FW西村真が2ゴールの大活躍!京産大相手に計4得点の快勝収める

◇第99回関西学生リーグ後期第9節◇対京産大◇10月23日◇
【前半】関大2―0京産大
【後半】関大2―2京産大
【試合終了】関大4―2京産大
苦しい戦いが続く関大サッカー部。今節の相手はリーグ2位につける強敵・京産大だ。序盤は相手にボールを保持される時間が長く、劣勢を強いられていた。だが、42分にDF浅羽悠成(安全4)がPKをもらい、DF吉田伸弘主将(法4)が確実に決める。そしてそこから関大の流れに持ち込み、FW西村真祈(法2)の2得点もあり白星を収めた。

前半1分、ファーストシュートは関大が放つ。DF松尾勇佑(文3)のパスをFW西村真がヒールで落とすと、MF深澤佑太(社3)のパスを受けたFW久乘聖亜(政策3)が強烈なシュートで締める。このボールは枠外となるが、序盤から関大の勢いを見せつけた。




攻める時間はあるものの、得点へとは至らない。さらには、ボールを奪えない展開が続き、自陣でのプレーが多くなった。だが、DF吉田伸の決死のスライディングや、DF松尾やDF浅羽が体を張り得点を許さない。DF髙橋直也(商2)が対人守備でも強さを見せ、拮抗(きっこう)した試合展開のまま時間が過ぎていった。このまま両者無得点のまま前半を終えるかと思われたが、DF松尾がドリブルで中央を突破し、サイドのDF浅羽につなぐ。そしてペナルティエリアまで侵入したところでファールを受ける。試合の流れを変えるチャンスを得た。ペナルティキックのキッカーはDF吉田伸。プレッシャーのかかる場面となるが、落ち着いてゴールにボールを流し込む。「キャプテンとしても責任を持って決めたいと思っていた」と、主将が大仕事をやってのけた。




そして、関大の勢いはまだまだ止まらない。45分、FW久乘のパスを受けたFW西村真がドリブルで相手コートを駆け上がると、プレスをかけてきた相手の股を抜きチャンスを生み出す。そこから左足を振り抜き、放たれたボールはサイドネットを突き刺す。前半終了間際にリードを2点に広げ、関大の優勢で試合を折り返した。


交代なしで迎えた後半。そのままの勢いで試合を進めたかったが、4分のところで守備を崩され失点を許す。その後は、MF足立翼(人3)のドリブルでチャンスを演出するも、リードを広げることができない。だが、次に得点を動かしたのは関大。13分に相手がブロックしたボールがこぼれ、DF浅羽がそれに合わせ鋭いシュートをゴールへ流し込む。再びリードを2点とした。


その後は、19分に相手のドリブルに翻弄(ほんろう)され、得点を与えてしまうが、MF梅津克貴(社4)のフィジカルを生かしたディフェンスや、MF草刈龍星(法4)のパスワークでゲームの流れを作り出す。相手にシュートまで持ち込まれる場面もあるが、GK田熊航洋(人4)の気迫を見せたセーブでこれ以上の得点を許さない。さらに、FW沼田駿也(政策4)とMF岡崎駿希(法3)を投入し、ゲームを決める得点を狙いに行った。





そして試合終盤、MF梅津のクロスにFW沼田が合わせる場面や、MF前田龍大(人1)の積極的なプレスからチャンスを作る。34分にはDF川島功奨(社1)のシュートが相手にブロックされてしまうも、こぼれ球をFW西村真が落ち着いてトラップ。そして、ワンバウンドしたボールを完全にとらえ追加点を挙げる。リードを広げた関大は、DF次木優斗(商4)を投入し、安定感のあるディフェンスで相手に付け入る隙を与えない。そのままチーム一丸となって守り抜き、試合終了を告げるホイッスルが鳴り響く。強敵を相手に貴重な勝ち点3を手にした。




