接戦の末関関戦制し、インカレへ弾み

◇2021年度Autumn match◇対関学大◇関西大学中央体育館
[前半終了]関大11―12関学大
[後半終了]関大16―14関学大
[試合終了]関大27―26関学大

Autumn match最終戦は、ともにインカレに出場する関学大との関関戦となった。惜敗が続く関大にとっては勝利をつかみ、インカレへ向け弾みをつけたい一戦。序盤こそリードを握ったものの、拮抗(きっこう)した展開が続く。前半終了間際に逆転を許すと、関学大を追う展開に。後半から松本大昌(文2)を中心に関大の攻撃が決まりだすと、有本晃人(法2)の7メートルスローで1点リード。最後も廣上永遠(文3)の好セーブでゴールを守り切り、接戦を制した。

試合開始直後から関関戦らしい熱戦となった。先制点は関学大に許したものの、金津亜門(社3)のアシストから福原佑哉(人4)のシュートで取り返す。有本晃人(法2)の7メートルスローや池原大貴(社2)の連続得点で6ー2と相手を突き放し、相手をタイムアウトに追い込む。



しかし、タイムアウト明けから相手の速攻などで点差を縮められる。左サイドからの小橋澪椰(人4)の得点や金津を中心としたパス回しからリードを広げたい関大だったが、なかなかシュートが決まらない。同じ形での失点が続き、1点差まで追い上げを許す。木村勇輝(社3)の角度のあるシュートが決まり、流れをつかむかと思われたが、同点に追いつこうと盛り上がる関学大の勢いは止まらない。前半残り約5分でついに9ー9の同点とされてしまう。なんとかリードを取り返そうと攻め立てたが、思うようなパスがつながらない。川人龍之介(経3)や池原を中心とした守備からの速攻や高橋智也(経3)の際どいシュートで得点を奪ったものの、前半終了間際に逆転を許す。1点のビハインドで試合は後半戦へ。



春の試合では同点で試合を折り返したものの、後半に1点差で唯一白星を献上した相手。絶対に負けられない30分間が始まった。先制したのは関大。小橋などの3連続得点で1点リードする。だが、その後はシュートまで持ち込むもののなかなか得点に結びつかない。相手のループシュートなどから立て続けに得点を決めれ、14ー16と2点差をつけられる。

後半開始約10分、松本のシュートが決まると白井裕登(人1)のステップシュートで同点に追いつく。その後も、松本のコースを狙ったシュートや白井の鮮やかなシュートで得点を重ねる。廣上永遠(文3)のセーブなどもあり、試合終盤に向け点差を広げたい関大。しかし、選手交代で守備が薄くなったところや、ペナルティスローをうまく使われ一進一退の攻防が続いた。

取っては取られの展開が続く中、関大は2分間退場のピンチを迎える。それでも走ってチャンスを作ると、川人がサイドシュートを連続で決め流れは渡さない。一方の関学大も「ディフェンスから」と声を掛け合い、簡単にはゴールを決めさせてくれない。有本の7メートルスローや金津のフェイントを生かした松本のゴールで点を取り返す。

後半残り約2分で、廣上が相手の7メートルスローを止める好プレーを見せると、残り約30秒で関大のペナルティスローを獲得。有本がこの日4本目の7メートルスローを成功させ、再び関大が1点のリードを握る。残り15秒、なんとか追いつこうとする相手に、シュートは打たれたもののこれも廣上がきっちりセーブ。1点差を守り切り、大きな白星をつかんだ。




