし、インカレを目指す上で負けられない戦いは続く。今節の大教大戦は、序盤からペースを握るものの得点に至ることはできない。だが後半30分、途中出場のDF川島功奨(社1)のフリーキックにFW百田真登(経2)が合わせ先制点を獲得。この得点が決勝点となり、見事白星を挙げた。

前半は、MF深澤佑太(社3)とDF松尾勇佑(文3)の連携で右サイドを崩す。DF松尾が何度もクロスを上げ、チャンスを演出した。13分にはMF草刈龍星(法4)とMF足立翼(人3)がつなぎ、ゴール前の混戦となるが、これも決め切れず。相手の粘り強い守備に阻まれスコアが動かない展開が続いた。



攻撃のリズムをつかむものの、ゴール前まで迫られる場面も訪れる。だが、DF髙橋直也(商2)のプレスや、DF吉田伸弘主将(法4)のヘディングでピンチを未然に防ぐ。ゴール前への侵入を許し、浮き球からのヘディングシュートを受けても、至近距離でのシュートをGK田熊航洋(人4)が見事セーブする。その後は、FW西村真祈(法2)の前線からのプレスなどからチャンスを広げるも、お互いにノースコアのまま前半を終えた。






後半からは関大のエース・FW沼田駿也(政策4)を投入。なんとか先制点が欲しい状況でやはりこの男が見せた。MF草刈のフライパスに反応し、相手ディフェンスの裏に抜け出す。相手GKに阻まれたものの、自身の持ち味を発揮し、関大に勢いをもたらした。


さらに3分、MF深澤のボールからFW久乘聖亜(政策3)が強烈なシュートを合わせる。だが、これもGKにセーブされてしまう。8分にはDF浅羽悠成(安全4)のクロスがこぼれ、そのボールにFW沼田がミドルシュートを放つが惜しくも枠外にそれてしまった。16分、試合中盤に期待のルーキーMF前田龍大(人1)が登場。積極的にピッチを駆け、抜け出しの動きからもチャンスを演出する。そして28分、DF松尾がドリブルで相手陣地の深くまで攻め込み、うまくファールをもらう。キッカーを任されたのは先ほど投入されたDF川島。「蹴る前に伸くん(=DF吉田伸)からニアに速いボールを蹴ってくれと言われた」。緊張感に包まれる会場で、指示通りDF川島は低い弾道でボールを放つ。そしてゴール前で構えていたFW百田が頭で押し込む。待望の先制点を獲得した。







その後も関大は気を緩めることなく試合を進める。MF梅津克貴(社4)の中盤での守備や、終盤にはDF浅羽のクロスからFW百田のヘディングシュートもあるが、追加点は挙げられない。それでも粘り強い守備でリードを守り続け、インカレへ望みをつなぐ勝利を収めた。


