[なでしこ]MF笹部の2ゴールで大体大破る!リーグ優勝へ向け前進

◇2021年度関西学生女子秋季リーグ第5節◇対大体大
【前半】関大1-0大体大
【後半】関大1-1大体大
【試合終了】関大2-1大体大
ここ2戦は無得点で勝利が遠のいていた関大なでしこ。リーグ優勝やインカレ出場へ向けてはこれ以上の負けは許されない。そんな中、第5節で相対するのは大体大。春季リーグや、皇后杯予選で敗北を喫した難敵だ。だが、試合開始からゲームの流れを握り、MF笹部麻衣(人4)の先制点からリードし前半を折り返す。後半こそ、一時は同点に追いつかれるが、最後まであきらめない気持ちの強さを見せつけMF笹部が追加点を挙げる。劇的な勝利をつかみ、チーム全員が喜びを爆発させた。

試合開始直後、DF中尾純菜(社2)のロングフィードからMF笹部が抜け出すが得点には至らず。その後も、MF田中杏実(人3)や、MF𠮷尾香音(社1)が中盤でボールをつなぎ、MF笹部のスルーパスからFW成迫実咲(人4)がシュートを放つ。これは相手DFにブロックされてしまうが、DF真木悠花(文3)がこぼれ球をシュートまで持ち込む積極性を見せた。






10分には、FW田中光紀(安全2)からサイドのFW成迫にパスをつなぎ、そこからMF𠮷尾がドリブルで前線へ上がる。そのままシュートを放つが、これは相手DFにブロックされてしまった。攻撃だけでなく、カウンターを受ける場面が訪れてもGK井上沙季(商3)がロングボールをキャッチする。落ち着いたプレーでゴールを守った。


そして試合が動いたのは19分。前線でボールをつなぎ、相手がこぼしたボールに対してMF笹部が裏へ抜け出す。そのままドリブルで上がり、GKとの1対1となるが冷静にゴール隅へ流し込む。ここぞの勝負強さを見せつけた。


その後も関大ペースで試合が進み、攻め立てる時間が続く。DF南中優衣(人2)のオーバーラップや、ゴール付近でのフリーキックのチャンスもあるが、追加点とはいかない。そのままスコアは動かず前半を終えた。

1点リードで迎えた後半。だが、守りに入ることなく攻め続ける。開始直後にはFW成迫のパスにMF塚原碧衣(政策3)が抜け出し、フリーでシュートを放つ。しかし、これはキーパーに阻まれ、得点には至らない。守備面ではDF林祐里(人3)を中心にDF陣が体を張ったプレーを披露。相手のシュートをゴール枠内に飛ばさせることなく、安定した守りを見せた。13分にはFW田中光に代えてFW瀧沢雪乃(人2)を投入。そのFW瀧沢が終始、前からのハイプレスで献身的なプレーを見せる。均衡した試合展開が続くが、20分に試合が動いた。相手の右サイドからのクロスをフリーの選手に合わせられてしまい、これがゴールイン。1-1の同点に追いつかれてしまう。




その後は、相手に攻め込まれる時間が続く。だが、チーム全体が連動し、何度もピンチを脱する。42分には枠内に強烈なシュートを打たれたが、GK井上沙がファインセーブでしのぐ。これに応えたいフィールドプレーヤーは最後の力を振り絞り、相手陣内に攻め込むも相手にクリアされてしまい攻め切れない。どちらに点数が入ってもおかしくない雰囲気の中、アディショナルタイムは2分の表示。その瞬間に試合が動いた。右サイド突破からのクロスがファーサイドに流れ、それに合わせたのは先制ゴールを挙げたMF笹部。試合終了間際の劇的な勝ち越し弾により関大が2-1で勝利を収めた。