勝利への意欲がぶつかり合った熱戦を制した関大。インカレへ向け大きな収穫となったが、同じ形での失点やパスワークなどの課題も浮き彫りになった。残り1週間で精度をさらに高め、全国の強豪を迎え撃つ。【文:牧野文音/写真:松尾有咲】
▼中川昌幸監督
「ここに放ったらノーマークという時に、全然違うところに放っていて、投げるところに投げてなくて、自分たちでしんどくしていた。でも、最後の最後まで勝ちたいという気持ちを全面に出して、すごくいい試合だった。両方とも、ベンチ含めてめちゃくちゃ声出てるし、関関戦はこうでないとあかんよ。(良かったところは)やっぱり後半。前半はシュートをよく外してたけど、後半はしっかり決め切れるようになっていた。今日の試合でも全部良かったわけちゃうから、この1週間でどれだけレベルアップできるか、練習で消化できるかが大事なところ」
▼小橋主将
「インカレ前だから、やっぱり勝って気持ちよく行きたいという気持ちだった。先週の試合でできていなかった部分を課題にして、前向きな気持ちで臨めた。(今回の試合を振り返って)ミスが多かった。焦っているわけではないけど、どうしても前のめりになっている部分があった。もう少し余裕を持ってプレーできるようにならなあかんな。守れていてもパスミスとかでシュートまで行ききれなかったり、シュートを外していたりしたから、そこで決めてもうちょっと離していたら、もっと楽な展開に持っていけたかな。(それでも勝ち切れたのは)やっぱり走れていた。いつもは追いかける展開になって、声も出なくなっていたけど、しんどい時間でも声をだして、自分ららしいペースで試合に臨めていたのがよかった。よかった部分も悪かった部分も両方すごくでた試合だったから、いいところは伸ばして、悪いところはしっかり修正していきたい。(インカレへ向けて)自分たちはほんまに最後だから、やり切るのもそうだけど、シンプルに楽しみたい。楽しむことを忘れずに、しっかり勝ちきって、1試合でも多く試合をできたら」
▼福原
「チームとしては負けが続いていて、インカレを残して最後の試合だったので、ここで勝ち癖を戻して、インカレへ向かいたいなという気持ちだった。(今回の試合は)自分も含めて、シュートミスと、パスミスが多くて、速攻にうまくつなげられない部分が多かった。ディフェンスでも同じようにやられる部分が多かったので、選手間の話し合いとかでもっと対応できたかなと思う。やっぱりそういう小さなミスをなくしていかないと楽な展開は作れないので、細かいミスを修正してきたい。全体的にみたら悪い流れが多かったけど、最後の競った展開で勝ち切れたのが一番大きかった。(インカレへ向けて)関大はそこまで選手層が厚くないけど、誰がでても同じような戦力でいけるように練習しているので、誰がでてもみんな活躍できるように、関大は1つでやっていきたい。自分ら4回生は人数も少なくて、示しがつかない部分も多かったけど、試合が少ない中で後輩たちが頑張ってくれたので、最後は先輩として、キャプテン、副キャプテンと、奥川で、結果を残してかっこいいところを見せられたら」
▼松本
「インカレが近くて大事な時期だけど、直近の試合は接戦で負けていたので、インカレにもつながるように絶対に勝とうという気持ちだった。出だしが良くないのがずっと課題で、今回も、ミスとか慌てたりして、点差が全然開かなかった。みんなでやる試合も、この試合とインカレだけだったので、後半はどんな試合になろうと明るく楽しく、みんなで声とかを出して頑張った。前半はシュートもバンバン止められて、結構やばかったけど、みんながシュートコースとか修正点とかを教えてくれて、そこを改善して決められたのでよかった。(インカレへ向けて)もう負けたら終わりのトーナメントなので、その1日にちゃんと全部出せるように準備して、できるだけ多くの試合をみんなでできるように頑張りたい」
▼有本
「自分は7メートルで出る役で、前回の経大戦で2本出してもらってだいぶ慣れたというのもあって、関学戦でしっかり4本決め切れたのは2試合続けて成長できた点かな。公式戦で7メートル打つのは前回が初めてだったけど、いつもスタメンのキーパーの永遠さん(=廣上)とかに相手になってもらっているので、やりやすかった。(印象に残っているのは)1本目と最後。1本目が決まらなかったら、2本目ももうないので、1本目は絶対自信あるコースに打ち込んだ。ラストも自分が得意なコースに打って入ったのでよかった。いい意味で練習通りにできた。(インカレへ向けて)自分は、Bチームなので、紅白戦のA対Bの試合の中で、Bチームが対戦相手と一緒くらいの気持ちで行けたらAチームも盛り上がると思うので頑張りたい」