この勝利で関大はリーグ5位まで浮上。他校次第ではあるが、インカレへの道は閉ざされたわけではない。「自分たちができることは、他の結果を見るのではなく、一つずつ勝利を重ねること」とDF吉田伸。勝利以外は許されない。チーム一丸となって残る3節を戦い抜く。【文:宮本晃希/写真:牧野文音】
▼前田雅文監督
「立ち上がりのところでチャンスが多くあったけどそこで決め切ることができなかった。その中で相手もチャンスを作ってきたのでいい時間と悪い時間がある。得点を取れればベストだったけど、取れずに苦しいゲームになった。(ハーフタイムでの声掛けは)もう我慢するしかないし、チャンスはあったので、それを増やしていくしかない。横からのクロスなどで分母を増やす作業をしていく。得点のところがそのチャンスに対して取れたらなという感じ。うちがインカレに行けるか行けないかは、勝ち点のところでギリギリになってくる。得失点差の部分も含めて得点を取りたかったけどなかなかいけなかった。そこは残念ではあったけど、最低限勝ち点3を取らないと得失点差も意味がなくなってしまう。そこは1つクリアできているので、次につなげていくしかない。(次節に向けて)次節は甲南大戦というところで、春は0―0で引き分けている相手。昨年も0-0。スコアレスのゲームが続いているので、しっかり得点を取る。相手は降格がかかっているので必死にやってくるはず。前がかりになってくると思うので、耐えるところは耐えて、チャンスを生かしていく」
▼DF吉田伸主将
「残り4試合ある中で、チームに残されている道が4試合全部勝ってなおかつ他のチームの結果次第。自分たちができることは、他の結果を見るのではなく、一つずつ勝利を重ねること。最低限勝ち点3を取ることはできたけどもっと得点を取ることができたゲームだと思う。試合の運び方や、どういったプレーを選択するかはまだまだ課題はあると感じている。やっぱりチームとして一つずつ改善しながら、残りを全勝してインカレへの道をつないでいきたい。(前半は)相手も粘り強く守備してくると分かっていたので、点が入らなくても後半で入ると思っていたので焦りはなかった。でも、シュートへの積極性は薄れていたかなとは思う。ハーフタイムの指示でどんどんシュートを打っていくことや、セットプレーが鍵になると話した。悪くはなかったけど、あの流れなら得点は欲しかった。(自身のプレーについて)一番後ろのポジションでキャプテンマークを巻いてプレーしている以上中途半端なプレーはできないと思っている。チームを代表してTOPチームで出ているので、自分も戦う姿勢を見せないといけない。今日の試合に関してはヘディングもそうだし、地上戦で相手に体をぶつけて勝つ部分や、ボールを奪うことはよくできていたので、ディフェンスの選手として0失点で終われているのはいいことだと思う。残り3試合も無失点でいけるように頑張る。(次節に向けて)甲南大は前期0-0で勝ち点3を取れなかった相手。勝ち点3を取らないといけない状況なので、チーム全員で競争して、良い準備して絶対勝ち点3を取る」
▼FW百田
「勝ち点3が絶対に必要な試合で、しっかり相手に合わせて準備してきたことがうまくいった。でも試合全体としてはチャンスが多くあった中でセットプレーからの1点だけというのは試合の流れを苦しくしてしまったと思う。そういうところを修正して次につなげていきたい。この前まで自分はスタメンで出してもらっていたけど、なかなか結果を出せずにチームに迷惑をかけていた。サブにはなったけど、勝ち点3が必要なことは変わらないので絶対に自分が取ってやるという気持ちで相手の嫌なところに入っていった結果、川島からいいボールが来たので自分は当てるだけだった。しっかり決められてよかった。(ピッチに入るとき)前節の京産大戦のときからベンチの雰囲気が良くて、4回生を中心にお前が決めてこいと言ってもらって、自信を持って試合に臨めていた。(次節に向けて)今日勝ったことでインカレに向けてつながった。でも、チャンスが多くあった中で決め切れるシーンが少ないので、そこを修正して自分がどういう形で試合に出るかは分からないけど、出たら得点というところでチームに貢献できたらと思う」
▼DF川島
「相手は降格がかかった試合ということもあって難しい試合になることは分かっていた。実際にやってみて、良い場面があっても点が入らなかったり、難しい時間が続いていたと思う。ここ2、3カ月は個人的にもコンディションが良くなくて、正直サッカーが怖かった時期があった。けど、今日何か変えたいと思って入ったら、真登くんがうまく合わせてくれて勝てて良かった。今もがいている中で、今日で抜け出せたわけではないけど、チームに迷惑をかけていた分何かしたいなと思っていた。(得点シーンについて)勇佑くん(=DF松尾)の特徴は足が速くてそこをうまく使いながら入っていこうと思っていた中で、うまくフリーキックを取ってくれた。蹴る前に伸くん(=DF吉田伸)からニアに速いボールを蹴ってくれと言われて、そこを真登くん(=FW百田)が合わせてくれたので真登くんのおかげかなと思う。(次節に向けて)インカレの可能性も低くなっていて、勝つしかない状況なので、しっかり準備して勝てるように頑張る」