同点に追いつかれた後は相手に攻め込まれる苦しい展開となったが、ベンチメンバーを含めチーム全員が最後まで諦めずに戦い抜いた。2連敗中の関大なでしこだったが、難敵を相手に貴重な勝ち点3を得る。この勢いのまま春リーグは成し得なかったリーグ優勝を目指す。【文/写真:宮本晃希・大森一毅】
▼DF笠原黎々花(社4)女子主将
「女子チームにとっても大事な試合で、関大サッカー部としても昨日勝てていないチームが多かったので、全員が思いを強く持って迎えた。内容としては自分たちがやってきたことをチャレンジできて、前半の入りから集中して挑戦しながらやれたことが点につながった。(前半の流れは)立ち上がりから全員が集中できていたからこそ自分たちの流れに持っていけた。気持ちを前面に出せていて、全員が良い意識を持てていた。(後半について)体大には勝ったことがなくて、苦しい時間が試合の中で出てくるのは自分たちも分かっていた。そこでもどれだけ粘れるかであったり、全員を信じて耐えられるかが大事だったと思う。失点してしまったけど、そこであきらめずに前を向けたのが良かった。(2点目の時の気持ちは)1番はうれしかった。あとは、サッカー部としても昨日負けていたけど、女子チームが関大サッカー部を引っ張るという面でそれに近づけた1点だったので、その気持ちも大きかった。(次節以降について)自分たちはリーグ優勝を目指しているので、この1勝を自分たちの自信にする。これからも勝ち続けるために来週に向けた1週間は、前向きな課題も生まれたので、しっかり取り組んでいく」
▼MF笹部
「チームとして2連敗していて、ここで負けてしまったら、下位争いになってしまう大事な試合だった。本当に勝ちたいという気持ちを持って練習していて、今日迎えた時にみんなが良い状態で試合に入れたことが一番良かった。ゲームの中でも気持ちの面で負ける気がしなかったというのが勝てた要因だと思うし、チームとしても一つになれていた。(先制点のシーンについて)うまくボールが相手のミスで流れてきたこともあって、相手がどういう状況でも裏に抜けようとは思っていた。その時にうまく流し込めたことが自分の中でも一番良かった。(後半について)前半はボランチのところを抑えられていたので、展開もさせずにセカンドボールも抑えてマイボールにできていた。でも、後半の悪い時間はボランチを自由にさせたところがあったので、もっと反応を良くして前からプレスをかけていくことが必要だと思う。そこを改善していかないといけない。(2点目の時の気持ちは)時間もなくて、あと1点を取らないと勝てない状況で、自分が取らなくても誰かが取れればと思っていた。その中でボールが転がってきたところをうまく押し込めたのが本当に良かった。ベンチも一緒に前へ前へと言っていたので、決め切れて良かった。(次節以降に向けて)また来週獨協戦があって、体大とは違ってつないでくるサッカーをしてくる相手。戦い方も変わってくると思うし、相手は立場的に優位ではないので勝ちたい気持ちは強いはず。それでも関係なく、自分たちもインカレに行くためには勝つことが条件なので、絶対に勝つという気持ちは負けずに戦う」
▼MF田中杏
「体大には春リーグと皇后杯で負けていて、絶対に勝とうと強い気持ちを持っていた。前半から積極的に前からプレスをかけて、関大のペースで進められたことが勝利につながったと思う。(自身のプレーについて)いつもセカンドボールや、最初に競るときに負けていることが課題だったけど、今日はほとんど触れていた。そこもゴールにつながった要因だと思う。(ゲームの中で特に良かった点は)ベンチからも声が出ていたし、雰囲気が良かったと思う。春リーグと皇后杯で負けていることもあって、絶対メンタル面から全員で声をかけて、気持ちから入って自分たちができることをやっていこうと言っていた。そこで、練習してきたことを出せたかなと思う。(次節以降に向けて)これで残留は確定して、次はインカレに向けて、今年で歴史を変えられるように全員で課題を克服して全員で切磋琢磨(せっさたくま)していく」