計4点の大量得点で強敵を相手に勝利を収めた関大。だが、インカレを目指す上で、負けられない戦いは続く。「それでも最後までインカレを目指して戦い続ける姿だったり、チームとして少しでも上を目指す姿を見せ続ける。そして、インカレに出て全員サッカーで日本一を達成したい」とDF吉田伸主将。今日の勝利で勢いに乗り、残す4戦を必ず勝利で飾る。【文:宮本晃希/写真:大森一毅】
▼前田雅文監督
「予想通りだった部分は多かった。点が入るか入らないかはやってみないと分からないところはあるけど、展開的には押す場面も押される場面もあると思っていた。押されるところでは、準備してきたものを出せて、攻撃のところは一人ひとりのクオリティは高いのでチャンスを出せた。(相手の京産大について)自信を持ってプレーしているという印象がある。戦術的なところも含めて長けている部分はあるけど、勝ち点を重ねて自信をつけているなという印象。(序盤の展開について)昨日もミーティングとトレーニングをしたけど、相手の攻撃に対して1週間準備するということはしたくない。試合の開始から苦しい展開があるとは思っていたので、後半にかけて徐々になじんでこられたと思う。(FW西村真について)西村真はパンチ力があるので、左足を振ればチャンスはできると思う。前半は相手の方が自分のシュートモーションより早かったこともあって、消される部分は多かった。でも、得点時のシュートシーンは良く足を振れていたと思う。(次節以降について)今日は上位校に勝てたけど、先週の体大でも流れは悪くないのに勝てなかった。でも、今日は流れが悪いときがありながらもうまく勝てたので、内容と結果がついたゲームを増やしていきたい」
▼DF吉田伸主将
「自分たちよりも順位が上の相手ということで、相手のストロングポイントが攻撃のところにあることは分かっていた。まずは守備のところから入ろうと話していて、前日の準備も含めてしっかりできてそれが試合でも出せたと思う。前半で守備からチャンスを作って、その積み重ねから先制点と2点目を奪えたので良かった。ただ、後半の立ち上がりで失点してしまってゲームが難しくなったところはある。それでもチームとして崩れずに4点目まで取れて良かった。(PK時の気持ちは)0―0の場面でのPKというビックチャンスが来て、決めないといけないのは分かっていたし、キャプテンとしても責任を持って決めたいと思っていた。そこでうまく決められて良かった。チームとして準備してきたことが出せたのは良かったと思うし、サブのメンバーを含めた戦い方や、雰囲気作りができているのは良いところ。(次節以降に向けて)インカレに向けて負けられない戦いは続くし、その中で順位的にも勝ち点的にも難しい状況ではある。それでも最後までインカレを目指して戦う姿だったり、チームとして少しでも上を目指す姿を見せ続ける。そして、インカレに出て全員サッカーで日本一を達成したい」
▼FW西村真
「スタメンは前半戦の阪南大戦以来のことなので、緊張があった。最初は試合の流れに入っていけなかったけど、点数を決められたのは自分の中で流れに乗るきっかけになった。そこから攻撃面でも起点になったり、守備でも前からプレスをかけたりできて、久しぶりのスタメンにしては良かったと思う。(得点シーンについて)相方の久乗くんが縦パスを出してくれたところで、相手2枚に挟まれたけど、相手がちょうどプレスをつっかけてくれた。そこから股を抜いて相手と入れ替われたことがゴールにつながったと思う。最後は相手の逆サイドネットが空いていたのでそこを狙ったらコースに飛んで行ったので良かった。(自身のプレーに付いて)前半はちょっとテンパってパスミスなどで流れを途絶えさせてしまった。でも、途中から流れに入っていけたり、チャンスを作れたりしたので、そこまで良くはなかったけど勝てたところは良かったと思う。(今後に向けて)残り4節あって、自分たちは勝たないとインカレに出場できないと思っている。自分たちが勝ち点3を積み重ねていく中で、他のチームの試合結果次第ではあるけど、チーム一丸となって頑張る」