終始リードで、神戸大に無事勝利

◇第52回明治神宮野球大会関西地区第2代表決定戦1回戦◇対神戸大◇11月1日◇南港中央野球場◇
関 大 023 100 000=6
神戸大 000 000 001=1
(関)宮崎、池本、定本ー有馬
(神)吉賀、大西、藤原ー草野
1(中)安藤
2(右)中井颯
3(遊)野口
4(三)久保田拓
5(一)上神
6(捕)有馬
7(左)小河
8(二)坂之下
9(投)宮崎
昨日の試合では佛教大に敗れた関大。今試合は神宮出場をかけた絶対に負けられない大一番。初回は三者凡退に倒れたものの、2回以降は得点を重ね、相手をリードする形で試合を進めた。4回以降、両者ともに無得点が続き、そのまま逃げ切った関大が見事勝利した。

先発のマウンドに上がったのは宮崎隼輔(人3)。立ち上がりから先頭打者に左前安打を打たれ、無死一、二塁のピンチを招くも、0点に抑える。

そして2回、関大の攻めの姿勢が試合を動かす。先頭打者の久保田拓真(社4)は四球で出塁すると、果敢に盗塁を決めた。1死二塁の場面、有馬諒(商2)の中適時打で先制する。その後有馬も盗塁を決め、2死二塁とチャンスを広げる。得点圏に走者を置き、主将坂之下晴人(人4)が中適時打を放ちリードを2点に広げる。




2点リードの3回、先頭の安藤大一郎(経4)が相手の失策で出塁すると、見事盗塁を成功させた。続く打者、中井颯良(政策2)は四球を選択しチャンスを広げる。無死一、二塁と絶好のチャンスで打席には野口智哉(人4)。「振り切った瞬間確信した」とライトスタンドに飛び込む豪快な3点本塁打を放った。




4回も2死から粘り強い打線を見せた。安藤・中井颯が3回と同様にチャンスを広げる。2死一、二塁の場面で打席には先ほど3点本塁打を放った野口。右方向に飛んだ打球はアウトかと思われたが、相手の失策で2塁まで進む。この間に関大は一点を追加し、リードを6点に広げる。その後、両者ともに無得点が続く。
2回以降好投を見せた宮崎に代わり、6回裏から2番手池本純(社4)が登板した。打たせて取るピッチングでこの回を三者凡退に抑える。

膠着(こうちゃく)状態が続いたゲーム後半、8回二死から代打藤﨑悠(環都4)が左中間への二塁打を放ちチャンスを作るもその後の打線が繋がらない。

その裏、池本に代わって3番手定本拓真(文3)がマウンドに上がる。昨日登板の疲れを感じさせない投球で神戸大打線を三者凡退に抑える。しかし関大6点のリードで迎えた9回裏、勝利目前に不穏な空気が立ちこめる。連日の登板だった定本が、相手に3つの四死球を与え、一死満塁のチャンスを作ってしまう。次の打者を短い右飛で討ち取ったものの、次の打者にまたもや死球を与えてしまい、押し出しの1点が返る。予想外の展開があったものの、最後の打者を右邪飛で打ち取り、勝利を収めた。

昨日の敗戦の悔しさを切り替えて挑んだ神戸大戦。「意地でも第二代表を決める」という思いで臨んだ坂之下主将。 終始リードした試合展開を見せた今試合に続いて、明日の龍谷大戦も全員野球で必ずや勝利する。【文:松尾有咲/写真:石井咲羽、上田紫央里】
▼早瀬万豊監督
「(定本投手の連戦起用について)いや、昨日もうちょっと頼りない所があったので連戦に向けて使い所を考えないとというところで。(リーグ戦で連敗してからの決定戦ですが、流れは良くなかったか)向こうに連敗したいうのも完全にやられたという感じじゃなくて、こっちがミスしたりとか、という所での一点差で競り負けたというとこだったので、その辺をなんとか修正して臨んだんですけど、昨日と今日を見れば、昨日は本当にねじ伏せられたみたいな感じでした。やっぱり良いピッチャーで、それでもなんとか点を取りたいところで押さえ込まれてというとこだったので本当完敗に近い状態というとこで、今日切り替えて行こうというところで前半、特に野口の3ランとかあって、後半は後半でまた課題も残しました。良いように考えて明日につながる材料という感じでとれば、明日に向けてプラス材料になると思います」
▼坂之下主将
「(今日を振り返って)負けたら終わりというのがあったんで、みんな負けられへんという思いもあったし、昨日負けて悔しい思いをして、第二代表しかなくなったんで、意地でも第二代表を決めるという思いでした。(チームの雰囲気は)普段とはあえて何も変わらず、みんな悔しいのはあるけど、ずっと悔しがっていても何もならないので、昨日の試合後のミーティングで気持ちを切り替えようと言ったんですけど、あと3つ勝つだけなんで、目の前の試合を大事に戦っていきたいと思います。(初回について)宮崎の立ち上がりが不安だったんですけど、なんとかそこさえ抑えてくれれば、今日は行けるかなと思ったし、バント処理のエラーもあったし、それは仕方の無いことで、その後も本人も切り替えて声出したりしてたんで、あとは宮崎に託したという感じです。(2回の適時打について)この大会はずっとランナーがなしで回ってきていたんで、初めて得点圏まで進んで、打てる気がしたし、リーグ戦から今季はチャンスで打てる気しかしていなかったので、やっとチャンスで回ってきたなという風に待ち構えていました。(次戦に向けて)明日も負けたら終わりんで、楽しむだけ楽しんで、第二代表を取るために絶対の勝たないといけないんで、全員野球でつないで、絶対勝ちたいと思います」
▼野口
「(3回の3点本塁打について)やっぱりちょっと(ボールを)張ってたところはあったんですけど、その張ってたボールをしっかり一球で仕留めることができたのでまあそこはすごく良かったと思います。(高めで難しいボールだったか)いや、これまでがずっと変化球勝負だったので、やっと真っ直ぐで勝負してくれたんで、まあ自分もその真っ直ぐにしっかりと対応できたので、コースとか関係なくあそこに持って行けたというのは、今日は良かったなと思います。(振り切った瞬間、本塁打は確信したか)そうですね、打った瞬間にもう行ったなっていうのは分かりました。(飛距離は)向こうのネットに当たるぐらい。(あれだけ飛ばした経験は)球場が分からないのではっきりとは言えないですけど、自分の打った感じでは、打感的にはいつものホームランと同じくらいで良かったかなと思います。(内野安打でスライディングを見せていたが、今日の試合にかける思いがあったか)そうですね、5、6回で少し流れが悪かったので、どうしても自分が塁に出てなんとかしたいっていう気持ちがあったんで、ああいう風に気持ちで見せれたらいいかなと思ったので、最後ヘッドスライディングしました。(秋季リーグ戦2敗してからの試合だったが、チームの雰囲気は)そうですね、やっぱりスタメンで出てる自分たちがやっぱりなかなか思うような結果が出ないんで、それは自分たちがすごく悪いんですけど、その悪いなりにベンチでしっかり声出してくれたり、応援してくれる部員がいるので、自分はそういう人のためにもっていう風に思いながら、やってます。今日の一勝っていうのはすごく勝ちたい流れの中の勝利だったので、明日以降もしっかり部員のために勝ち星を上げれるようにやっていきたいと思います」